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クエスト攻略

俺はこの世界の魔術について学んだ

この世界の魔術は俺が思っていたよりも奥が深いらしい


リエッタ「魔術も奥が深いねー」


「ほんとそうだね、」

「でも今回ので魔術の幅が広がった気がする」


想像がそのまま魔術に

自分のやりたい魔術を使えるということか

まあそのためにも仕組みの理解とかが必要だから突飛なことはできそうにないけど




リドルフォ「そろそろリボフットの縄張りに入るぞ」

「気性が荒いからいきなり襲ってくる気をつけろ」


リボフットか

いまいちどんなのかわかってないんだよな


セルン「この場所だとリエッタの魔術は活躍しそうですね」


促成魔術とやらだろうか

どんなのか気になるな


リエッタは自信満々そうに歩いている



ギュワー


突如前の茂みからリボフットであろうモンスターが飛び出した

形は小さい人型といったところから

異様に発達した4本の足

ゴリラのような見た目だがそれよりも小柄ですばしっこい


リボフットがリエッタの元へ襲いかかる


剣を抜きとっさに助けに入ろうとする

そのとき


リエッタ「グロウイン」

リボフットがの近くの茂みがリボフットを飲み込んだ

まるで茂みがリボフットを食べたかのようだ

いや実際に食べている

茂みからむしゃむしゃと音が聞こえる


プッ


茂みがリボフットの右耳を吐き出した

おそらく討伐した証明となる右耳だろう

なんという魔術だ

俺はリエッタの魔術に呆気を取られた


リエッタ「どうかな私の魔術」

「さっきの話を参考にして木がむしゃむしゃして右耳を残すことを想像したんだー」


「すごい、いやほんとにすごい魔術だ」


リエッタはこの森では最強だろう

どこの方向を見てもリエッタの操作対象である植物がある

この森の中だと魔術勝負で言えば俺はリエッタに勝てないかもしれない


セルン「ほんとにリエッタの促成魔術はすごいです。今日で更に強化されてましたし」

「リエッタは昔から植物が好きでしたからね」

「植物に対して相当想像力が働くんでしょう」


リエッタはとても嬉しそうに微笑んでいる


俺はあの促成魔術はつかえない

決して想像できないわけではない


セルン「この魔術は決して私じゃ使えません」

「私には促成における魔力変化の感覚がないのでしょう」

「魔力感覚を磨くには日々の練習が必要ですよ」



森の中でのリエッタは強すぎる

突然飛び出してくるリボフットにも促成魔術ですぐに倒してしまう

リエッタの持ってる袋には溢れんばかりのリボフットの右耳がつまっている


ゾミエル「一人で倒すなよ、全く俺の方にこないじゃないか」


リエッタ「だってサクサク倒せて楽しいんだもん」


リエッタはなかなかのサイコパスなのか?


リドルフォ「たしかにこのクエストは簡単すぎたかもな」

「じゃあ標的をドンフットに変えますか」

「ドンフットはリボフットよりもかなり大きいのでそう簡単には倒せないと思いますよ」


まあたしかにこいつじゃ手応えなさすぎるな


セルン「ルート変更しますね」


リボフットやドンフットなどのフット族は円状に縄張りを作り真ん中に行けば行くほど強くなるらしい

俺らはさっきまで縄張りの外周をぐるぐる回っていたのだ


ルートを変更し縄張りの中心へ向かう


突然飛び出してくるリボフットも強くなってるはずなのだが

一瞬でむしゃむしゃしてしまうからあんまり違いがわからない



ガサッガサガサガサッ


さっきまでより大きく茂みが揺れる


ギュギュグワー


さっきまでのリボフットよりも3倍くらいの大きさだ

ドンフットだろう

リエッタにめがけて一直線だ


リエッタ「グロウイン」


ドンフットに幹が刺さる

でも止まらない


「水円斬」

水の斬撃をとばす

ドンフットの顔に大きな傷ができる


ギュグワァァーーー

ドンフットが叫ぶ



「リエッタ大丈夫か?」


リエッタ「うん、大丈夫」

「助けてくれて、ありがとう…」 


バサッ


リエッタ「後ろ!!」


「ウォーターソーン」


グサグサグサッ

プシューーー


地面から、水の棘がドンフットを突き刺した

血が噴水のように噴き出した


リエッタ「すごい‼︎」


セルン「水の刃化、水はそういうイメージが少ないから1番手こずるとも言われているところを。あんなにもいとも簡単に」


ドンフットの右耳を切り取る

ゾミエルが不服そうにこちらを見ている


リドルフォ「まだ一頭目だ、気を抜くなよ」

「このまま縄張りの中心まで行く」


ゾミエル「次のドンフットは俺が狩る」

「レラート手を出すなよ」

「リエッタも」


ドンフットは弱いモンスターじゃない

普通ならこんな子供が敵う相手じゃない




ギュグワーー


ドンフットだ

さっきのよりも少し大きい


ゾミエル「いいか手を出すなよ」

「烈赤刀」


おお、無詠唱でもだいぶ安定したのを作り出せるようになってる


ゾミエルはスピードを上げる

ドンフットの攻撃をかわしながら

ドンフットに斬りかかる


ゾミエルの剣はドンフットの首元を抉った

でも首の中程で停止した

斬りきれてない


ゾミエル「くそっ」


剣が抜けないようだ

仕方なくゾミエルは剣を捨てる


ゾミエル(どうにかして剣を取り戻さないと)

(どうすれば?いや、どうしようもない丸腰で突っ込んで取り返すしか)


ゾミエルが剣を取り戻そうと丸腰でドンフットに突っ込む


「無茶だ」


ドンフットが大きく手を振り上げる


どうする俺とリエッタは手を出すなって言われている

リドルフォとセルンは前でもう一体のドンフットを狩ってる


どうすれば


リエッタが飛び出す


そうか行くしかないな

すかさず飛び出す


やばい判断が遅れた

間に合わないかも


ドンフットが腕を振り下ろす


俺とリエッタは魔術を撃つ

「水円斬」

リエッタ「グロウイン」


だめだ

間に合わない


くそっ


振り下ろされるドンフットの腕

空を舞う魔術


「避けろーー」



ザンッ


ドンフットの腕が飛ぶ

リドルフォだ


速すぎないか?

さっきまであそこにいた

でも今は


俺たちが使った魔術が今になってドンフットに当たる

俺らの攻撃がとどめとなったのかドンフットは倒れる


いやそれより

あの速さは異常だ

俺の経験でもそうそう見たことない

ましてやただの村の剣士なんかのスピードでは確実にない



リドルフォ「ゾミエル!!なんで一人でいった」

「ドンフットは一人で敵うような相手じゃないだろ」

「こいつらのどっちかとでも組んでたら今のようにはならなかったし最初に魔術で陽動できてお前の初撃で倒せた」

「協力もできない剣士なんか誰も必要としないぞ」


ゾミエル「ごめんなさい」


リドルフォ「この程度のクエストだから助かったんだ、戦場や高難易度クエストだったら死んでたぞ」


ゾミエルはとても反省している

静かにドンフットから剣を抜いた

下を向いて剣を見ている

剣からドンフットの血が滴る


リドルフォ「ましてやレラート!!お前なんで止めなかった、一人で行くのが無理なことぐらいはわかっていただろ」


たしかにそうだあのとき俺がとめてれば

あの時、こうなることは全然頭にあった

だけどとめれなかった

長い間生きすぎたかもな

人の死にほとんど何も感じなくなっている


レラート「ごめんなさい」


最初の方は人が死ぬのが怖かった

色んなことに気を配り人が死なないようにしてた

転移を繰り返し長い間生きてくうちに周りの人は沢山死んだ

今思えば助けられた命がいくつもあった

いつからこんなクソ野郎になったんだろう


リエッタ …ート、レラート、大丈夫?ボーとしちゃて」

「分かるよ怒られたらそうなるよね」


「俺ってとんだクソ野郎だ」


リエッタ「そんなことないよ!!魔術も剣術もすごいし、それにめっちゃ優しいしとても頼りになる!!」


ゾミエル「リエッタの言う通りだ」

「お前がクソ野郎なら俺はどれだけ落ちぶれなきゃ行けないんだ」

「クソ野郎は俺とリエッタで十分だ」


リエッタ「私はゾミエルほどクソ野郎じゃないですー、一緒にしないでくださーい」


ふふっ


「二人ともありがとう」


ゾミエル「さっきはごめん」

「俺もどうかしてた」

「剣術も俺より強くて魔術もできるお前に嫉妬して

「だが覚悟しとけ」

「俺はいつかお前を超える」


そう簡単に俺の人生は超えれないぞ


「やってみろ、いつでもかかってこい」 


俺に剣のライバルができた




リドルフォ「そろそろ縄張りの中心につくぞ」 

「縄張りの中心にはその群れで1番強く1番でかいのがいる、気をつけろ」


セルン「では群れのボスは3人が協力して倒してください」

「いざとなったら私とリドルフォさんが助けます」


群れのボスか

でも大丈夫だろう

この3人で協力すれば基本は倒せるだろう


ゾミエル「じゃあ俺が前で戦う、2人は後ろで魔術で援護してくれ」


リエッタ「いや、援護は私1人でやってみせます」

「レラートは剣術で斬り込んでください」


ゾミエル「たしかにそっちの方がいいかもな」

「リエッタもこの環境だと最強だしね」


「分かった、それでいこう」

「まずは奇襲からだ、一気に飛び出すぞ」

「せーの」


バサバザッ


草をかき分け縄張りの中心に

そこにはさっきの2倍くらいの大きさ

サイズで言えば6メートルくらいの大猿がいた


ゾミエル「思ったよりでかいな」


だが怯むことなく思いっきり突っ込む


「紫水刀」


ゾミエル「烈赤刀」


俺とゾミエルはどんどん加速する


リエッタ「グロウエスト」


周りの大木が動き

群れのボスに向かって降り注ぐ


グギュアースーー


群れのボスが大きな悲鳴を上げる


ゾミエル「烈赤斬」

さっきとは違う思いっきり振り抜ける


赤の魔気で強化された刃が群れのボスの胸に大きな傷をつける


ゾミエル「クソッ傷が浅い」


次は俺の番だ

「紫水澌斬」


水の刀身がゾミエルの傷にさらに追い打ちをかける

群れのボスの骨が剥き出しになる


「骨は断てないか」


グギュグワァーー


ガサガサッ


ボスのピンチをききつけてか周りからたくさんのドンフットとリボフットが現れる


セルン「聖の魔女、我が聖を力に天の輪を」

「聖の游輪アルフィットリング


高密度の魔力リングが自分たちと群れのボスの周りを囲む


ギュグワァー


ドンフットが近づこうとしたが

聖の游輪に触れた部分が蒸発した


セルン「こちらに気にせず戦って」


「なんだあの魔術やべー」


リエッタ「さすがセルンさん!!」


触れただけで肉体を蒸発させた

どんだけ高密度な魔力なんだ


グギュグヮー


群れのボスが攻撃する

体格に似合わず意外に動きが速い

でも避けれんことはないな


「ゾミエル、魔術を撃つ、1人で頼む」


「リエッタ、ゾミエル次で決める、時間を少しかせいでくれ」


ゾミエル、リエッタ「りょうかい!」



ゾミエルが群れのボスの足元を動き回り肉を裂いている

リエッタは周りにある大木を上手に使い

群れのボスのからだを封じたり、枝を突き刺したりしている


俺は魔力を貯める

魔力バーを食べて

本気の一発をぶちかましてやる

魔力を杖の先に溜める

魔力を洗練させろ

魔力の密度を上げろ


溜まった


「ゾミエル、リエッタ行くぞ」

「離れて!!」


ゾミエルとリエッタが咄嗟に離れる




「邪の炎を浄化する水の加護よ、その力を今解き放て」

「水神の裁き(シリンノトセウス)」


群れのボスの上に大きな雨雲ができる

そこから高密度で大量の水の塊が放たれる


ブァーーー


水の塊が群れのボスを襲う

群れのボスの形が変わっていく

水の重さに耐えられないのだ


ゴギゴキ


群れのボスのたくましい足が重さでひしゃげる

そのまま頭やからだも


ブッチャー


群れのボスが跡形もなく消え去る

残ったのは平べったい肉塊だけ 


大量の水と血はそのまま流れる


リエッタ「うわー!!冷たいっ!!」


リエッタの足元に水がくる

とてもはしゃいでいる


リエッタ「すごいよ、こんなに沢山の水!!」


ゾミエル「なんて魔術だ」


2人ともびっくりしている


「2人が時間稼いでくれたおかげで集中して魔力溜めれたよ」


水の波が森を飲み込む


セルン「さすがです、これほどまでに大量の水を」


リドルフォ「群れのボスが可哀想なくらいだ」


俺はたまらなく嬉しい

笑みがこぼれる



流れる水の中から右耳を拾い上げる

3人で勝ち取ったものだ


この世界の最初のクエストは最高の結果、仲間とともに終えることが出来た


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