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新たな仲間

リドルフォ「おい準備はできたか」


「はい、父さん」


今日は父さんとの勝負に勝った報酬として村の外にでれるのだ


外に出るのは楽しみだ

村の中だと魔物も出ないし

同じ年くらいの子供もいない

面白みが足りないのだ


リラ「気をつけて行きなさいよ、外には危険な魔物もたくさんいます。お父さんから離れてはいけませんよ」


「わかりました、母さん」


リドルフォ「よし、いくぞ」


「行ってきまーす」


俺は馬にまたがって走り出した

後ろを振り向くと母さんが手を振っている



村の外に出た

いつもとはまるで景色が違うように見える


リドルフォ「今日は隣町の冒険者ギルドに行くことにする。そこで適当にパーティを作ってクエストを受けようと思っている」


ギルドか、楽しそうだ‼︎

今まで何回もクエストは行ってきたが

世界が変わると新鮮さも違う


リドルフォ「お前は強いからやられることはないと思うが、一応俺から離れないようにな」


「はい、父さん」




ー隣町 アルフェットー

リドルフォ「パーティの作成を頼む」


男職員「パーティはこちら側が選んで組むもの即席型とと、そちらが探してもらって組む希望型のものがありますがどちらにいたしましょうか?」


リドルフォ「即席型で頼む、できればうちの子

と年齢が近い子と組んでほしい」 


女職員「あら、ぼく何歳かなー」


「3歳です‼︎」

かわいい声を作って答える

どの世界でも元気の良い子は好かれるからな


女職員「あら、お父さんのお手伝い?すごいですねー」


男職員「そちらの子の冒険者登録をさせていただきますね。お名前と生年月日をお願いします」


最悪だ、名前を答えなきゃいけないのか

まあ、そりゃそうだよな

こんなすぐに辱めを受けることになるとは


「生年月日は725年10月27日です」

「名前はレラ・ディジェネレートジョーカー・アスカロノヴァです…」


さっきまでの元気は一気に消え失せた

職員も相当戸惑っているようだ

こんな辱めがこれから何回も…

人生の先が思いやられる


男職員「では反復しますね。725年10月27日生まれ、レラ・ディジェネレートジョーカー・アスカロノヴァ様ですね」

職員の口からは笑いが溢れた


「はい…」


やめてくれーー

これ以上恥を晒さないでくれー



冒険者登録、無事完了



男職員「ではあちらの待合室でお待ちください」

この男職員、まだ笑ってやがる


何はともあれパーティは組めたんだ

過去のことは忘れよう 

と自分に言い聞かせた



ムキムキ冒険者「おいおい、ここはがきのお守り場じゃねーぞ。誰だこんなガキ連れ込んだのはー」


筋肉がかなり発達した冒険者だ

胸に大きな傷がある

無駄に肌を見せびらかしており

歴戦の傷と言わんばかりに見せつけているようだ


イラッ

なんだこいつは

こうやって吠えるやつは大して強くない

俺の長年の経験がそう語っている


ムキムキ冒険者「おいお前に言ってんだよガキ」


リドルフォ「うちの子に何か」

父がものすごい眼光で冒険者を睨んでいる


ムキムキ冒険者「お前が保護者か、ここはコイツのようなガキが来て良い場所じゃねーんだよ。ささっとコイツを連れて家でままごとでもしとけ」


ワッハッハハハ 

周りの奴らが笑っている


リドルフォ「言っとくが多分お前よりうちの子の方が強いぞ」


ムキムキ冒険者「ハッハハハ、こんなガキに俺が負ける。とんだジョークだ」


リドルフォ「クソ野郎が」

父がムキムキ冒険者に向かって殴りかかろうとしたその瞬間


「やめて、父さん」

「ここで殴ったらこんなやつの挑発に乗ったことになりますよ」


正直コイツが殴られるのを見るのも良かったが

父さんに変な罪を着せたくないし

こんな挑発に乗る愚かな人になってほしくなかった


リドルフォ「それもそうだな」

「ありがとな、レディネ」


ムキムキ冒険者「なんだと、✕すぞ」


スレンダーな女冒険者「はいはい、そこまで、喧嘩しない」


女冒険者が仲介に入ってくれた

スタイルの良いスレンダーな女性だ

服の隙間から垣間見える谷間がとてもエロい

あれで何人もの冒険者を虜にしてきたのだろう


スレンダーな女冒険者「ごめんね、うちのログリーが迷惑かけちゃって」


ログリー、あのムキムキ冒険者の名前だろう


リドルフォ「助けてくれてありがとうございます」


スレンダーな女冒険者「いいのいいの、迷惑かけたのはうちのやつだし」

「ぼくもこの年齢で冒険者なんてすごいねー」


「ありがとうございます!!」


とても良い人そうだ

結局ああいうギルドが1番いいんだよなー

俺の今までの経験がそう言っている




受付嬢「リドルフォ様、パーティが組めました。受付カウンターまでお願いします」


ギルドの呼び出しって下の名前なのか?

ヤバいなそれは致命的だ

極力、自分名義で登録しないようにしよう

そう決心した


まあそれはそうとして、パーティが決まったっぽい。

どんな人がいるかなー

ワクワクしながら受付へと向かった


受付嬢「こちらの方々とパーティが結成致しました。これでよろしいでしょうか?」


リドルフォ「はい!ありがとうございます」


ちらりと受付嬢が示した方を見る


そこには緑と白のローブをまとった大人の女の魔法使いが1人と

双子であろうか俺よりちょっと年上くらいの男の子と女の子の二人の子供がいた。

男の子の方はキリッとした顔立ちをしていて年齢にしては相当筋肉がついている

女の子の方は少し緊張したような顔でこっちを見ている。顔は◎!!



女魔法使い「はじめましてー、私はセルン・アシリエータと申します」

おっとりとした口調でそう言う


セルンがふたりの子供に名乗るように促す


男の子「剣士ゾエミル・アルストガインです」


なかなかかっこいい名乗り方だ

見習いたい

まあ名前があれだから無理だろうが


女の子「リエッタ・アレイスターです。魔法使い見習いです」

おどおどしながらそう名乗った


ふーむ、やっぱりそっち系ね



それはそうと、3人とも名字が違うのか

よくみたら顔も違うし

家族ではないのか?

となるとどういう関係なんだろう


いや、今はそんなことを考えている場合ではない

この流れだと俺も名乗らなければならない

どうやって切り抜けるか


俺はさまざまな世界での経験を巡らせた

それでもこれといった答えは見つからなかった

俺の経験はそんなもんだったのか…



リドルフォ「はじめまして、リドルフォ・アスカロノヴァと申します。よろしくお願いします」


ゾミエルがリドルフォをじーっと見ている

やっぱり剣士として憧れでもあるのだろうか


トントン、リドルフォに背中を叩かれた

自己紹介をしろといっているのだろう

諦めるしかないのか


「レラ・ディジェネレートジョーカー・アスカロノヴァです...」


・・・


気まずー

誰かなにか喋ってくれよー

俺の名前が余韻として残り続けるではないかー


セルン「でもホントよかったです、こんな強そうな人とパーティを組めて。小さな戦士さんも」


セルンさーん、神ッ

この空気を打ち破ったセルンさんは俺の目には神のように写った


リドルフォ「いえいえこちらこそ、良さそうな人でよかったです。うちのレラートとも年が近そうですし」


セルン「リドルフォさんは剣士なんですか?もしそうならうちのゾミエルに剣を教えてくれませんか?もちろん報酬は渡します!」


ゾミエルはとても嬉しそうだ

よっぽど剣の師が欲しかったのだろう


リドルフォ「もちろん、いいですよ。セルンさんは魔術師ですよね。なら報酬はうちの子に魔術を教える、でどうですか?」


セルン「もちろん、喜んでさせていただきます」


俺の魔術の師か

色んなことが学べそうだ


リドルフォ「ここで話すのもなんだし、とりあえずクエスト選びましょうか」




色々なクエストがある

「猫探してください ☆×2」

「ドラゴン討伐 ☆×6」

「ゴブリン狩り ☆×4」「迷宮調査 ☆×7」

まあこの辺は定番だな


変わったやつもあるな

「おじいちゃん探しています ☆×25」

「雪岩アルドイットの採掘 ☆×31」

おじいちゃんの捜索?岩の採掘?

なんでこんなんの難易度がこんなに高いんだ?



セルン「これなんてどうでしょうか?」


「外来魔獣リボフットの討伐 ☆×5」


リドルフォ「良さそうですね、それにしましょう」


討伐数に応じて報酬が上がっていく任務か

力の見せどころだな


ゾミエル「もっと難易度が高いやつの方がいい、こんなんじゃ剣の練習になんねーよ」


なんとわがままなお坊ちゃんだ

俺だってもっと高い難易度がいいのに我慢してんのに


リドルフォ「そんなことないぞ、リボフットはかなり硬い、斬るのにもかなりの力が必要になる」

「まあそれでも気に食わないなら、その場で別の魔獣を狩ることだって出来る」

「とりあえずはこのくらいのクエストでいいんだよ」


ゾミエル「わかった...」


さすが父さん非の打ち所がないような見事な論破だ

まあ剣の師に言われたんだ

ゾミエルも聞かざるおえないだろう


セルン「じゃあこのクエストに行きましょー!!」




ークエスト地 ワグースの森ー


キィーキィー

バサッバサッ 

ギュラースァ


色々な魔物の音がする

リエッタは多少怯えているようだ

ゾミエルは相変わらず堂々と歩いている

ちょっと安心させよう


「リエッタさんはどんな魔法使うんですか?」


リエッタ「私?、まあ回復魔術とか促成魔術とかをよく使います」

「レラートくんは?」


「レラートでいいよー」

「俺は水魔術が得意かなー」

「リエッタさんのみたいな回復魔術とかはあまり得意じゃないですw」


リエッタ「リエッタでいいよ」

「水魔術とか難しくて全然できないな」


よしよし、だんだん仲良くなってきてる

回復魔術は母さんに教わるからいいとして

促成魔術とやらを習ってみたいな


リエッタ「レラートは杖だけじゃなくて剣も持ってるんですね」


「剣士ですから」


リエッタ「すごいです!!魔術だけても大変なのに剣もできるなんて」


「どっちも中途半端ですけど」

剣は今までの知識で何とかできるし魔術も知識が使えないことは無い

俺にとってはさほど難しくないことだ




ゾミエル「おい、レラート俺と剣で勝負しろ」


どうやら俺がリエッタと話ている時にリドルフォが俺の話をしたのだろう


ゾミエル「お前はリドルフォさんに勝ったらしいな、でも俺は信じれん、だから勝負しろ」


リエッタ「勝負をお願いするのにその言い方はどうかと思うよ」


ゾミエル「黙っとけ、剣士同士の話だ」


リエッタは不服そうな表情をしている

ゾミエルの態度が気に入らないのだろう

俺のために怒ってるぽくてちょっと嬉しい


リドルフォ「リエッタの言う通りだ、剣士には剣士の作法がある」


ゾミエルはリドルフォに怒られて

とてもしょんぼりしている


ゾミエル「レラート、剣の勝負をお願いいたす」


「わかりました。その勝負引き受け致します」


リエッタ「気をつけて、ゾミエルの剣の腕かなりのものよ」


俺を心配してくれているのか

かわいい、好き


「僕も剣を習う身、そう簡単には負けません」


セルン「じゃあ場所を変えましょう」





ー森の中の開けた場所ー


セルン「勝負中、周りのモンスターなどは私が倒します」

「リドルフォさん審判お願いします」


リドルフォ「了解です」



さすがに子供相手に他の世界の流派は使わなくていいでしょう

父から習った剣希流でいきましょう


2人が開けたところで向かい合う


ゾミエルは相当集中している

これはリエッタが言うように手強そうだ


リドルフォ「真剣は危険なので剣はカバーをつけたままで」




リドルフォ「よーい、ファイ!」


ゾミエルがレラートに向かって突っ込む


いきなりきたか!!

剣でうける


カキンッ

剣がぶつかり合う

そこからゾミエルが猛攻をはじめる


カキンッ カキン カキン


思ったより速いぞ

攻撃する暇が無さそうだ

でも切り返す方法くらいいくらでもある


剣で受け続けるレラート


ここだ!!


レラートの剣がゾミエルの剣を大きく弾いた

ゾミエルが大きくのけぞる


やはりこれは対応しきれないか


のけぞったゾミエルに横から斬り掛かる


ブォン


俺の剣は大きく空を切った


ゾミエルは体を思いっきりそらしたのだ


今のを避けるか

流石だ

少し本気出すか


「紫水刀」


レラートの剣に水がまとわれていく

水は鋭利な形に形成される



リドルフォ「あれは俺の技の応用!!」

「やはり俺の息子はただもんじゃないな」


リエッタ「すごい、一瞬であんなに魔力を」

それも詠唱せずに



ゾミエル「なんだと!」

一瞬にして雰囲気が変わった

今まで手を抜いてたとでも


ゾミエル「烈赤刀」

くそ、やはり詠唱ないとまとまりが遅い


ゾミエルの剣にまばらながらも

波状に赤の魔気がまとっていく


俺は待った

魔気がまとい終わるまで


ゾミエル「ウォォーー」


ゾミエルが俺に向かって斬りかかる


切先が安定していない

ブレブレだ

もっと剣は強く持たねば


カキン


俺は上から下へとゾミエルの剣を斬り上げた

赤の魔気を破壊し、剣は宙を舞った


カランカラン




リドルフォ「勝負あり、勝者レラート」

 

ゾミエル「完敗だ」

「その年でその強さ、バケモンだよ」

「良い勝負だった、ありがとう」


「こちらこそ、ありがとう」


ゾミエルと強く握手を交わした

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