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百丸学園にようこそ  作者: 濃州関丸
3/20

3,お昼休みと彼女たちの其々の思い

 小学校、中学校までは給食でお昼ご飯を食べていたのだが高校ではそれが無いので皆、弁当持参もしくは学食をとるのが一般的だ。

因みに僕は人混みが苦手なので教室でお弁当を広げて食べることにしている。


 更に、僕の都合に合わせて周りの3人が机を並べてくれた。

言うまでもないが迫間は体系が大柄なので二人分の量の弁当を持ってきている。

僕は胃が弱いので余り消化の悪いものは食べれず煮物や野菜が多い


「おい、白金。お前小食だな。もっと食べないと体力付かないぞ」

こういう時、迫間の頑丈さが羨ましい。

「じゃあ、白金君、私のおかずあげるね」

赤尾さんからあーんと貰うと銀竜さんからもおかずが向けられ、頬っぺたがぐいぐい押された。


挿絵(By みてみん)


「じゃあ、小梅からもあげるね。はい、あーん」

人から好かれるのは嬉しいがここまで押されると疲れるな……


 この3人から好かれるのは理由があるらしい。

迫間の親父さんの会社が倒産する寸前、僕の父さんが助けてくれて会社が復帰したという出来事があり、迫間は僕に対して彼はいつも親切にしてくれる。


だから同級生に絡まれたときはすぐに助けに来てくれた。

銀竜さんと赤尾さんに付いては好かれる理由は僕には良く分からない。

それで尋ねてみたけどそれは秘密だと断られた。

女の子って良く分からないなぁ


何だかんだでお昼休みは終わってしまった。


 前話では語られなかったが小梅と稲子には剣人に対して特別な思いがある。

幼少期に起きた出来事なので剣人自身は余り気にしていないが彼女たちは今でも某キッカケで剣人に好意を抱いている。

まず小梅の場合、彼女が小1の時にクラスメイトの男の子から苛められていたのだ。

「やーい、お前の髪の毛、ぜんぶ白髪じゃん、ババァーみたいだな!」

「そうだそうだ、ロリババア!」

えーん、えーん、と小梅が泣くと剣人は横から割り込んできて

「やめろー! 女の子を苛めるな!」

当時の剣人は正義感が強く勇気がある子だった。

「僕は銀竜さんの髪の毛、すごくキレイだと思うよ」

「う、うん。有難う。白金君」

これをキッカケに小梅は剣人を好きになった。


 剣人の両親は人に迷惑を掛けないように躾され、女の子には優しくするように育てられていた。

でも、兄との学業等の優劣の差で自信がなくなり、引っ込み思案になっていた。

その反面、兄は何でもできる優等生になって逆らえない立場に追いやられていた。

それが現在に至っている。


 そして稲子の場合は以下の出来事がキッカケである。

彼女が小4の頃、一人で下校中に見知らぬ中年男性が声を掛けてきた。

「よう、お嬢ちゃん、オジサンが家まで連れてってあげようか?」

彼女は恐怖に青ざめて走りだした。

「ねえねぇ、逃げないでよ、オジサン、君みたいな可愛い子と遊びたいんだよ」

「きゃーあぁぁああ! 誰か助けてー!」


 稲子が捕まった所は誰も居ない公園だったが偶々後から下校してきた剣人が悲鳴に気付いて駆けつけて来た。

「オッサン、やめろー! その子を離せー!」

剣人は咄嗟にその男性の腕に嚙みついた。

「なんだと、このクソガキ! 痛ってーな!」


 剣人は噛みついた腕を振り落とされて地面に叩きつけられた。

打ち所が悪かった為か、血を流して気絶してしまった。

丁度、その頃通報を聞いてお巡りさんが駆けつけて来た。

「コラー!貴様! なにやっとるん!?」

暫くして更に警察官が複数駆けつけて犯人を押さえた。


 そして、剣人は病院のベット上で目が覚めた。

その時、稲子は剣人に泣きながら抱き着いた。

「えーん、助けてくれて有難うねー!」

「き、君は確か……?」

「私? 私は貴方と同じ学校に通っている赤尾 稲子よ」

「赤尾さんか……よろしく」

剣人は小さな声で言った。

「あなたの名前はえっと、白金君 だっけ?」

「うん、白金 剣人、君に怪我が無くて良かった……」

また、剣人は眠りについた。


 これらの出来事があり、小梅も稲子も剣人は傍から見れば気が弱そうに見えても、いざっと言う時は助けてくれる優しい男の子だという事は分かっているのでこうして好意を今でも抱いてくれているのだ。







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― 新着の感想 ―
[一言]  迫間くん、妬まないのは心広いですね(笑)  目の前で女の子に挟まれてるの見たら、思春期男子は心穏やかではいられないのでは(汗)
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