2,本校は設備やモニュメントがユニークな学校である
一般的に私立学校は校庭内に創設者の胸像が設置されていることのをよく見かけるがこの学校は恐竜の化石が復元されたモニュメントが玄関の吹き抜けに設置されている。
ティラノサウルスの骨が再現されており、迫力はある。
昔、この土地に恐竜が栄えていたという噂もあるが真相は不明だ。
しかし、正面玄関前にこんな大きなものあると来客はビックリするだろうに。
でも僕たち生徒らはここを通らずに生徒用の入り口があるので登校時はこちらから教室に入ることになる。
因みに学生食堂は玄関前のレストランを利用するとか教室で弁当を広げてお昼ご飯を食べることになっている。
購買のパンは玄関前の売店にあるがすぐに売り切れるので当てには出来ない。
まだ、設立して間もないので生徒数にあった量が確保できていないからだ。
なんといってもこの学園の土地は100haもあるので広大な土地を所有している。
広い土地なので開放感があるので僕にとっては楽園である。(お金は掛ったけど)
余談だが北門から本館入り口までは歩くと距離はあるが足の不自由な生徒や来客用には小型EVバスが一台用意されている。
足に不自由ない生徒は当然、歩かなくてはいけないのは仕方ない。
そして在籍している教員についてだが僕ら4人の担任は広見先生という若い女の先生でクールな印象の人だが話してみるとそんなにキツイ人では無い。
眼鏡は赤いスクエアー型のセルフレームを掛けているのが特徴である。
どちらかと言えばぶっきらぼうなので外ずらは余り良くないのでそれが仇になって生徒を寄せ付けないのではないだろうか。
それに反して教頭の千疋先生はいつもニコニコしていてほとんどの生徒から慕われている。
しかも丸い眼鏡をかけており、広見先生とは対照的な印象である。
因みに頭は剥げている。何処にでもいる普通のオッサンだ。
本校の校長は黒川校長という方で古めかしい感じの幕末の人みたいな印象で何故か本校の校長室は茅葺屋根の屋敷にあるのがこの学校の謎である。
普通は本館の中にあるのが常識だと思うのだが僕にとっては充実した生活が送ればそれで良いと思っている。
更にこの学園には学生でもお金を払わないと入れない施設がある。
それは100円展望台といって入り口付近に100円を投入して扉が開く仕組みになっており
そのお金でこの展望台は常に維持管理がされている状態だ。
学生たちの間でも映えスポットとして認知されている。
そして授業が始まるのである。
この学園の授業は見た目はごく普通だ。
黒板に広見先生がメガネを掛けて凛々しくチョークを書いて説明している。
見た目は普通のOLみたいで説明がとても分かりやすい。
やっぱり、私立はお金を掛けているから良い人材を揃えているんだろうな。
因みに僕の席は中央付近で前から見て左に赤尾さん、右に銀竜さん、後方に迫間が座っている。
もし彼が前方に座っていたら黒板が見えないので丁度いい感じだ。
銀竜さんは教科書忘れたので僕に寄って来た。
「ねえ、白金っち、教科書見せて~」
「う、うん、どうぞ……」
「ありがとうっ!」
銀竜さんが僕の肘に小さな胸を寄せてきてドキッときた。
「ちょっと銀竜さん体、寄せすぎ!」
「いやん、白金っちのエッチ!」
丁度、隣にいた赤尾さんが顔をぶくっと膨らませた。
そして迫間は可笑しくて腹を抱えて笑い出した
騒がしくなったので広見先生が怒りだした。
「こら、そこ、うるさい!」
「は、はい!」
僕は思わす席を立った。
そして休み時間、赤尾さんが銀竜さんに説教をしに来た。
「もう、小梅ちゃん、白金君にくっ付き過ぎ! 彼も男の子なんだからスキンシップは控えないと後で困るよ」
「えーいいじゃん、減るもんじゃないし」
「いいや、僕の理性が減るよ」
「羨ましいな、この色男が!」
迫間は笑いながら僕の背中を叩いた。
風紀が乱れるという事で広見先生は僕の席と赤尾さんの席を変えることで問題を解決することにした。
でも、赤尾さんは出会って間もないのに何故、妬いているのか良く分からなかった。
結構、騒がしいけど、これはこれで青春を謳歌して楽しい時間が過ごせた。