13,女の子もサポート役に加わることになる
校長と広見先生らが話し合った結果、赤尾と銀竜はドローンを使って白金や迫間をサポートする事になった。 流石に女の子に現場の最前線に立たせるのは酷なのであくまで裏方に回る事にした。
ただし、女の子には刃物を使わせたくないということで武器はY字型のパチンコとピストル型のクマよけスプレーが各一本、支給されることになる
「校長との交渉の結果、貴方達にはこれが適任だと思うわ。」
「有難うございます。広見先生!」
女の子たち二人は同時にお礼を言った。
いずれにせよ、勢子とドローンはお互いペアを組んで仕事をするので白金とのペアはどちらの女の子が選ぶかが問題になった。
「ねえ、白金君、私をサポート役に選ぶよね?」
赤尾が白金にグイグイ迫る。
「稲子ちゃん、ズルい。抜け駆け禁止ー!」
「ちょっと二人とも落ち着いて…」
白金は二人に挟まれて困惑している。
「おいおい、お前ら喧嘩すんなよ、どっちでもいいじゃねーか!」
迫間は呆れた。彼はどっちでも構わないので早く決めて欲しいのである。
「仕方が無いわ、くじで決めましょう。」
広見先生が助け船を出してくれた。
「ここに四本のくじがあるわ。其々緑と青のくじを2本ずつ用意したから同じ色のくじを引いた方が同じペアにするわ。それで良いわね?」
「はい、それで構いません。」
赤尾がハッキリ答える。
「これで恨みっこなしだよ。」
銀竜も決心した。
「それではまず、白金君、先に引いて」
広見先生が白金にくじを持った手を差し出した。
「は、はい!」
彼が引いたのは青だった。
「次に、赤尾さんと銀竜さん、どっちが先に引くかしら?」
因みに迫間が先に引いてしまうともし青だった時に男がペアになってしまうので意味がない。
よって、2番目はどうしても女子2人のどちらかが引き、青を引いた子が白金とのペアになる。
「うーん、後にしようか、先にしような迷うわね…」
「じゃあ、私が先に引くね!」
「あっコラ!勝手に…!」
「じゃーん、あっ!緑引いちゃったー! ガーン!」
「ほら、抜け駆けするから罰が当たったのよ。」
これは同等の確率かと勘違いしやすいのだが、くじの残りは緑が2本、青が1本なので青を引く確率は3分の1なので緑を引く確率は3分の2である。
よって先にくじを引いた銀竜が不利であることになる。
必然的に赤尾が白金のペアになって彼女はホッとした。
「宜しくね、白金君。」
「ええ、宜しく。」
傍から見ると赤尾と白金が乳繰り合っているように思えて銀竜はぶすーと不貞腐れた表情をした。
「銀竜、勝手にお前が先にくじ引いたんだから仕方ないだろう。機嫌直せ。」
迫間は彼女に何もしてやれないので困った。
「分かってるわよ、オッサン。」
「はあ、おれは未だ高校生だ、このチビ!」
「ふーんだ。」
銀竜は不本意だが心の中では自分に非が有ることを痛感したので割り切ることにした。