12,男子生徒を起用
長い職員会議の結果、校長がシカリ(頭目)で女性職員な中で狙撃手「マタギではブンバ」が選ばれた。やはり、広見先生である。
教員だけでなく生徒からも信頼されているのでライフル持った女教師ってカッコいいイメージがあるからだ。 スナイパー広見と命名された。
頭が剥げたオッサンがやるよりも華やかで見応えがある。
しかし、広見先生は銃を持った経験が無いので近いうちに射撃の練習をすることになり、暫くの間、本来の仕事は副担任が担任の仕事を担うことになった。
しかし、問題はスコープだ。
広見先生は近視なので専用スコープを用意する事になり、納品に時間もかかる。
更に狙撃中はいつもの眼鏡を外して裸眼でレンズを覗くため、身動きが取れない。
その場合に備えて周りの教員が勢子と護衛になる必要がある。
しかし、どの教員も命がけになるそうで誰もやりたがらない。
校長が良いことを思いつき、広見先生に頼んで生徒の迫間を呼んだ。
「迫間君、またお願いがるんだけど…」
「またっすか、広見先生も人使いが荒いな~」
「申し訳ないとは思うけど生徒で適任なのは貴方しかいないのよ。」
「で、お願いというのは何ですか?」
「私が狙撃をしている間、熊が近づかないように護衛してくれればいいだけよ」
「えっ? 俺に熊と遭遇したら戦えという事ですか!?」
「そうよ、でも安心して刺股は良い物を支給するわ。あと、この仕事を依頼すれば高校3年間の授業料は全額免除にするわ。」
「マジっすか! 是非、俺にやらせてください!」
校長もここまで考えてくれるとは驚きだった。
これで初めて生徒に勢子の第一号が誕生した。
そしてもう一人の勢子だが、やはり剣人が適任となる。
「白金君は迫間君をサポートして頂戴。」
「はい!分かりました。」
同調圧力により、男の子だと断りずらいのである
しかし、迫間と仲が良いので連携は取れやすい。
剣人は刺股ではなく弓矢と狩猟刀が一本だ。
遠距離は弓を使い、接近戦は狩猟刀で対応するという事だ。
弓矢を装備しているのであれば装備は重たくなるので、広見先生のように二本も同時に扱うのは難しい。
本来は一本が基本である。 剣人は射も格闘も半々で対応しなけれなならない。
言うまでもなく迫間に支給された刺股は大柄な人でないと扱いが難しいらしい。
その代わりに破壊力は圧倒的に高い武器だ。
因みに黒川校長は長年経験しているので平気である。
その直後、赤尾や銀竜も参戦の要望を言い出した。
「広見先生、私たちもマタギに参加させてください!」
「そうです、他人に守られているばかりでは嫌なんです。」
「駄目よ、貴方達は女の子よ、やらせるわけにはいかないわ。」
「でも、先生も女じゃないですか!」
「貴方達は別の役割を考えるからもう少し待っていなさい。」
女子生徒たちの意見は校長にも報告され、どのような対応をされるかはまだ不明である。