1,学園の仲間たち
*お知らせ* キャラクター紹介の立ち絵は活動報告(「百丸学園にようこそ」のキャラ絵が完成しました及び教員キャラ3人の絵が完成しました。)に紹介しています。
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僕の名前は白金 剣人。
自分は高校生だが自分が通っている高校は公立ではない。学校法人百丸学園と言い、この町の唯一の私立高校である。
通称、大柳高等学校とも言う。
子供を持つ殆どの父兄らは学費の節約のために公立高校に行くように言われているがこの私立高校は学費が掛かる代わりに充実した教育環境が保証されている。
そのためか、ある程度裕福な家庭の子もいれば公立が落ちてやむを得ず私立を選ばざるを得ない子もいて人それぞれだ。因みに僕は地元の公立が落ちでこの学校を選んだ。
落ちたときはショックだったが今となってはこの学校には入れて良かったと思っている。
でも、兄からは愚痴を言われた。
兄は地元の公立進学校に通っていたが弟が私立高校だと、大学進学も学費の都合で私立大学には行けなくなるかもしれないというリスクがあるので不快なのだ。
「剣人、てめえ、公立行かねえから俺が大学行く選択が狭くなったじゃねえか!」
「仕方ないよ、落ちたものは仕方ないんだし」
「ふざけんな400人中1人落ちるなんておかしいやねえか」
僕はこれ以上言い返せず、黙って兄のいう事を聞くしかなかった。
そして渋々、学校に登校することにした。
やっと兄の嫌味から解放され、居心地の良い学校に向かうと女の子から声を掛けられた。
「白金君、おはよ、なんか朝から浮かない顔しているね?」
「ああ、兄から不快な思いをさせられたばかりだからね……」
「ふーん、白金君のお兄さんってそんなに厳しい人なんだ」
「そりゃ、まあ……」
彼女の名は赤尾 稲子。僕のクラスメイトで誰でも対等に話しかけてくれる女の子。ぼくにとっては癒される女の子だ。
おっとりした性格で特徴は髪が赤いという事くらいかな。
その直後、銀竜小梅さんが赤尾さんに挨拶してきた。
「稲子ちゃん。おはよう、朝から夫婦登校かな?」
「小梅ちゃん!もうやめてよ。白金君とはただのクラスメイトなんだし。」
小柄な彼女は赤尾さんと違い、言いたいことを遠慮なくズバズバ言う子で気も強い。それで僕にとっては抵抗がある。
髪は銀色で短いツインテールだ。
「ねえ、白金っち、稲子ちゃんと私、お嫁さんにするならどっちがいい?」
「はあ、ちょっと銀竜さん! 何言ってんよ!」
「あーははは、冗談冗談! じゃあ教室でまた会おうね!」
そのまま銀竜さんは走り去ってしまった。
教室に入ると、登校中に後からついて来た人が挨拶をしに声を掛けて来た。
「おう、白金! おはよっス」
彼の名は迫間 一平。大柄で厳つい感じはするけど根は良い人である。
「うん、おはよう、迫間君」
「別に敬称なんていらねえ、呼び捨てで構わねえよ」
「じゃあ、迫間」
「おう、それで良いぜ」
こうして僕は楽しい高校生活を送ることが出来るのである。