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人外失格  作者: 冬目投石
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日記

      日記



 今はもう何とも思わないが学生時代に一つ後悔していたことがある。それは愛に踊らされていたとか、若気の至りとかそういう言葉で片付けられることではない。


愛に踊らされていると言うのはある意味間違ってはいない。愛や恋というのは脳のバグだ。正常な思考を奪い心臓の鼓動を何倍にも増幅させる。


バグに体を支配された時、人は冷静さを失う。冷静さを失うと酒を飲みたくなる。


本音を打ち明けられる場所がここしかない。最もこのノートも誰にも見つからない場所に隠してある。


誰かに本音を打ち明けたことがない。自分の考えを他人に伝えるのが苦手だから書くことしかできなかった。


自分の気持ちを吐き出せる相手が生涯で一人もいなかったのだ。


友達や彼女ができた時もうわべを飾って嘘を言って自分の本性を隠し通してきた。何か自分の本性を晒したくないという理由があるわけではない。


無意識に嘘をつく。無意識に人を騙す。無意識に人を欺く。俺は嘘で固められた人間である。


いつも碌でもないことを想像し、それが現実になれば良いと思っていた。常に自分が良いポジションにおり嫌いな奴は底辺のポジションにおり、気に入っているやつは自分と同等の立場で右往左往する。


嫌いなやつは死ねば良いとさえ思っていた。自分さえ良い目立つ立場にいれさえすれば良いと思っていた。書いている途中に気がついた。これは本音ではない。願望だ。


そうあってほしいという願望に過ぎないということに今気がついた。


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