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人外失格  作者: 冬目投石
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雑史と不愉快な仲間達。

人は迷惑と思っているのに自分では迷惑とも思わぬようなことばかりして生きてきた。


プライドが高く自尊心の塊といっても過言ではない様な人格を持っていて、ある時は稽古事の先生に一つや二つ指摘されて素直に受け止められず失礼な態度をとった。


それに対して悪いとも思わなかった。先生は憤慨して態度について何時間もうるさく喋った。何を問われても下を向いて適当にうん、や、はいを垂れ流していた。先生はそんな自分に対して


もっと自分のやることに責任を持ってほしいと言うようになった。責任はあると思っているのに真逆のことを言われるから実に不愉快だった。


中学校では人のものを盗んだ。クラスメイトの筆箱が空いていればそっと手を伸ばして幾つか頂戴したり、教卓の上に置いてある落とし物や先生の私物などもお構いなしに手の内側に収めてポケットに入れた。


盗みがかっこいいと思っていた。


他にも嫌いなやつの席に座ってこっそりと、小さなハサミで給食袋の紐を切ったり、連絡帳に卑猥なことを書いてみたり陰湿な嫌がらせをしていたが周りには勘付かれることなく悪戯を楽しんでいた。


ある時は、アルコール消毒液の中身を真水に変えておいた。皆々様が手のひらにただの水を染み込ませているのをみてくすくす笑っていた。


ある時は、いじめっ子の教科書の全ページに脅迫文を書いて家のポストにペーパーナイフを入れておいた。ついでにいじめられっ子にも同じようなことをしておいた。


ある時は、家庭科の先生の飲み物に睡眠薬を入れた。バレない程度の少量だが四週間で薬物依存症になると聞いたから八週間続けた。八週間できっぱり入れるのをやめると家庭科の先生は訳もわからず薬が欲しくなって


とうとうイカれて学校をやめてしまった。その後、何処からか吹いてきた風の噂から死んだと聞いた。


かといって学校では扱いづらい生徒と烙印を押されていたわけでもなく普通に暮らしていた。成績も良かったから先生からの信用も厚く周りからは一切言及されることもなく三年間を終えて卒業した。


県内トップクラスの高校に楽々と入学した後も盗みを続けた。男からは普通に盗み、女には盗んだ物の代わりに花をやった。


このように他人とは全く違うで生き方をしてきた雑史ざっしは人としての普通というものを知らずに社会に出た。


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