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第7話




ゲーヘンは、私がまだマクベス王国で貴族だった頃の婚約者だ。

『真実の愛』だか『誠実な二人』だとかいう思い込みで出来た作りものの愛(フィクション)を信じた彼は、私を貶めてマクベス王国から追放した。

…………ゲーヘンはマクベス王国の王子だった。

だからこそ、公爵家の私に罪を着せて国から追い出すことができた。

まあ、真面だった国王と王妃が私の無実を公表したものの、私の実家である公爵家がマクベス王国を見限ったあとだった。

両親は魔導具師(わたし)の家族として、このアルキメイシスに移住している。


マクベス王国はゲーヘンたちが起こした事件によって、風前の灯状態だ。

一度目は私の婚約破棄と冤罪の責任をとって国王と王妃(ゲーヘンの両親)は王太子に譲位して、空いた公爵家に臣籍降下するという前代未聞の行動を起こした。

我が家が見捨てたことで返上した公爵家を継ぐ形になったのだ。

いつか私たちが帰ってきたときに返せるようにしたかった、という真実を知ったのは、国が滅び国土は千千(ちぢ)に分断されてからだった。



新国王が友好関係を新たに築くつもりでデリストア国に送った親善大使。

その一行に同行した兵士の中にゲーヘンたち、『引き裂かれた悲しい運命の恋人たちとその支援者たち』も含まれていた。

支援者は貴族たちの中に蔓延している。

相手が公爵家であったとしても、王子に味方していれば何をしても許されると思っていたのだろうか。


その結果、「我が子を公爵家に弓を引くよう躾けて平気な貴族や王族など支えていく気など消え失せた」と公言した父は、家族と一族を引き連れて国を出た。

その先が、母の姉が侯爵家に嫁いだデリストア国だった。


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