表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/13

第2話



慌てたのはギルドに来ていた技師(なかま)たちと職員たち。


「バッフェン! どういうことだ!」

「コーレに何を命じたというのです!」


ギルド長室に雪崩れ込んでくる人々にバッフェンは窓際へと追い詰められる。


「まっ、待ってくれ……。俺は『腕のいい魔導具師を貸してほしい』と言われて……賭けに勝ったら一番の腕利きを貸してやると。コーレが一番だと思ったから……」

「それはいつからいつまでです!」

「あ……えっと……い、今から」

「いつまで!」

「ここに滞在している……間」

「それをコーレが了承したのですか?」


バッフェンはこれ以上、何もいえなくなった。

当然だろう、私は断ったのだから。

救いを求めるように私に視線を向けてくる。

この場で私が了承するといえば許されると思っているのだろう。


「了承も何も。娼婦になることを拒否したらこのギルドから追い出し、この町にも住めなくしてやる。と脅された」


私の言葉に周囲の殺気が何ランクもアップした。

何度も「違う! 娼婦ではない!」と繰り返すバッフェンの言葉を誰が信じるだろうか。


「もちろん私は追放処分を選択しました」

「待ってくれ!」

「これまでお世話になりました」

「待て!」

「準備が済み次第、この町から出て行きます」


私の言葉にバッフェンが頽れて力なく俯いた。

私の意志が強い、というのではない。

バッフェンがギルド長という立場で私に2つの選択肢を提示し、私は選択肢のひとつを選んだにすぎないと思い知ったからだ。

バッフェンが自らの立場を軽視した結果である。


「女性の、技師を……そう、約束……した」

「私には関係ありません」

「金なら払う。だから」

「だから、私に娼婦になってこい?」

「ちがう……技術者だ。だから」


どうしても私に行かせたいらしい。

しかし、それを止める声が上がった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ