57 中身はいわゆる浮遊霊
これは私の運が珍しく良かったのか。それとも、小間物屋のおばちゃんの運が酷く悪かったのか、どっちだろう?
いま私の抱えている木箱の中には、指輪が口いっぱいに入っていますよ。材質は木製だけど。
なんでも、土産物の民芸品として仕入れたものの、ちっとも売れなかったんだとか。ほぼ開店と同時に私がお店を覗いたときに、おばちゃんが処分すべく店頭から撤去するところだったんだよ。
「処分するなら譲ってください」
といって、貰って来たんだ。
あぁ、いや、ちゃんと代金は払ってきたから、買ってきたが正しいか。もちろん本来の価格ではありませんよ。えっと、縦横二十センチくらいの木箱にいっぱいの量が銀貨二十枚。
私には値切りとかの値段交渉は無理だから、向こうの言値。
ん? ぼった値段だったらどうするのかって? それなら買わなきゃいいんだよ。
正直、この値段は捨て値以下だと思うよ。
小売価格が一個銅貨五枚って云ってたから……って、そもそも箱いっぱいの指輪って、いったい何個はいってるんだろ? 千……いや、もっとあるよね。
おばちゃんはどれだけ売れると思ってたのかな? それとも、売れる! と、おばちゃんを説き伏せ、こんなに卸した剛の者がいるということか。
仕事は凄い丁寧で、木目が綺麗なんだよね。ツヤツヤで。お値段分の価値は十分以上にあると思う。大きさも金属製の指輪とほとんど変わらないしね。
……あぁ、そんな薄さだから、強度に問題があるのか。堅い木を使ってるみたいだけど、木である以上、簡単にポッキリいきそうだ。
それに木製だとどうしても安っぽくは見えるし。そもそもおばちゃん、隣に硝子製の指輪を置いといたらダメだと思うの。色のついた硝子の指輪と比べると見劣りするもの。あの硝子の指輪、ちゃんと硬化処理してあるっていうし。
さて、この木製指輪を使って付術の技量を上げるだけ上げます。
……これだけの数があれば一気にカンスト、はないんだった。うん。レベル百には到達しそうですよ。
魔石は暇をみて錬成しまくってたから、大量にあるしね。
問題は、何を付術するかだ。産廃にしかならないだろうとはいえ、危険な代物とか、無意味なものを作りたくはない。なにより、できうることなら無駄にはしたくない。
そう、例え産廃であったとしても。
……少なくとも付術すれば、そう簡単に壊せなくなるし。
なので、呪われアイテム化しそうな付術は却下。あと【暗視】も却下だ。犯罪の助けにしかならん。……【治癒】とか付術して、リジェネ指輪とか。いや、技量が伴わないと、自然回復速度以下なんじゃなかろうか。
なかなか難しいな。
【灯光】。だめだ。呪文書が売れなくなる。ペンダントにでも付術したら、延々と光るペンダントの出来上がり。ペンダントヘッドを服の中にしまえば光は収まる。便利過ぎでしょ。
……懐中電灯的なものが造れそうね。
【軽量化】。効果による結果が【運搬力増強】と実質変わらないのはいいとして、現状だとたかが知れる効果しかない。
【水中呼吸】。便利と云えば便利? とはいえあまりに使用場所が限定的だしねぇ。それにしても、なんで指輪で水中呼吸が可能になるのか、私にはそっちの方が疑問なんだけど。兜とかならともかく。
【水上歩行】。これも【水中呼吸】と同じような感じね。
あぁ、なんでこんなに悩んでるのかというと、どうせならできた産廃を、呪文書のおまけにでもしようと思ってるのよ。なら、一応は使える物がいいでしょう?
やっぱり【魔力回復速度UP】か【魔力量増加】が無難かなぁ。呪文書に合わせるんだから、まったく無関係なものをおまけにするのもおかしいしね。
うん。【魔力量増加】にしよう。一番効果が実感できそうだし。効果は控えめで、だいたい十くらい上がればいいかな。多分現状でも、中サイズの魔石を使えばこのくらいいけるはず。
下手な冒険はせず、無難に行きましょう。無難とは逃げではありませんよ、堅実というのです。
中サイズの魔石はテニスボールくらいの大きさ。そこそこ大きい。どのくらい作ってあったかな。足りなかったら作らないと。
付術台の両端に、魔石を山盛りにしたボウルと指輪をいっぱいに入れたボウルを置いてと。
脇に持ってきたサイドテーブルの上には空の箱。
さー、付術をやっていきますかー。
ちなみに、いまの恰好は付術技術上昇装備。自作不能な効果を持つユニーク装備ですよ。なんというか、露出の少々激しい鎧だけど。
指輪二種を含めたシリーズ六種のうち、四種を装備した場合、特殊効果として付術技術上昇効果が発揮されるというものだ。
いま装備しているのは、鎧、手甲、足甲、そして指輪だ。兜は鹿角のついたあんまりなデザインだから、被りませんよ。いや、角を色んな所に引っ掛けそうなんだよ。
まぁ、一番の問題は、ぱつんぱつんな胸のところなんだけどさ。前開きの胸の部分を留めてあるこの飾り、弾け飛んだりしないよね?
かくして、付術開始。
左右から魔石と指輪を取って、ばぢん! 指輪を脇の箱へ。
というのを延々と繰り返すよ。完全な流れ作業だから、一分当たり十個くらい作れますよ。途中、魔石の補充で時間を取られるくらい。
一時間後。だいたい五百個くらい魔力量増加の指輪ができましたよ。途中から増加量を一定にする調整とか、魔石を中サイズから小サイズに変更とかしたけれど。
あ、付術、と、錬金もそうか。ゲームだと調整なんてできなかったけれど、リアルだとそれが可能となっている。効果を一定にできるんだよ。
もちろん“性能を落とす”という意味でだけど。
今回の指輪でいうと、普通にやったら増加量六十とかになるのを“あえて十に抑えて作る”ということだ。
今の私からみれば、たかだか魔力量十増加の指輪。でも一般的な人からみれば、魔力量十パーセント増加の指輪ってことだからね。初心者へのおまけとしては妥当でしょう。
で、肝心の技量ですが、予想外にも百に到達したよ。五百個程度じゃ届かないと思ってたんだけどな。この調整とかやってたからかな?
これで錬金技術をしっかりと上げれば、私がゲームで使っていた愛用装備がリアルで再現できそうだよ。
あ、そうだ。何か忘れてるような気がする、とずっと思っていたことをやっと思い出したよ。というか、またいつもの、すこーんと抜けてたやつだよ。
今回のは非常にまずいから、ララー姉様に相談しないと。
と、いかんいかん。一番肝心なものを作らないと。
取り出しましたるは銀の指輪。時間が無くて店買いしてきたやつだけどね。しかも安物。
とりあえず磨いて、表面に簡単に紋様を彫金してみたよ。いかにも『らしい』だけの魔法の指輪っぽく。
さて、これに極大サイズの魔石で召喚魔法魔力軽減と魔力量増加の付術を施しますよ。技量が百に到達したから、魔法を二種類付術できるんだよ! もちろん、現状で作れる付術技量上昇薬でドーピングもするよ。
極大サイズともなると、ハンドボールサイズになるんだよね。さすがにゲームじゃここまで大きくなかったんだけどなぁ。これだけの魔力を魔法のシステムとして指輪に埋め込むというか、詰め込むというか、まぁ、するわけだけど。
付術、という技術により、タダの銀の指輪が、召喚魔法魔力軽減と魔力量増加というシステムを埋め込まれた、いわば機械となるわけだ。
いや、機械っていう表現だと色々と誤解されそうだけど、私の頭じゃ他に妥当な言葉が思い浮かばないんだよ。
さて、そんなこんなで出来上がりましたよ、召喚魔法魔力三割軽減+七十五ポイント魔力量増加の指輪!
意外に高性能なのができたよ。ドーピング薬がまだまだ微妙だから、いいとこ軽減二割の増加三十くらいで、ここまでのものは出来ないと思ってたんだけど。
よし、これをあとでリスリお嬢様に、呪文書と一緒に渡しておきましょう。
それじゃ、ララー姉様に相談しないと。
「魔法の杖で問題が起きた?」
「正確には問題が起きます。私がポカをやらかしました」
そういって私は説明を始めた。
杖を作るのって、結局は付術と一緒なんだよ。だから、術師が付術する魔法を知らないと付術できないんだ。
で、私は攻撃魔法を頒布する気はないわけで。そうなると攻撃用の魔法の杖が造れないと。
付術専用の魔法なら問題ないのかもしれないけど、どうにも心配なんだよね。
「そうねぇ。それじゃ、そこは私が引き受けましょう」
「はい?」
あっさりと答えたララー姉様に、私は間の抜けた返事をした。
「私の立像の所に付術台を置いて貰えばいいわぁ。私が杖の作成を補助する形にしましょう」
胸元で手を合わせ、軽く首を傾け楽しそうに云う。そしてララー姉様はこう続けた。
「私は魔術の女神ではあるけれど、その辺りをはっきりと示すことをしていないからねぇ。これは丁度いいわぁ」
おぉ……意外と打算的ですね、ララー姉様。
「だから教会と組合にはそのことを伝えておいてねぇ」
「はい、わかりました。それじゃ、忘れないうちに行ってきます」
時刻は十一時くらいだから、急げばリスリお嬢様が来るまでには戻って来れるだろう。
教会と組合を回って、急いで戻って来た。うん、まだリスリお嬢様は来ていないね。
教会にはまだガブリエル様がいたよ。確か大主教って教会のお偉いさん。枢機卿に次ぐ三番目の地位だよね?
ここにいていいのかしら?
それとも、魔法販売の最初の教会になるから、少なくとも販売開始まで滞在するのかな? 杖付術台の話をしたら、すごい喜んでたけど。
組合の方は倉庫の一角を改築して、付術部屋を作ることにするようだ。すぐ側に山積みされた魔石の箱もあるしね。
さて、お昼の軽食はリスリお嬢様が来てからにするから、それまでの時間、型取りの続きをやろう。
それじゃ、鍛冶場に行きますよ。
◆ ◇ ◆
「あぁっ! キッカお姉様、いつもの恰好です!」
固まったすべてのゴム型をちょうど引っぺがし終えた時、鍛冶場に突撃してきたリスリお嬢様が、私を見るなりいきなりそう云った。
って、なんなんですか? いったい。
「リスリ様、いったいどうしたんですか?」
「ララー姉様が云ってました。キッカお姉様がものすごく扇情的な恰好をしていると」
……付術補助装備のアレか。でもあれは扇情的というのとは違うよね。
胸のところは弾けそうだったけど。背中はお尻のあたりまで丸見えだったけど。
鎧の体を成していないよね、アレ。手甲と足甲と兜はまともなのに、肝心の胴体を護る鎧部分がなんであんなデザインなのか。
私が遠い目をしていると、ニュっと、リスリお嬢様が、鼻がぶつからんばかりに私を覗き込んできた。
え、ちょ、なに?
「お姉様、着て戴けませんか?」
「え、嫌ですよ。必要があって着ただけであって、あれでウロつこうとか思いませんよ」
「なんでですかー」
「あんなの着て歩いてたら、ただの痴女ですよ!?」
あ、リスリお嬢様、驚いた顔で固まった。
「いったいどんな格好だったんですか? 俄然、興味が湧いてきたんですけど」
「あー、見てみます?」
母屋に戻り、リスリお嬢様と共に二階へと上がる。あの装備は付術台のところに置きっぱなしだ。
ん? そこで着替えたのかって? そうだよ。別に家の中だし、問題ないでしょ。
リスリお嬢様は、まず一番目立つ鹿角兜を両手で持ち、顔を顰めていた。
「……これを被っていたんですか?」
「それは被ってませんね。角を引っ掛けそうだったんで。着ていたのはこっちの三つと、あと指輪です」
私が指差して説明すると、今度は迷わずとても鎧には見えないそれを手に取った。
あ、リスリお嬢様、真っ赤になった。
「お、お姉様、これ、布地がありませんよ!?」
「いや、ちゃんとありますよ」
「背中の部分が全くないじゃないですか! って、これ、お尻見えてませんか!?」
「だ、大丈夫じゃないかと」
自分じゃ見れないよ、そんなとこ。
「お姉様、そんな顔を引き攣らせていたら、説得力がありませんよ!」
「いや、自分の背中はみれませんし」
「なるほど!」
いや、なるほどって。お嬢様、なんだかコントじみて来てませんか。
「ふたりともー、お茶が入ったわよぉ」
ララー姉様の声で、ひとまずこの話は終了。私とリスリお嬢様は連れ立って一階へ。
お茶はいつものハーブティ。そしてお茶菓子はどら焼き。ただ中に入っているのはあんこではなく、ベリーを煮詰めて作ったジャム。お砂糖は使ってないけれど、結構甘みのあるジャムに仕上がった。
夕べ作った作り置きだけれど。
結構な自信作ですよ。
大変、好評でした。
またレシピを訊かれたけど、これは簡単だからね。リリアナさんに口頭で伝えて完了。それにしても、本当にお菓子関連に卵使わないんだね。
なにかしらタブー的なことでもあったのかなぁ。
さて、それじゃそろそろ、呪文書を渡すとしましょうか。
「リスリ様にプレゼントがあります」
黙々とどら焼きを頬張っていたリスリお嬢様が、私をみて首を傾げた。
そして口に入っていたどら焼きをごくりと呑み込む。
「プレゼント、ですか?」
「はい。まぁ、そんな大層なものではないのですが」
おもむろに【走狗】の呪文書をテーブルに置き、その上に銀の指輪をひとつ載せた。
「どうぞお受け取りください」
「これは呪文書ですか? それにこの指輪は?」
「紫色の呪文書は初めてみますね」
リスリお嬢様が指輪を手に取り、矯めつ眇めつ眺めている。
ふふふ。リスリお嬢様の名前を彫ってありますよ。アルファベットを意匠化して、紋様に見えるように工夫したのですよ。
まぁ、あっちの文字だから、文字と認識できても、何を書いてあるのか分からないだろうけど。
「キッカ様。この魔法はどのようなものなのでしょう?」
「それは召喚魔法ですよ」
そういって私は【走狗】を発動させた。私のすぐわきに青紫色の光の球体が一瞬出現したかと思うと、直後には青白い、半透明の犬が立っていた。
バウンド、と付いてはいるが、これは歴とした召喚魔法だ。魔力で体を作っているから【バウンド】となっているけれど、中身はいわゆる浮遊霊というやつだ。
そこらに漂っている動物霊を捕まえて、魔力で創った器に放り込んで使役する。という感じ。
これはスケさんたちと違ってAI的な魂魄を使っていないので、呪文書化が可能だ。
「見ての通り、番犬を召喚する魔法ですよ。召喚できるのは一体まで。時間は一分です」
「一分!?」
「また随分と短いですね、キッカ様」
あぁ、まぁ、そう云われるとは思ったよ。でも一分って、結構長いのよ。
「使ってみれば分かりますけど、そこまで短いとは思いませんよ。それに、消えても召喚しなおせばいいだけですからね。
一応、現状では非売品扱いにしている魔法です。護身用に覚えておいてください。例え倒されても、魔力の続く限り召喚できますから」
私がそういうと、リスリお嬢様とリリアナさんが顔を見合わせた。
「それとですね、もしかしたら魔力量が足りないかもしれないので、こちらの指輪をどうぞ。召喚魔法の使用魔力を三割軽減兼魔力量を七十五ポイント増加する指輪です」
あれ? なんでそんなギョっとした顔をするかな。
「き、きききキッカお姉様。この指輪はとんでもない代物なのではありませんか?」
「いえ? そこそこな出来の物ですよ」
「これでそこそこなのですか?」
「最高だと四割減になりますし。魔力増加量はどのくらいになるか、ちょっと覚えていませんけど。今の私だとそれが精一杯なんですよねぇ」
「え、お姉様が造ったんですか!?」
「はい。指輪は買ってきたものをちょっと加工して、そこに付術してみました」
あ、あれ? 黙っちゃった。なんで?
魔法の杖の件で、魔法の物品を作ることができるのは分かってるよね?
「そ、その、キッカ様はマジックアイテムを作れるのですか?」
「作れますよ。ほら、魔法の杖だってマジックアイテムじゃないですか。それよりもリスリ様。魔法を覚えて使ってみてください」
私が促すと、リスリお嬢様はおずおずと呪文書を手に取り、ひとつ深呼吸をした。そして意を決したように頁を開く。
ばしん! というような音と共に、光がお嬢様の頭を貫いた。
これ、いつ見ても心臓に悪いなぁ。目から入った光が後頭部から抜けるから、頭に穴が開いたんじゃないかって錯覚するんだよ。
リスリお嬢様が手を伸ばし、魔法を発動する。が――
がすん!
「あー、やっぱり魔力量が足りませんか」
「キッカ様、先ほどの魔法の必要魔力はどのくらいなのでしょう?」
「えーと、確か百とちょっとだったかと。指輪を作っておいて正解でしたね。では指輪を嵌めて、もう一度やってみましょう」
魔法が発動せず、表情をこわばらせていたリスリお嬢様は頷くと、指輪を指に嵌めた。
なんで左手薬指に嵌めますかね。……いや、ここ異世界だっけね。左薬指の指輪が婚姻の証ってこともないのか。
とはいえ、薬指に嵌めた指輪を見て、にへーっとしている姿を見ていると色々と複雑な気分になってくるのですが。
それにしても、リスリお嬢様は真剣になると途端に喋らなくなるね。
それだけ集中してるってことなんだろうけど。
まぁ、これまでの魔法とは毛並みが大分違うからね。
そして再度魔法を発動。今度は見事に成功し、魔力の体を持った犬が召喚された。
敵がいない今、召喚犬はリスリお嬢様に寄り添うように控えている。
「キッカ様、これは召喚できるのは一体だけなのですか?」
「一体だけですね。二体目を召喚すると、一体目が消えます。あ、消えるときには召喚時と同様、大きな音がするので、驚かないでくださいね」
リリアナさんの問いに答えた。
「おぉ、ちゃんと触れるんですね。毛並みがごわごわしていますよ」
リスリお嬢様が犬を撫でている。そういえば触ったことなかったな。
ばしゅん!
あ、私の召喚した【走狗】が消えた。次いで、リスリお嬢様のも消えた。
私のは殆ど音がしないけど、リスリお嬢様のはかなりの騒音だ。リスリお嬢様の目がまん丸に見開いてるもの。
「いまので一分ですよ。思ったよりも長く思えたんじゃありませんか?」
「はい。それで、あの子が戦ってくれるんですか?」
「えぇ。でもあまり強くはないので、過信はしすぎないでくださいね」
そう忠告すると、リスリお嬢様は「もちろんです」と頷いていた。そして再び【走狗】を召喚し、撫で繰り回していた
これで多少は安心かな。
とはいえ、暫くは注意をしておかないとね。
なにしろ、ララー姉様が「よからぬ者」と、云っていたんだから。
かくして私は、これまで以上に周囲を警戒しながら生活をすることになったのです。
誤字報告ありがとうございます。