183 直接舐めた結果があれです
※前回の冒頭部分は次回になります。
混乱させまして、申し訳ないです。
服装チェック!
スキニー、よし。黒ワンピ、よし。ウェストポーチ、よし。肩掛け鞄、よし。バレッタ、よし。ペンダント、よし。ちっちゃい尖がり帽子、よし。目隠し、よし。
OK。服装はばっちりですよ。先日、やらかしましたからね。
いや、ダンジョンから戻って来た時だけれどさ、仮面を着け忘れていたんだよ。氷仮面を腰に下げたまんまだった……。
道理で北門の連中の様子がおかしいハズだよ。解体場のおじさんには姐さんとか呼ばれたし。
ポーチの中身はキャロライナ・リーパーのソースの他、必要なものを。鞄のほうには食材と毛生え薬五十本詰め込んだ木箱。
そうそう、この黒布の目隠しだけれども、これもララー姉様が手を加えてくださったものだよ。これまでは目を開けた状態で目隠しをしていたんだけれど、それだと目を傷めかねないからね。そうならないようにと、えーと透過でいいのかな? そういう能力を付与していただいたよ。
目を瞑っていても、この目隠しをすると普通に見える。欠点は、目を瞑るという行為ができないことかな。なにせ目を瞑っている状態で普通に見えるからね。
よし。忘れ物な~し。それでは侯爵邸へと行きましょう。
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
優雅にお茶を飲んでいるララー姉様に見送られて出発です。もちろん、ビーも一緒だ。小さいけれど、護衛役としてはとてつもなく優秀なんだよね。
電撃による麻痺攻撃は、もうほとんどテーザーガンといってもいい感じだよ。
さて、サンレアンは東西を二対一で分けるように川が流れいる。東地区が私の住んでいる方。で、西地区はいわゆる富裕層が住んでいる地区だ。
領主邸ももちろん西地区にある。
富裕層に住んでいるのは裕福な商人はもとより、貴族のお歴々もいたりする。まぁ、貴族の方は、三男坊とかの跡取りからはずれた連中だけど。それもそこのボンボンって感じのが多いかな。半ば道楽で【アリリオ】に潜ってるんだから。
すごい不躾な目で見られたこともあるしね。性的な視線はもっと控えめにするべきだ。
あぁ、そうだ。【アリリオ】と云えば、【アリリオ】と【ダミアン】に潜る時には、従者を連れて行かないとね。私の見てくれじゃ、絶対にソロだと入場させてもらえないだろうからね。
うーむ。やっぱり道行く人には見られるね。まぁ、目隠しして普通に歩いていたら目立つっちゃ目立つものね。そこは仕方ないか。
いや、仕方ないと云うか、いつも通りだよ。ははは。そういや、どこぞのゲームキャラとデザインコンセプトが似てるな。黒づくめで目隠しって。黒子も似たようなところにあるし。
テクテクと進み、橋を渡る。おー、洗濯にでてるおばちゃんたちがいるね。そういや、洗濯に関しちゃ私はかなり楽をしてるよね。
【清浄】で済んじゃうし。まぁ、ちゃんと水洗いしてないと気分的にアレだから、普通に洗濯もしているけれど。
なんだろうね、これ。魔法を信頼しきっていない、ってことなのかな。
そんなことをぼんやりと考えているうちに、イリアルテ家に到着しましたよ。
「おはようございます!」
「おはようございます、キッカ様。本日はどのようなご用件でしょう?」
門衛をしている兵士さんとも、すっかり顔なじみになったよ。そういや、いまだに名前を知らないな。まぁ、いっか。
「今日はフィルマンさんのところへ。新しい調味料ができたので、どう扱うのが良いか相談しようと思いまして」
「おぉ、それは楽しみです」
「辛味ですから新しい味にはなりませんけれど。とてつもなく辛い物が好みでしたら、うってつけのモノですよ」
「か、辛味ですか」
おろ? 門衛さんも辛味は苦手なのかな?
「まぁ、どんなものでも使いようですよ。そのために今日はフィルマンさんに相談しようと思ってきたのですよ」
「なるほど。それは楽しみにしておきます」
「それじゃ、厨房の方、搬入口の方へ廻りますね。構いませんか?」
「キッカ様なら問題ありませんよ。どうぞお通りください」
もう顔パスみたいなものだね。
門を抜けて、石畳に沿って進む。途中の分かれ道を右にへ向かうと、ラミロさんがバイコーンと一緒に歩いてきた。えーと、これから馬責っていうんだっけ? するのかな?
「おはようございます。ラミロさん。その子たちの調子はどうですか?」
「おはようございます、キッカ様。なんとも、優秀な馬ですな」
ほんのちょっぴりラミロさんと雑談。バイコーンは普通の馬よりもすべての面で上回っているとのこと。
まぁ、魔物だしねぇ。草食だけれど、本来はかなり気性の荒い性格だし。いまこうして大人しいのは、私が言音魔法で調伏したからだし。
そうそう、以前、王妃殿下に話した競馬の話だけれど、試しに一部の馬好きの貴族を集めて開催するそうだ。侯爵様はその催しに不参加の予定だったらしいけれど、私がバイコーンなんて献上したものだから、急遽参加することにしたらしい。
……殆ど反則なんじゃないかな?
そうそう、私のバイコーンだけれど、その子も侯爵様のところで厄介になっている。献上した際に、私のバイコーンは厩に預けるつもりだと云ったところ、侯爵様の計らいで二頭と一緒に預かってもらえることになったよ。
ラミロさんたちに面倒を見てもらえるなら安心だよ。今度、ラミロさんたちにもなにか差し入れしないとね。
あんまり邪魔しちゃ悪いので早々に別れて来たよ。その前に、バイコーンにはギューッと抱き着いてきたけれど。
確か、種として存続させるなら番で十二組が最低限のラインだっけ? もし侯爵様がそのあたりを狙うのなら、また捕まえにいこう。
うん、あとでちょっときいていみよう。
お屋敷に沿って進み、角を左に折れる。この奥側に厨房への入り口。いわゆる勝手口がある。まぁ、勝手口というにはしっかりとした出入り口だけれど。ここは食糧の搬入口でもあるから、まぁ、当然ではあるけれど。
すぐそばにある水場……井戸の所の東屋でセレストさんが鹿を捌いているね。ほぼ終盤かな。肉を切り分けているし。
セレストさん。どこだかの子爵だか男爵だかの娘さん。料理人志望でイリアルテ家に雇われた、まぁ、貴族の子女としては変わり者なのかな。いや、五女、六女となると嫁ぎ先もなくなるっていうのが事実でもあるんだろうけれど。
そうそう、セレステ王女殿下と名前が似ているから、うっかり間違えないようにしないとね。
で、その近くの菜園で、イルダさんがご機嫌でトマトを収穫してるよ。ちなみに、私が渡した品種は、鬼退治ができそうなやつだ。
……折角だからピザでも作るか。材料は足りているし。
ふたりに挨拶をして、厨房へとお邪魔する。
「おはようございます!」
「キッカちゃん!? こんな早い時間からどうしたんだい?」
朝食の後片付けも終え、包丁の手入れをしていたフィルマンさんが驚いたように私を見つめた。
「早いって、もうおばちゃんたちが洗濯を終わらせて干し始めるような時間ですよ。
新しい調味料を作ったので、いい使い道がないか相談しに来たんですよ。ちょっと想像以上にとんでもないものになってしまったので」
「なにを作ったんだ?」
フィルマンさんが興味津々で訊いてきた。凄い楽しそうな笑顔なんだけれど、今回のはその期待を裏切るどころか粉砕しそうな代物なんだよねぇ。
そんなことを思いながら、テーブルの上に一本の瓶詰をおく。真っ赤なソースの詰まった壜詰。
「……赤いな」
「赤いですよ。当然のことながら、トマトソースでもなければ、ケチャップでもないですよ」
「ケチャップ?」
あ。そういえばケチャップのレシピは出してなかったっけ。
「トマトと玉ねぎを煮詰めてつくるソースですよ。味付けは塩で整える感じで」
「そんなサラっとレシピを云わないでくれ。あぁ、見本を作ってくれるかな? 奥様に見てもらわなければ」
あははは……またやっちゃったよ。この調子でレシピ買ってもらってる感じだからねぇ。ある意味、私はすさまじく性質の悪い押し売りなんじゃなかろうか?
「トマトが出回り始めたら、誰かが作ると思うんですけれどねぇ。いまはイリアルテ家関連のところだけでしたっけ? 後は農研が試験栽培しているくらいですか。……アドバンテージはあと二年かそこら、ってところでしょうかね」
「だからと云って、対価もなしにレシピは貰えんよ。それにそれだけの期間あれば対価分は十分に回収できるだろ」
「トマトソースと見た目はほとんど変わりないですから、心苦しくはあるんですよねぇ。
ケチャップ派とトマトソース派で争いが起きそうですし。まぁ、ケチャップはトマトソースの格下扱いにされてた感がありますけど」
「そうなのかい?」
「私の知る限りでは、そんな感じでしたね」
なんなんだろうね? 確か、オムレツに掛けるソース云々の話だったかな? 海外の掲示板での論争で、ケチャップがこき下ろされていたからね。
「まぁ、ケチャップは後でつくりましょう。ちょっと料理も作りたいと思ってましたから」
私は瓶詰の蓋を開け、スプーンでその中身をほんの少し掬った。そして用意された小皿の上にそのスプーンを慎重に置く。
「……キッカちゃん。その扱いを見るに、不安を感じるんだが」
「あはは、これ、劇ぶ――」
「あ、キッカ様、新しい調味料の味見ですか? いただきます!」
「あ、ダメ――あああああ!」
「キッカちゃん!?」
ひょいとやって来たフィルマンさんの助手が、ぱくりとスプーンを口にいれた。それなりに掬われていたキャロライナ・リーパーソースと一緒に。
彼は「?」というような顔をした後、その表情を強張らせ、歪め、目を見開き、口元を抑えたかと思うとすぐに自分の首を絞めるように掴み、悲鳴をあげた。
「あっーーーーーー!!」
「イシドロ!?」
叫びもがくイシドロ君を脇目に、私はフライパンと一緒に並んでいたタルト型(実際はタルト型ではない。まだタルトに関してはレシピを流していないからね)を取り、そこに【聖水】で水を満たす。次いで【氷結】を掛けて氷を作る。
私は手早く氷を取り出すと、それを床で転がっているイシドロ君の口に突っ込んだ。大きさのせいで、ほっぺが膨らんでハムスターみたいになっているけれど、息が詰まる程じゃないだろう。
ややあって、やっとこさイシドロ君が落ち着いた。……涙で顔がボロボロだけど。
「キッカちゃん?」
「なんでしょう、フィルマンさん」
「あれは……なんだい?」
「辛味ソースです」
私は答えた。こっちの世界に出回っている香辛料は本当に殆どない。塩と、ハーブ類くらいだ。あとはマスタードが少々。あぁ、ホースラディッシュもあったけれど、あれは食用認定されてなかったね。木の根っこ扱いで、食用認定されてなかったみたいだ。まぁ、こっちの奴の見た目は、牛蒡の親分みたいな感じだったからね。皮を剥くと、普通に大根みたいだったけれど。
と、また話が脱線してる。
そんなわけで、以前、鷹の爪を渡したところ本当に喜ばれたんだよ。鷹の爪、さして栽培は難しくもないしね。お父さんが庭先に放り投げた奴が勝手に芽吹いてたりしたし。打ち上げ花火みたいに、放射状に鷹の爪が生ってたのにびっくりしたから、よく覚えているんだ。
なので、現在は一味唐辛子なんてものも生みだされて、イリアルテ家と、その関連の食堂では使われるようになっている。農研に先駆けて、であるので、なかなかにズルいとは思うけれど、それが商売というものだ。
多分、イシドロ君、唐辛子を液状にしたもの程度に思ったんだろうなぁ。確か、結構な辛党だった筈だし。というか、名前を今知ったんだけれどさ。
「辛味ソース?」
「はい。ただ使った唐辛子は、以前渡したモノとは別の種類ですけれどね。で、辛味がこの有様なので、上手い(美味い)使い方はないかと思って来た次第です」
フィルマンさんが額に手を当て天を仰いだ。
「そうは云われても味見をしないとな。味見……を……。味見かぁ……」
あはは。そりゃ、この有様を見れば躊躇するよね。
「ちょっとこれを使って、簡単に調理してみますね」
「あ、あぁ、わかった」
「それじゃ厨房をお借りします」
「お手伝いします!」
鹿の解体を終わらせたらしい、セレストさんがお手伝いを申し出てくれた。折角なので、もちこんだお野菜を渡して、下拵えをお願いする。
あ、作るメニューは中華丼。海産物はないけれど、問題ないでしょう。
で、私はお米の用意ですよ。
さて、お米を炊くのに重要なのは水加減。でも大抵の人は、この加減を正確には分からないのではなかろうか。
お米一合に水は何ミリリットルとかは覚えていたとしても、不明な米の量に適した水の量となると、さっぱりわからないでしょう?
私だって炊飯器で殆どお米を炊いていたから、これに関しては基本的にさっぱりですよ。
ですが、昔の人の知恵というものはありがたいものです。お兄ちゃんから聞いたお祖母ちゃんの知恵が私にはあるのですよ!
ただ、これは竈、丸底鍋での炊き方だけれどね。
水の測り方は簡単ですよ。砥いだお米を鍋に入れ、均したその上に掌をべたりと置きます。後は水を手の甲が沈むくらいまで注ぐだけ。これで水は適量ですよ。
さぁ“初めちょろちょろ、中ぱっぱ”で炊きましょう!
火加減は炭の量でどうにかしよう。ぐつぐつ云って吹きこぼれてきたら、火力を落としてじっくり炊き上げ。
あとはまってればいいかな。時間的には、あと十五……もうちょっとかな、それくらいで火を止めて蒸らせばお米は美味しく炊きあがるだろう。
それじゃ、次の準備。水溶き片栗粉を用意してと。いまから炒めるとタイミングが悪いから、ちょっと待機だ。
世間話なんかをしつつ、ご飯が出来上がり、火から外したところで餡を作っていきましょう。
強火で肉野菜炒めを炒めていきますよ。持ってきた出汁も加えて、水気がとぶまでしっかりと。もちろん、キャロライナ・リーパーソースもほんのちょっぴり投入です。
最後に水溶き片栗粉を投入して、火を通して餡はできあがり。あとはお皿に盛ったご飯に掛ければ中華丼の完成ですよ。
中華丼っていってもわからないだろうから、まんまな名称に変えよう。餡掛け野菜炒め丼だ!
「完成です!」
お皿に盛ったご飯の上に、餡を掛ける。見た目的にどう思われるか分からないけれど、これはこういう料理だ。
「なんだか、あの白いのが埋もれるのを見るのは残念な気がするのは、私だけでしょうか?」
「これはこういうものですよ、セレストさん。まぁ、白いご飯はそのまま食べたくもありますけれどね。私の故郷の主食となっていたものです。ですから、それだけで食べても、多分、いまひとつ味気なく思うと思いますよ。こっちでも、バレやパンだけだと物足りなく思うでしょう?」
「そうねぇ。確かにそれだけじゃ、ちょっぴり悲しくなるわねぇ」
不意に背後から聞こえた声に、私は振り向いた。
あれ? エメリナ様?
「エメリナ様、なぜ厨房に?」
「キッカちゃんが来て料理をしているなら、私が来るのは当然でしょう?」
レシピの件かな?
「でもこれは、まだ農研にもながしていない作物を使っていますし、トマトみたいに手軽に使える物でもないので、現状、お店に出すのは難しいと思いますよ」
「先行投資をしても問題ないでしょう?」
「まぁ、そうですけれど」
もはや苦笑いするしかないな。たしかに食堂は大盛況で、かなりの利益を上げているようだし。
「お姉様、わたしたちもいますよ」
リスリお嬢様とリリアナさん。それに加えてアレクサンドラ様も。……あれ? なんでアレクサンドラ様もいるの!?
訊いたところ、嫁入りの準備だそうな。さすがにイリアルテ家で同居しているわけではなく、近くにお屋敷があるらしい。サロモン様と一緒とのこと。リスリお嬢様曰く、時間を見つけてはダリオ様といちゃいちゃしているらしい。
「私たちも試食をいいかしら?」
「はい、構いませんとも、エメリナ様。ただ、ご注意を。かなり辛い代物となっているやもしれませんので」
「辛いの?」
「えぇ。新しい辛味ソースを作ったので、ちょっと使い道を模索しようとフィルマンさんに相談に来たのですよ。で、これはその試しにつくった料理です」
そう云って中華丼を示し。次いで厨房の隅でいまだぐったりしているイシドロ君を指差した。
「……どうしたの?」
「辛味ソースをそのまま、ほんのちょっぴり舐めてしまいまして」
「ちょっぴり?」
「ちょっぴり。先ほど叫び声が聞こえませんでしたか?」
そんなことをリスリお嬢様たち三人が顔を強張らせた。が、エメリナ様には満面の笑みが浮かんでいる。
「? エメリナ様?」
「冷めないうちに試食しましょう」
ということで、皆で試食。お米は目測だけれど、八合くらい炊いたから、みんなで食べても十分な量だ。お代わり分は……さすがにないかな。
「お姉様、美味しいです」
「ピリっとした辛味がいいですね」
「キッカ様、さすが、素晴らしいですね」
「ふむ、味わいが引き締まる感じがするな。しかし、あの量でこの辛さか……」
「フィルマン、そんなに少量だったの? キッカちゃん?」
出来に満足して、黙々と食べていたところ、エメリナ様に質問された。
入れたソースの量か。いいところ二、三滴ってところなんだよね。
そう答えたところ、エメリナ様がまたしても満面の笑みを浮かべた。
え? 何事なの?
「キッカちゃん、もし、普通にスプーン一杯とか入れたらどうなるの?」
「……あちらをご覧ください。スプーンにちょっぴりを直接舐めた結果があれです」
私は隅っこでぐったりとしているイシドロ君を指差した。
「いいわ、いいわ。まさに最高よ。キッカちゃん、お願いがあるんだけれど」
「何でしょう? なんだか嫌な予感しかしませんけれど」
「なにも問題ないわよ。悪い話ではないわよ。悪だくみではなく、要望に応えてあげるだけだから」
そういって私の手をしっかりと握ると、こう仰った。
「ある人物に、最っ高に辛い物を食べさせて欲しいのよ!」
「……最高に辛いものですか?」
「そう!」
……なにがあったんです? エメリナ様。
「最高に辛いものとなったら、ソースにしたものではなく、元の実を食べさせた方がいいと思いますけれど」
「残っているの!?」
「ありますよ。というか、これよりも辛い奴もありますけど」
「キッカちゃん最高よ!」
抱きしめられた。
つか、エメリナ様がこんな状態になるだなんて、その人物とやらはなにをやらかしたんだ?
というか、これ、危険な食べ物を作ることになるんじゃなかろうか?
そして私は、エメリナ様から事の仔細を聞くこととなったのです。
誤字報告ありがとうございます。