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100 下手な考え休むに似たり


 ロールケーキは二十本ほど作ることにしました。

 エメリナ様より、五十人分指示を受けましたからね。参加人数はそれ以上なんだそうだけれど、少なくていいのだそうだ。


 なんでだろ? と思ったら。


『後日販売することを宣伝してくるのよ。もちろん』


 楽しそうでなによりです、エメリナ様。

 二十本中、パーティ用は十二本。残りは予備というか、挨拶回り用?


 いや、宮廷料理人の方々が気を悪くしているんじゃないかと思って。そこへこれを持って行くのは嫌味というか、ある意味挑戦状的にも受け取られかねないけど、そこはなんとか口で乗り切ろう。


『これで問題ないでしょうか? 審査をしていただけませんか?』


 と、殊勝な顔をしていけばなんとかなるか……なぁ。なるといいなぁ。


 あとは、近衛の人たちの所にも持って行こうかと。十二、三名だと思うから、三本もあれば大丈夫でしょう。誰かが丸ごと一本食べたりしなければ。


 だいたい一本を八つから九つくらいに切り分けて出す予定だから、数的には十分に間に合うだろう。ひとりふたつくらい食べるだろうと想定していますよ。


 で、問題は作る私。王宮で大量生産をするのは厳しいから、今日の内に作って、インベントリに放り込んでおくことにしましたよ。

 いや、多分、ひとりで作ることになりそうだからね。


 王宮では仕上げのコーティングだけをしようと思っているのだ。


 そんなわけで、今日は朝からスポンジを焼きまくっていますよ。


 なんのかんので、料理人のおじさまと仲良くなりましたよ。かなりの甘党らしい。王都のお店の調理責任者でもあるそうだ。


 まぁ、侯爵様がこっちにいない間は、暇だろうしね。


 焼けたスポンジを型から剥がして(インベントリを利用。便利だ)、端っこを斜めに切り落として、クリームを塗る。後はこれを巻いて、固定して、冷蔵庫に。

 冷蔵庫は適当な箱を貰って、中に【魔氷】を敷き詰めて作ったよ。私が自宅で使っているのと同じだ。

 冷蔵庫というよりは、アイスボックスだね。


 オーブンに入る数が数だから、出す側から入換えで焼いていく感じで忙しなく作業中。思ったよりも時間が掛かりそうだ。


 かくして、朝から作り続け、お昼頃に目標数が完成しました。途中、リスリお嬢様とイネス様に襲撃されたけれど。

 その時はまだ一本も出来上がっていなかったから、ご退場頂きましたよ。お茶の時間に完成品をお茶菓子にお持ちしますと約束したから、素直に退いてくださいました。


 さて、一本だけ仕上げて、魔法で冷やして固めなくては。お茶の時間になっちゃってるからね。


 ◆ ◇ ◆


「こんにちは。神子様」


 目の前で優雅に座っている女性に、私は目を瞬き、半ば絶句していた。

 同じ席についているのは、リスリお嬢様とイネス様。イネス様はともかく、リスリお嬢様が緊張でガチガチです。

 このあたりは社交界デビュー前と後の違いですかね。いや、どちらかというと、王弟殿下の妃との差ということかな。王弟殿下がどういう立場にあるのかは分からないけど、外交やらなんやらで、いろいろとありそうだ。


「昨日は大変お世話になりました。教皇猊下」


 ひとまず挨拶をするものの、なんでここにいるの!?


 そして冷静に給仕を務めるリリアナさん。

 凄いな。本当に尊敬するよ。どこまで物怖じしないんですかあなた。


 少々細長いお皿に載せられたロールケーキを、リリアナさんが切り分けていく。

 コーティングされたキャラメルのパリパリとした音と共に切り分けられて行くのを、皆が興味深そうに見つめている。


 あとでお土産に一本渡そう。教皇猊下の護衛騎士さんだけ食べられないって云うのも、可哀想だし。確実に量はたりないけれど、こればっかりは数が無いから勘弁してもらおう。

 今日の護衛さんは、女性みたいだ。鎧の胸の部分が少し膨らんでるしね。


「これは、昨夜のものとはちょっと違うのね?」


 表面がツヤツヤのロールケーキを見ながらイネス様。


「えぇ。ちょっとひと手間加えました。基本的に夕べのモノと同じですけれど、パキパキとした食感が加わって、大分印象が変わると思いますよ」


 そう説明しているうちに、リリアナさんが配膳を終えた。


 そしてお茶会がはじまる。私は給仕側のつもりだったんだけど、一緒に座ってお茶を頂くことに。


 目の前で教皇猊下が美味しそうにロールケーキを食べている。


 私は思った。


 ……おかしい。絶対におかしい。

 なんでこんなに好意的なの?


 ゲームの方の祝福で、私は異性の好感度を微妙に上げる効果がでているのは確認している。実際、職人系のみなさんがああもあっさりと私のことを受け入れてくれてることから、それが実感できる。

 いまにして思うと、テスカセベルムで問題なく宝石を売れたのは、この祝福があったからじゃないかと思うんだよ。


 でなきゃアントナンさんがこんな得体の知れない娘と取引しますかってんだ。


 でもね。それは異性限定。同性に作用することはなにもないんだけどな。

 日本にいた時ならあり得ないようなことだから、非常に戸惑っていますよ。


 日本人特有の建前的な、非常に曖昧な表情しかしてないのに、なぜだ?


 というか、本当になんで教皇猊下がここにいるの? 先触れもなしの来訪だよね? ということはお忍びの非公式ってことだよね?


 え? なにごとなの?


「神子様。昨日捕らえた罪人についての報告です」


 え、まさかその為においでになられた!? 嘘でしょ、教皇猊下!?


「なにか分かりましたか?」

「きちんとした自白はまだですが、おおよそ、彼らがどんなことをしていたのかは、聞き込みにより判明しました」

「聞き込みなんてしたんですか!?」


 びっくりだよ。こっちじゃ現行犯逮捕ぐらいしかないと思ってたし。

 ほら、警察機構みたいなものがないしね。治安維持隊なんてものがあるだけで。基本、犯罪は親告制だから、泣き寝入りなんて普通なんだよね。


 警吏って役職はあるけれど、処罰するだけで捜査をするわけじゃなし。それも買収されたりして、犯罪見逃しが多かったらしいしね、地球だと。

 こっちだとどうなんだろう?


 昔の日本みたいに『火付盗賊改方』みたいな役職でもあれば違うんだろうけど。


 で、あ奴等について。


 やはり冤罪をでっちあげて、女性を食い物にしていたそうだ。被害にあった女性は殺害され、猛獣、もしくは魔物に襲われて死亡したように偽装されたらしい

 殺して、獣が確実に現れる場所にでも死体を放置したのかな? それとも熊の巣穴でも見つけたのか。


 彼らが獲物(被害者)を選ぶ基準は、余所者であることと、ひとりであること。その判別に露店を使ったそうな。被害の大半は、新人の傭兵。

 手っ取り早く稼ぐなら、傭兵が一番安定して食いっぱぐれないからね。護衛の仕事は日常的にあるし。場合によっては荷役兼護衛というのもあるけれど。


 そして意外にも、女性の傭兵というのはそれなりに居るのだ。まぁ、ディルガエアの国柄、みんな戦闘訓練だけは子供の頃からやっているというのもあるだろうけど。田舎で畑を耕して人生を終えるのは嫌と考える者は、やはり一定数いるようで。そしてそういった人は大抵、王都を目指すようだ。


 確かに、王都なら護衛の仕事は多いだろうし。それに護衛となればひとりだけ雇うなんてことはまずない。そういった意味では、危険度も低く、安定して稼ぐことができる。もっとも、寄生みたいなことをしていたら、あっというまに干されるけれど。


 と、話を戻そう。


 あの不味くて高い串肉の露店は有名で、地元民は誰も買わない。買うのはそれを知らない余所者。余所者でお眼鏡に適った女性かつひとりであったなら、ひったくり役が行動。被害者は治安維持隊の詰め所へと被害を届けるために向かい、そこで人生が終わる。


 こんな感じだったらしい。もっとも、これは街で得た証言から推測したものとのことだ。


 なんというか、回りくどいというか、すごい地味な罠だな。いや、それに引っ掛かった私がいうのもなんだけどさ。というか、仮面付きなのに狙われたのかよ! 胸か、やっぱ胸か!


 それにしても、屋台で余所者か否かを判断って。誰が考えたんだ? こんな妙な罠。


 そして今回、連中は最悪の獲物を引いたということか。どうなるのかなぁ。教会の私の認識がアレだからねぇ。

 まぁ、連中、教皇猊下が私を神子様と呼んでいるのを聞いているから、だんまりを続けるだろう。


「素直に話して欲しいんですよねぇ。ひとり面倒なのが混じっているので、下手に拷問とかもできませんし」


 拷問とか物騒な単語が。やっぱり自白は強要ですか。でも真偽の確認はできるから、手っ取り早いんだろうなぁ。


「誰も口を割りませんか?」

「人生が終わると分かってますからねぇ」

「ひとりが喋れば『あいつが喋ったぞ』といって、とっかかりができるんですけどね。減刑ちらつかせればいいんじゃないですか? 当局に云ってやるとか云って。そうすれば簡単に口を割ると思うんですけど」


 三人が私を見つめた。


「減刑の確約なんてできませんよ」

「えぇ。ですから『彼は減刑を求めています』と、警吏に云っておけばいいんですよ」


 私を見る三人の目が微かに細まった。


 あれ? なんだろう、凄い残念なものを見るような目で見られてる?


「お姉様、さすがにそれは……」

「え? でも、嘘はついていませんよ。それに、教会が減刑の口利きをするとはひとことも云っていないじゃないですか。ほら、嘘はなにひとつありませんよ」


 なぜ引かれる。


「連中に同情の余地なんてありません。同情されるべきは、慰み者にされて殺された上、獣の餌にされた被害者たちです。私が魔法使いじゃなければ、今頃仲間入りでしたね」


 あ、リスリお嬢様とイネス様の顔がなんだかおっかなくなったよ。


「ふ、ふふ。女の敵ですもの。それには同意です、お姉様」

「王都の面汚し、即ち王家の面汚しですもの。同情の余地など欠片もないわ」


 あれ? おかしな方に火が点いた。あれあれ? 私、なにか勘違いしたかな?


「うーん。審神教に協力を願っている手前、嘘はつきたくないんですよねぇ」

「それじゃ、これを使ってみます?」


 そう云って、私は紫色の薬壜をテーブルの真ん中に置いた。いつもの栄養剤サイズのガラス製の薬壜だ。


 いま思ったけれど、奇しくもノルニバーラ様のシンボルカラーだ。


「この薬は?」

「錬金術で作った自白剤です」


 私がいうと、三人が薬壜を凝視した。


「それを飲んだ者は判断力が低下します。結果、どんな質問にも抵抗なく答えてくれますよ。喋っていいのか、いけないのか、認識できなくなりますからね」

「き、キッカちゃん、これ、とんでもない薬なんじゃ?」

「あー、材料を考えると問題がありそうですね。試しに作ってみただけなんで、バラまく気はありませんよ。体には無害ですけど、多分、依存しやすい薬だと思うので。これを呑むと幸せな気分になるみたいですし。人は一度覚えた快楽を、そう簡単には忘れられませんからね。なので、常飲なんかすると、依存症になっちゃいますよ。きっと」


 あらためて思うけど、これ本当にヤバいな。体には害はないけど。でもこれの中毒になろうものなら、食事とかを平気でおろそかにしそうだ。そうなるとやせ衰えて――ってなりそうだ。まぁ、禁断症状はないだろうから、多分あれだ、アルコール依存症とおんなじ感じになるかな。


「これって、以前問題になった薬と一緒なんじゃ?」

「あー、麻薬というか、幻覚剤に近いでしょうね。材料もそっち系のものですし。とはいっても、それ一本飲んだ程度で、依存症になることはないですよ。効果時間も五分ですし」


 リスリお嬢様が薬壜を手に取って、翳して眺めたりしている。


「これも、お姉様が持ち込んだ薬草から作ったのですか?」

「いえ、そこら辺から引っこ抜いてきた草花などから作ったものですよ。私の持ち込んだ素材では、この手のものは作れませんよ」

「ということは、いずれ、誰かがレシピを見つける可能性があるのね?」

「ありますね。でも、普通に煎じても同じものはできませんよ。それにこれは魔法薬です。専門の施設がないと調剤できません」


 イネス様が口元に手を当て、リスリお嬢様が持つ薬壜を見つめた。


「ふむ、というと、レブロン男爵の云い分は崩せそうね」

「あぁ、万病薬のことですか? すくなくとも、私が製法を盗んだという話は否定できますよ。だって私の錬金技術は、神様由来ですからね。そして、それを渡されたのは私だけです。さらに云えば、六神から授かったものでもありません。

 その、イネス様? やっぱり明日の勲章伝達式で、男爵がなにかやらかしそうですか?」

「やたらと強気の命令じみた抗議文が王家に送られてきたからね。みんな激怒してたわよ」


 えぇ……。男爵でしょ。馬鹿なの? 身分制度に喧嘩売ってない? 上下はほぼ絶対。王家に対しては完全に絶対上位だよ。たしか、地球だと、国によっちゃ男爵も騎士と同様に一代限りの爵位だったりする、本当に下っ端貴族なんだよ。それこそ名誉称号みたいな? だいたい、領地持ちの男爵のほうが少ないんじゃなかったっけ?

 功績をあげれば下級の爵位は賜れたりするけど、土地は有限だからね。


 まぁ、功績の度合いによっちゃ、従者(スクワイア)でも領地を貰えたりする特例はあるみたいだけれど。そこれそ、平民がお姫様を助けたとかいうレベルになるけどね。

 騎士にするには武力が無い、男爵にするには役人としての仕事はできない、でも功績がすばらしい。ということから、従者の称号と領地(極小。領民無し)を授けるみたいな。


 イリアルテ家がそれに近いんだよね。それを考えると、イリアルテ家が妙に貴族らしくない部分があるのも納得できるんだけど。


「神様からの授かりものなんですか? それじゃ、あの付術技術を簡単に渡してしまったのも?」

「あれもそうですよ。というか、あっちは魔法普及の一環ですよ、リスリ様」

「付術技術ってなにかしら?」


 イネス様が訪ねて来た。なので、魔法の物品をつくる技術ですよと簡単に答えた。そうしたら顔を強張らせていたけれど。


 あれ? 云わなかったかな?


「具体的には、リスリ様が着けている指輪がそうですよ。って、先日いいましたね、これ」


 そう云うと、イネス様がリスリお嬢様をじっと見つめた。


「お、お姉様? 目が怖いです」

「その付術という魔法で、その指輪を作ったのね?」

「サンレアンがちょっと物騒でしたからね。護身用に贈ったのですよ。実際、役に立ったようですし」


 私の言葉に、イネス様が驚いたように目を瞬いた。


 あれ?


「リスリ様? イネス様はご存じないのですか?」

「えぇ、詳しくは話していませんから」


 まぁ、誘拐されたことを云うわけにはいかないよね。とはいえ、王家のみなさんは知っていそうだけれど。


「キッカちゃん、なにがあったの?」

「サンレアンが飛竜に襲撃されたのはご存知ですよね? 同時にイリアルテ家がゾンビの一団に襲撃されたのですよ」


 あの飛竜襲撃騒ぎの話を説明した。伯爵の事を話していいのか判断がつかなかったので、犯人は捕らえられて、現在王家預かりになっているとだけ云って置いた。


 イネス様はこれで、貴族絡みのトラブルだと理解したらしい。


「ふ、ふふ……。ゾンビを使うとは、なんと不遜にして不敬な……」


 きょ、教皇猊下? って、怖っ!


 その笑っていない笑顔と震えた声は止めてください、怖いです。


 不死の怪物って、魔物扱いではあるけれど、哀れな被害者でもあるわけだから、教会としてはそれを手駒として操るなどというのは、絶対に許す訳にはいかない大罪であるらしい。


 確かに、人間の尊厳なんて無視してるようなものだからね。


 元凶は月神教の関係者が〆たと説明したよ。教会関係者が解決したと聞いて、なんとか落ち着いたみたいだけれど、


 あとで王家に詳細を確認に行きましょう。とか云っていたから、王宮はちょっと騒動になるかもしれない。国王陛下、頑張ってください。


 その後は和やかにお話をして、お茶会は終了。教皇猊下と騎士さんは帰って行きました。もちろん、お土産にロールケーキを二本渡しておいたよ。


「疲れた」

「疲れました」

「疲れたわね」


 私たちはほぼ同時に、ひとつ息をついた。


「……本当、私の教会での扱いって、どうなっているんでしょう?」

「多分、最上位、それこそ教皇猊下よりも上だと思います。お姉様」


 リスリお嬢様の言葉に私はげんなりとした。


「面倒事は嫌なんですけど……」

「教皇猊下自ら行動してるってことは、きっとキッカちゃんの人となりを見極めようとしてるんじゃないかしらねぇ。昨日もお話したのよね?」


 イネス様の問いにはいと答える。単なる世間話だったけど。


「それじゃ、まだキッカちゃんのことを掴み切れていないのね」

「お姉様は何を考えているのか、わかりませんから」


 失敬な。


「リスリ様、それは違います」


 これは訂正せねば。


「なにが違うのですか? 価値あるものを平気で無償で渡したり、突然、危険極まりない魔の森にひとりで突入したりと、私としてはなんでそんなことを平気でできるのか分かりませんよ! 心配でなりません!」

「なにかを考えて行動していると思うのが間違いなのです。私はなにも考えてません。思いついたら即行動しているだけです。思いついたことに関しての精査など無意味と思っていますからね」

「ちょ、余計にダメじゃないですか! 自重してください! 死んじゃいますよ!」


 あれぇ?


 でも、いちいち立ち止まって考えてたら、余計に酷い目に遭ってただろうし。私にとって学校は苦痛でしかなかったからね。即断即決は必須だったのですよ。素早く逃げるなんて不可能だったから。


「私の国にはこういう言葉があるのですよ。『下手な考え休むに似たり』と」


 いや、リスリお嬢様、頭を抱えないでくださいよ。基本、私はこれでここまで生きて来たんですから。考え込むのは、余裕のある時だけですよ。


「なんというか……お父様を彷彿とさせるわね」


 イネス様が呆れたように私を見つめた。


 これは……処置無しとでも思われてるのかなぁ。


 とはいえ、私は生き方を変える気はありませんよ。というか、他の生き方なんぞいまさらできませんからね。




 そんなことを考えながら、私はただ曖昧な笑みを浮かべるのでした。





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