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幸せな世界を作るために~女神、爆誕!

気がつくと、私は、ぼややぁーーーんとした世界にいた。

「中野美理子だった魂よ、お前の命は、前の世界にて尽きた。」

どこからかそんな声が聞こえて来た。

え、それって!。

「若い身空で命が尽きたお前は、あまりに哀れ。そこで、お前を大優遇待遇で転生させてやろうと思う。どうじゃ?。」

「え!、良いんですか?!。」

私は、なにやら素晴らしい話に飛びつく。

「で?、その大優遇待遇って、どんなのですか?。」

私は、期待にわくわくしながら聞いた。

「うむ。お前を特別に女神にしてやろう!。それもただの女神ではない、創造神じゃ!。」

え、えええっ!?。

人間としての大優遇待遇を期待していた私は、少し戸惑う。

「世界の理も、地形も、生き物も、社会も、すべてお前の思いのままじゃ!。どうじゃ?、やってみぬか?。」


「えっとぉ、私みたいなのが、そんな大掛かりな事やっちゃって良いんですか?。」

「うむ。実は最近少々、異世界が不足気味でな・・・げふんげふん。」

「あーっ、なにやら怪しげ!、そこのところちょっと詳しくお願いします!。」


「まったく。まあ、良いじゃろう。

お前のいた世界、そこが最近殺伐としていてな、お前のように不幸なままで命が尽きる者が多いのじゃ。

そういう者には、異世界にて幸福な来世を1回送らせて、魂を休めてやる事になっておるのじゃが、数があまりに多い上に、せっかくの幸福な異世界にお前のいた世界のやり方を持ち込んで、めちゃくちゃにしたり、殺伐とした世界にしてしまいよる。


おかげで、1万人は転生させられるはずの世界が、10人転生させたくらいでもう幸福な世界ではなくなってしまうのじゃ。

まあ、そんなわけで、幸福な異世界が不足しておるので、お前のような心根の優しい者を選んで、出来るだけ長持ちする幸福な異世界を作ってもらう事にしたのじゃ。」


なるほど。そんな裏があったわけね。

「あのー、異世界を作った後はどうなるんですか?。私も自分が作った異世界で幸福に暮らせたりするんですか?。」

「もちろんじゃ!。

降臨して普通の娘に身をやつしてスローライフを送るも良し。

女神として崇め奉られるも良し。

外からのんびりと人間達の営みを眺めるも良し。

全知全能とまでは行かないが、創造した世界においては、お前こそが最高の存在。

姿は思いのまま、不老不死で、魔法だろうが物理力だろうが使い放題じゃ!。」

おおー、それは豪気だ。

「やらせていただきます!。」

私は、にっこりと笑って、快く創造神となる事にしたのだった。


「では、これを使うが良い。」

神様(?)は、そう言って私にタブレットみたいな物を放って来た。

「これは?。」

「世界創造補助ツールじゃ。それに必要なデータを入力すれば、思いのままに世界が創造出来る。手で入力しても良し、心で思って入力してもよし、じゃ。では、良い世界を頼むぞ!。」

「お任せ下さい!。」


こうして私は、新たな女神(それも創造神!)となったのだった!。



さて、とは言うものの、『幸福な世界』って、どんなものだろう?。


私がそう考えると、幸福についての色々な要素が頭に浮かんで来た。

え!?、これって、何?。

どうやら、限定版『全知』の能力らしかった。

私は、この能力を活用して、幸福な世界について考え始めた。


苦しみのない世界?

でも、多少の苦労は、人生のスパイスだよね。

なさ過ぎると、退屈だし、張り合いがなくなっちゃう!。


とはいえ、『来世ではスローライフを送りたい!』と思うくらい疲れてる人がいっぱいいるわけだから、基本はのんびりとした世界だよね。

普通に生きるだけなら何の苦労もなくて、オプションで冒険『も出来る』!、くらいの世界。


ふむ。

まずは、世界3大苦痛(?)の、飢え、悲しみ、怒りのない世界を目指しますか。


この3つの一番の根源は、戦争。

これだけは、絶対に起しちゃいけない!。

男の子なんかだと、戦いに喜びを覚える人もいるだろうけれど、『一将功成りて万骨枯る』という言葉があるように、一人の喜びのために、万単位の人が犠牲になるなんて、効率が悪すぎ!。

戦いが好きな人は、競技とか、せいぜい決闘でやってもらいましょう!。


次になくさないといけないのは、貧富の格差。

飢え、妬み、怒りの根源だよね。

これがあると、せっかく生産性の高い世界=あんまり働かなくてものんびり暮らせる世界、を作っても台無しになっちゃう!。


とはいえ、いっぱい努力したり、いっぱいみんなの役に立つ事をした人が豊かになるのは、あって良い事だと思う。

そうでないと、努力する張り合いがないし、良い道を生きようという動機がなくなっちゃうから。

でも、能力がない人が排除されたり、最低限度幸福に生きられない世界はいけないと思う。

普通に生きるだけなら、どんな人でもごく当たり前の事として受け入れられる世界。


目指すべきは、機会の平等。

同じ才能を持つ人が、同じ事で、同じだけ努力したら、同じだけ報酬を得られる世界。

色々な才能を持つ人達が、それぞれの分野で努力したら、分野の分け隔てなくそれぞれきちんと評価される世界。


日々の生活を心配する事無く、自分の得意分野の能力を極め、その能力で人の役に立ち、評価され、充実感を感じられる・・・MMORPGみたいな世界?。

元の世界の人達は、ゲームの中に理想の世界を作っていたのかも知れないね。

うん。


権力は、みんなの幸せを守るためだけに。

富の集積は、1代限りでおしまい。

すべての子供たちに、同じチャンスのある世界を!。


取り合えず基本は、十分な生産力と生産効率があって、衣食住の基本的な生産活動には、それほど多くの人手を要しない世界にしよう。

そして、色々な冒険も『やりたいなら、やれる』世界にしよう。


冒険は、異世界定番の魔物退治に探検?。体育会系だね!。

そういうものがいる世界がいいね。

でも、生活に重大な影響を与えるほどだと不幸になっちゃうから、場所や状況を選んで、程ほどに、と。


出世物語は、色々な能力を生かせるものが良いよね。こちらは文科系&理工系に?

お洋服を作ったり、マンガを描いたり、芸術を作ったり!。

色々な発明品を作ったり、は、程ほどにさせないと、危険だね!。



よし、大体の方針が出来たところで、いざ創造!


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