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追っ手になりそな奴ら

 まだまだまだ、メンドクセー状態が続きます。


 地に両手をつき肩で息をしながら万全じゃないわしを"謎の声"はおちょくっているのか。


『5秒後にCM開けます・・3・・・2・・・1・・・はい、こちらに戻ります。CMの間に暗部たちは、街人の格好です。そして魔導拘束衣だけを見つけて持っていた短刀を地面に突き立ててから早々に立ち去りました。立ち去る前に、周辺の地面に何かを振りまいていましたね』


 マドウコウソクイ?


『貫頭衣と言ってたモノです。形状がソレだったモノですからね。あの文様は術者が魔力を流すことで、着ている者を隷属させるのですよ。ですから今度は目的から、魔導拘束衣としました』


 ほぅ、さよか。


『さて召還側の勢力から調査ご一行が到着の様子です』


 長引きそうだから、腕の力を抜きぺたんと地面に腹をつけた。楽だー。


『ラクダ?』


 こやつ・・・・・・。


『おやつ?』


 ちゃうわぃ。


『ちゃうち・・・茶碗?』


 無理があるし、なんか言いかけてたのやめたな。


『見たところ10数人ですね』


 あ、打ち切りやがった。


『役人楓と聖職者、部下・・・見習いとか従者とか、こちらも公職かは判別できませんが武装した兵士ぽいのが数名、犬を連れているのが数名といったところでしょうか』


 だから?


『だからだかーら、だからだかーら、だからだかーら、・・・・・』


 伝説のメロディーをエンドレスにやり始めたぞ。オリジナルは確か'蕎麦屋'だったっけ。


 放置し続けると、声がかすれてゼーゼー言い始めたがさらに放置する。


 声が出なくなった。ゴホンどか咳払いを始めた。


『ふつーツッコミ入れてくるだろぉー』


 逆ギレだ。


『キレてなーい』


 チーズか?


『はい、地図ね』


 わしの視界にオーバーヘッドの重ね絵みたいな、地図を出しやがった。


 それは、マップでいいだろ。


『そりゃそうだけど。はい、ちゅーもーく。中央に青い点があるよね。それがあなた達』


 あなた達? また言いやがる。


『その説明は後ね』


 ん、不都合なことでもあんのか。


『いまはその時ではなーい。周囲が薄いグリーンなのは植物に囲まれているのを表しているってコト。直に感じていないとかまだ行ったことも観たこともないところはナニも表示されないからね』


 桶。'達'の理由はあとでキッチリ聞き出してやる。


『ハジメにいたところまで縮尺とエリアを変えていくよ。足跡ログも分かるようにしておいたよ』


 尾毛。


『足跡マークを遡っていくと下地の緑が途切れて、地面の色が変わったのが分かるよね。一気に行くよ』


 羅蛇。


『そーら黄色い点が蠕いてるの分かりますかー。ここらを軸にすこーし拡大しますね』


 おおー確かに黄色い点が何か意図のある動作で動いている。


『現在このマップで自分は青に、未確認及び未処理の存在は黄色で表されています。あと手動で別な色とかアイコンへ変更できます』


 へー、カーナビのマーク付けに似てるな。


『集団の左下で動きの少ないのが役人風と聖職者風の集まりです。各々○と△に付け替えました。一際偉そうにしているのを二重丸と二重三角に変更しました。続いて兵士風なのを◇としています』


 ふむふむ、残りは犬を連れたのと犬か。


 ○と△の集団に◇の一つが近づいた。


『兵士の一人が、魔導拘束衣と短剣を見つけて報告してますね』


 なるほど。


 先ほどの◇が先頭にぞろぞろと○と△が後ろについて移動していく。


『聖職関係なのでしょうが魔導拘束衣を確かめているので召喚魔術師もかねてますね。そしてヒトの反応があるか確かめています』


 げっ、それってまずいんじゃ。わし逃亡勇者だよな?


『勇者じゃないし、ヒトでもありません』


 なにい、わしはヒトでなしって言うのかよっ!


『心当たりアルでしょ』


 うーん、言い返せない。


『それはさておき』


 はや切替るんかい、わしの問題だから後できっちりさせたるで。


『あっははは』


 なんやと!?


『あのですね、役人風なのが短剣を・・・・犬の調教師なのでしょう・・・渡して追跡させ始め、犬が鼻を地面に近づけてクンスカやっていたのですが、先に来ていたもう一つの勢力が去っていく前に地面に粉を振りまいていたと言ったでしょ』


 ほーい、それで。だいたい想像できたがな。


『刺激のある粉だったみたいで、犬が涙目になったりしてますよ』


 やっぱりかよ。くそー、直に見たかったぜ。


『彼らが居なくなって、しばらくしたらCM入れまーす。ソレまで静かに待期ですよ』


 はーい。イロイロ考えることもあって思案を練るが、疲れたので寝る。眠る。


『鼾はだめだよ』


 っ゛ずづー。垂らしかけていた涎をすすった。


『追跡できなくて彼らも居なくなったから、CMを入れて協力者を呼んでますからここでおとなしく待っててくださいね』


 え、どうなんのわし? 


 特に衣食住。4Lの衣服じゃないと腹回りとかダメだからな。

 わしのお腹の周りを測ったら分かるだろうが、千ミリを遙かに超えてあの海胆黒でさえ着れるモノ少ない。


『CM入れまーす』


 CMってスポンサーどこよ?


『えっスポンサー・・・・。あはは、コマーシャルじゃなくて、コールメンバーですよ』


 ソレを言うなら、メンバーコールじゃねえの。


『ホホホホ、お後がよろしいよおで。失礼しまーす。ぷつん』


 擬音付きで"謎の声"の音声が途切れた。


 おいっ、まだ説明が残ってるだろーが。くそっどーなってんだよ全く。


 CMは、メンバーコールを間違えて逆にしコールメンバーだったというネタ。

 特に他意はありませんが、当シリーズ中は'凡人'='普人'='常人''='ヒト'は同じ括りです。統一せず時々の気まぐれでイロイロ使います。どこかに宛てたサインではありません。念のため。私はオフホワイトで無実ですよ。さてよく'亜人'とされているエルフ、ドワーフ、獣人なども意思疎通の出来る人型なら、'人間'としています。これは元々'人間'の'人'はヒト型、'人間'の'間'はコミュニケーションをあらわしているとされているからです。


 テンポが悪く遅々たる展開にもめげずに、読んでいただけて感謝します。


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