来たことあるような白いとこ
今回も、短小回です。
主人公台詞で末尾の記号分けは今回ありません。
んぬーっ。なんだここは?
靄か煙か分からないが、視界は白一色だ。
きょろきょろしていると聞き覚えのない声がした。
「我あり」
若いというよか幼い子供の声だ。しかし、どういう意味で言ったのだろう。
おお、白いだけの空間に、少女の姿が浮かんできた。
「毎度っ!」
えっ、商売人?
「ちゃうちゃう」
ちゃうちゃうちゃーうんちゃう
「ちゃうちゃうちゃうって」
ちゃうちゃうちゃうん
「ちゃうちゃうちゃう」
いつまで続けるのやら。
「あんたが始めたんでしょうが」
ごもっとも。
「あー・・・・・」
いっ。
「うっ」
ええっ!
「おっ」
ひつこいなあ。
「これも、あんたや」
ごもっとも。
「すぐ棚に上げるのな」
いゃあー、それほどでもぉ。
「褒めてない、誉めてない」
で、なんじゃらほい。
「へいへい」
へいは、百回!
「へいへいへいへいへいへいへいへい・・・・・って、やってられっかよ」
まぁまぁ。
「まぁは千回」
くるりんぱ。
「それは、旋回」
さーせん。
「さて、本題言うよ」
おうっ。
「これから自我持ちで、異世界に旅立ってもらいます」
ほぉ。
「普通は、行動パターンのサンプルをいただいてNPCとして動いてもらうのです」
んー、どういうこと。
「行ってみれば、徐々に分かると思います」
不親切な。
「おや、一言もなく葬っちゃうことも出来たんですよ」
前言撤回します。でも、それだけだと・・・・
「何とかなりますって。現に・・・・・」
現に何に?
「やっぱ、記憶を消しましょう」
わしは意識を失った。
お読みいただき感謝します。