学習教室にて
年齢を3歳刻みで、教室を分けて4歳のわしらは、第一教室にいる。
わしと相方は文字を学んでいる最中である。
何故か会話はニホンゴなのに、見たこともない文字が使われている。試しにカタカナとか英数を書いて大人に見せたところ、ラクガキしないでちゃんと勉強をしなさいと注意された。何故じゃ。
ニホンゴで『ナナ○とポン○の店』と書かれている看板は、文字でなく模様だと認識されているのだとか。
ポン○に聞くとこの世界では、会話はニホンゴで行うが文字は数パターン有る英数に当たる書体でローマ字表記されているそうだ。この世界で日本語の文字を読めるのはわしらのような"まれびと"と呼ばれている者のみになる。
『つまり"まれびと"が営っている店だと"まれびと"には分かるでしょう』とナナ○は言うが、あのポップでサイケなヲタ感丸出しの店には、むしろノーマルな"まれびと"は近寄らないと思うんだがな。
どれもコレもが楔形文字を始め古エジプト文字、アステカ文字、ルーン文字、イースター島文字、そしてトンパ文字に似せた模様にしか見えない。
何故に?
『知りたい?』
久々に謎の声がした。
はよ言うて。
『国産エロゲってやったことあるよね』
国産美少女ゲームなら有ります。
『確認するまでもなくウソだと知ってるけどね』
なんですと。
『特にセーブデータ解析するの好きだよねー』
いえ、身に覚えは誤字ゃリマせんが。
『はい、噛んだ』
めっそうもない。
『も一度言うよ、この世界はいくつものエロゲを基に集約されてんの』
はいはい。
『どー見ても西洋人なのに、関西弁だとか痛でしょ』
へいへい。痛たね。
『顔の作りは日本人なのに金髪碧眼なのって』
うんうん。痛たよ。
『これって純国産ゲームの特徴だよね』
そだねー、じゃなかった。やったこと無いから知りられましぇん。
『「接吻」ってトコのデータなんかブロックが間接ポインタだったり、「堂」の古い作品なんかXORでマスク掛けてるだけの暗号化だったしね』
うん。あれは楽だった・・・って、知りません。
『これ以上話の腰折ると、不都合なことが起きても知らないよ』
でも、やはり、あれはエロゲでなくて美少女ゲームだったかとセツに思うのであります。
『やったんだろ。やったんだよね。やりましたよねっ』
はい、やりました。
『泣かなくてよろしい』
ぐすん。
謎の声曰く、多くの作品でボイス付きを含めセリフはニホンゴ、だけど文字は既存の文字でなく、また容易に置き換えられない記述が殆どであり、わざと読めなくされていて"まれびと"には現地文字を読み解けなくて当然だと。
だから"まれびと"は[読解スキル]をもれなく授かっているから、これをONにしているといいらしい。
「「なぁーんだぁー」」
念話でのやりとりが終わると、ちょうど午後のおやつの時間になった。
養蜂が行われている集落もサトウキビを栽培している村もこの領都からそんなに遠くなくて、十分に蜂蜜が手に入り甘味には困らない。今日はスライスしたナッツを混ぜたクッキーにミルクだった。
小腹がふくれると、みんなお昼寝タイムだ。
愛用の枕を抱えて横になると、最近なにかとわしらに絡んでくる富裕層の男子が近くに移動してきたが、眠気が強くて気にしないことにした。
では、また来週ー~(^^;)/~~~
読んでいただいてありがとうございます。