最終話
その日の夜
ある1つの建物に灯りがつき、町民達が続々と入っていった
「今日で終わるんですかね」
「向こうが折れてくれたらになるでしょうね」
「なんで此方が折れないといけないんだ!!」
「そうだ、そっちが諦めろ」
「何だと!?」
「なんだよ!!」
お互いに言い合い、喧嘩になるかと思っているとそこに仲裁の声が響いた
「まぁまぁ、落ち着かないか」
「子どもたちが怖がっているだろう」
その声が聞こえ、私達、子どもが居る方を大人たちが見て
言い合いをしていた人達も止めた
「すみません」
「すまん」
建物の中はまた、静かになった
「先程聞いたが、子どもたちは中立の立場をとるんですよね?
先生方」
「えぇ、そうですよ
そういう条件でなら、良いですよと言いましたからね」
そう、先生は言って
私達の方を向いた
「さぁ、誰から意見を言いますか?」
私達を見渡して言った
(言うなら今しかないわね)
そう思って私は、手を挙げた
「私からいいですか?」
「えぇ、どうぞ
風亜さん」
私が前に出ようと歩いていたら
「風亜」
何か言いたそうな、お父さんが声をかけてきたけど
今ここでは私達は、中立の立場だから、今この声を聞くわけにはいかない
私達の意見を伝えなくてはいけないから
「はっきりと、言わせてもらえます
私達、子どもは正直に言ってどっちでもいいんです」
私がそう言うと大人たちがざわついた
「どういう意味だ?」
今ここでは言わないと、二度と私達の気持ちを分かってもらえないだろう
「私達にとって森は、あって当たり前のものになっています
でも、私達は、それよりも昔のように戻ってほしいんです
昔の仲の良い町の姿に
喧嘩もない、森のことを真剣に考えていた頃に......」
私がそう言いきると
誰もが口を閉ざした
数分はそうしていただろう
その静寂を破ったのは他でもない
「そろそろ、終止符を打つか」
「そうだな.....」
お互いの派閥の頭領だった
勿論、周りは驚きを隠せなかった
「いいんですか!!」
「そうですよ
このままでは先祖代々守ってきた森林が」
口々にそれぞれの意見を言ってきた
「こんなに、子供たちに無理をさせていたんだ
それ以上は無理はさせれないだろう」
「それに、お互いの意見を満足させる事が出来れば、双方納得出来るだろう」
お互いの頭領が言った
「.......そんなこと出来るんですか?」
1人がそんなことを言った
それについて、悩んでいるときに森将が手を挙げて言った
「その事なんだけどよ」
「どうした?森将」
「よく、木を成長させるために何本かの木を伐採した間伐材が出るよな?」
そう言うと皆が頷いた
「木を成長させるために必要なことだからな」
「それを利用できないか?」
森将が、言うとどういうことだと言うように皆の頭の上に?が浮かぶ様子が目に見える
私もいまいち何が言いたいのか分かんないから
「どういうことだ?」
森将のお父さんが言った
「だから、それを毎年片付けると費用がかかるだろ
それを家具とかに加工できないかな」
「そういう手があったか....」
「それなら双方の意見が入っているな」
「そうしてみるか」
「それなら、子ども達も参加できますね
良いですよね?」
先生が言った
確かに、それなら私達も意見は言える
「あぁ、君達の意見聞きたいからね」
(皆が喜んでいる
ようやく戻ってきたんだ......
本来の姿に......)
「風亜」
「森将」
私達のお父さんが声をかけてきた
「お父さん」
「親父」
「悪かったな、お前たちに無理をさせてしまって」
そう言ってきた
それでも、少し不安がある
「もう、喧嘩はしないよね?」
私が言うと、お互いに笑った
「あぁ、これからは、間伐材をどうしていくかの話し合いだ
もう、喧嘩はなくなるだろう」
「意見の言い合いはあるだろうけどね」
「そうだな」
お父さんも森将のお父さんも本当は仲が良かった
でも、頭領になったとたんそれは出来なくなった
そんなことを思っていた
「良かったな、風亜」
「森将.....うん」
人と森は切っても切れない関係なのは間違いない
それをどのようにいかすかが大切になってくるだろう.....
森の光輝を読んでくださりありがとうございました
このお話は、私がこうであったらいいのにと思い書いたお話です
現実ではあり得ないこともあるかもしれませんが.....
ここまで読んでくださり本当にありがとうございました