第3章
私たちの学校は、少し坂を上った所の小高い丘になっているところにある
そこには、ほとんどの町の子ども達が通っている
そして、私たちの学校には暗黙のルールがある
その暗黙のルールと言うのは......
「おはよー」
「あっ、おはよー
風亜ちゃん」
「おはよー、そういえば聞いた?
あの話」
「風亜ちゃん!!
まだダメだよ」
「あっ、そっか
ごめん」
「全然いいよ
でも、後少しの辛抱だよ」
「うん、そうだね」
そう、暗黙のルールというのは
私たちの学校が創立から決めていることで
学校内では派閥関係なしに仲良くすると言うこと
ちなみに、さっき私が話し掛けた友達は、森を守りたい派の方の子
私は、伐採派だから
この事は、前の先輩や校長先生から何度も言われている
もちろん、家の人や町の大人達には言っていない
言ったらどうなることだか
「ふぅー、やっと門の中に入った」
「だね
で、何の話?」
「そうそう
近々大きな話し合いをするんだって」
「あぁ、その話なら私も聞いたよ~」
「どうなるんだろうね......」
「本当にね」
2人で少し話して暗くなっていた
「後、こんな情報もあるぞ」
「!?
森将君!!」
「おぅ」
「あっ、おはよ」
「あぁ、おはよ」
森将、こいつは守りたい派の頭領の息子だ
まぁ、わたしも似たようなものだけどね
「どんな情報もあるの?」
「その話し合いに俺達も参加できるって話なんだ」
「えっ!!
どうして急に?」
「さぁ、大人の事情ってやつじゃないのか」
「でも、急よねー」
「あぁ、でも、本当かどうかも分かんねぇけどな」
「森将君の持ってきた情報は当たるって噂だもの
大丈夫よ」
「どんだけ信用あるんだよ、俺」
友達が言い切るように言うと、森将は苦笑したように笑った
「だって、ねぇ風亜」
「えっ、う、うん
そうだね」
少し、困惑したように返事をしてしまった
「?
どうしたの風亜?」
「ううん、なんでもないよ
でも、本当に私達も参加できるのかな?」
「さぁ、どうだろなー
もし本当だったら先生から言われるだろう」
「そうだね」
「おぅ、じゃ、先行くな」
「うん、後でね」
「後で」
森将が居なくなり
「本当にどうしたの?風亜」
「何にもないよ」
「本当に?」
「うん
ほら、早く行こう」
「風亜がそう言うならいいけど...
何かあったら相談してよ?」
「うん、ありがと」
「じゃあ、行こうか」
「うん」
(ごめんね
さすがに、あの事は言えないから)
そう思いながら、友達と歩いていた
「今日って、授業なんかあったかな?」
「なんだったかな~
でも、確か、体育はあったはずだよ」
「うそ! 嫌だな~」
「仕方がないでしょ」
「うぅー」
「ほら、行こう?」
「うん」
私達子どもが心休まる時は学校があるときしかない
その時は、学校の先生達が話し合いの内容や情報を私達にくれるし
私達も、自分達が持っている情報を共有もできる
でも、学校を出たら、また元に戻らないといけない
隣を歩いている友達が不意にこんなことを言っていた
「一体いつになったら、止めるのかな~」
「ちょっと!!」
「でも、風亜」
「私も同じ気持ちよ」
「ごめん、そうだったよね...」
「行こう、ねっ?」
「うん、そうだね」