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愛・武  作者: 七草 折紙
6/6

遊ぶ少年

オマケです。

 僕は愛の継承者、蕪木(かぶらぎ)太々郎(たたろう)、七歳。パパは太郎っていう名前なんだ。

 "あい"は知らないけど、"けいしょうしゃ"ってカッコいいよね。


 気になることといえばアレかな?

 実は毎朝毎夜、パパとママの部屋から変な声が聞こえてくるんだ。何やってるんだろうね?

 この間、質問してみたら「絶対に負けられない戦いがある」って言ってた。僕には意味が分からないよ。

 まあ、仲が良いのは僕も嬉しいんだけどね。


 物心ついた時から、カッコいい拳法を習ってきたんだけど、パパに言わせると僕は天才なんだって。

 僕には理解できないけど、喜んでくれているなら、気にしないよ。


 あっ、ご近所のみっちゃんだ。


 そういえば、この間教わった拳法を使ってみたら、みっちゃん気絶しちゃったんだ。

 何でだろうね。ピクピクと丘に揚げられた魚みたいだったよ。


 彼女、翌日から僕を見る目が可笑しいんだ。

 何ていうのかな、ライオンさんみたいな目? 腕に鳥肌が立っちゃったんだけど、これって危険信号なのかな?

 彼女には近づかない事に決めたよ。


「だぁ~れ、だッ!」


 いきなり目を塞がれて、後ろから声がしたよ。

 これは優子おねえちゃんかな? たぶんそうだよね。


 おねえちゃんは七十二番目の拳法を使うと、褒めてくれるんだ。

 今日もきっと待っているよね?


「えっと、……えいっ」

「はうぅぅぅうううん……」


 やっぱり、座り込んじゃったよ。

 おねえちゃん、"こうこうせい"なんでしょ? 学校行かなくていいの?


「もうっ、タタローちゃんは悪戯っ子ね」


 怒った顔しているけど、実は違うんだって。この間、影から見てたパパとママに教えてもらったんだ。

 これって、もっとやれって合図らしいよ。

 だから、とっておきをプレゼントするんだ。


「はいッ! はいッ! はいッ!」

「ひあっ、あふっ、ぁあああっ」


 あれっ? おねえちゃんも倒れちゃった。口をパクパクしてるよ。何が言いたいんだろうね?

 みんな同じ反応するんだもん。つまんないよ。

 暇つぶしに、もうちょっと遊んでもらおうっと。


「えっ? ちょっと、やめなさい! コラッ、お姉ちゃん本気で怒るよ!」


 僕はもう七歳なんだ。そんな嘘に騙されないよ。

 パパ直伝の技を……こうして、こうして……こうかな?


「だから待ちなさいって! あ、ソコは、ぁあああああああああッ――!」



 僕は愛の継承者、蕪木次郎だよ。最近、近所の女の子達が従いてくるんだ。

 好きにしていいって言うけど、僕はそうしているつもりさ。



 今も、ほら、後ろでみっちゃんが睨んでいるよ。

 こっそり覗いてたパパが、青い顔で去っていくのは何故だろうね。


何というか、ノリで……

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