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第五章☆五齢の幼虫
蝶はね、幼虫の時脱皮するんだ。
声は言った。
特に五齢の幼虫は成長期でたくさん食べて大きくなる。
「それと私と関係あるの?」
別の部屋に五齢の幼虫がたくさんいるよ。
「どうして蝶の幼虫がたくさんいるの?」
蝶じゃない。人間の子どもたちだ。
どうやら声は、蝶になぞらえて話すのが好きらしい。
君1人では世話が手に余るから、外に出て他の仲間を探して連れてきて手伝わせるんだ。
「外へ、出るの?」
外の世界は元のままだろうか?私は尻込みした。
君が役立たずなら、標本にするまでだ。
「なにそれ、怖い」
大丈夫。俺が大事な時には手伝うから。
「本当に?」
私は、蝶の標本のことを思った。生きていた時のままの姿で無数のピンで留められている。
そんな目に遭うのは真っ平だった。




