表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カオス ある会社員の告白  作者: 國生さゆり
25/31

シーン25 この私だからだ。



 「一目惚れしたって言ってます」と口にしたよしこさんに、「エ、エースはあなたを気に掛けています」と率直な返しをしてしまった私は、内心で、自分自身にクドクドと悪態を述べていた。すると「知ってます」きっぱりと一言で言い切ったよしのさんが、断固たる目を私に向け「だから、協力して欲しいんです」と言った。そして「皆さんとご一緒の時、私は場違いで空気の読めない・・その・・エースさんに対して、そういう女になろうかと思います。勘違いだったと思われるように」と言った。私は「あの、どうしてそこまでするんでしょうか、あなたはそんな人じゃないのに」おずおずと聞く。「さちこはかけがえの無い親友だからです。女の友情なんてってお思いかもしれませんが・・さちこと私には真の友情があります。それにさちこはエースさんに対して本気です」と私にわかりやすく伝えたかったのか、よしのさんはシンプルな言葉を使って説明した。・・確かに・・よしのさんの判断は正しい。私は女性も女心にも疎い。だが・・それがわかっているかのような言葉選びに・・若干傷つき狼狽した私は「わかっていると思いますが、私は器用ではありませんし、気も回りません。お役に立てるか・・どうか・・正直、その・・自信が・・」と逃げ腰の言い訳を並べ立てていた。そんな私に、「一人で訳のわからない女で居たくないから、、、理由を知ってる人がいた方が心強いし、後々、笑い話になるかなって、、きっとあの二人はうまくゆきます。それに・・相談できる人が・・その・・エースさんの気持ちを知る人と相談しながら、二人の恋路を見守りたいなって思ったんです」とよしのさん。




 エースよ、控えめな感じとよしのさんを評していたが・・・違うぞ。

 芯の強い女性で自己犠牲を厭わぬ勇敢さを持っている人だ。

 サマーミロ。エースよ、君はよしのさんの本質をこれからも知る機会はないだろう。



 僭越ながらその機会をとことん邪魔するであろうは・・この私だからだ。

 


 「わかりました。私でできることだったら」と勇ましく言ったつもりの私だった。「それでですね、あの上司さんから、、、」とよしのさん、「あの人が、何か、また何かしましたか⁈」と怒声に似た口調で言った私に、よしのさんが「いえ、そうじゃなくて。あの方から飲み会のお声がけを、もう一度していただけないかなって思いまして」とさっきよりも透明度を増した笑顔で言った。その笑顔はきつのっちが現代に生きていればこんな感じで笑うだろうなと想像させる笑顔で、よしのさんに相応しくて、水晶のように澄み切っていて、みずみずしい笑顔だった。



 褒めすぎと思うかもしれないが・・それほどに美しかったんだ。



 スマホを取り出した私は“昨日流れた飲み会、今夜、行きませんか?“とLINEを打った。着信音が鳴ってスマホを覗き込んだよしのさんが「ありがとうございます」と言った。「いえ」と短く応えた私はカッコつけすぎたとすぐに後悔して「私にできる事はこのくらいですが」と重ねて付け加えた。



 すぐに返信が来た。



 上司「いいねーー、皆さんはいかがですか?」

 さちこさん「わーい。行きます」

 エース「行きましょう」と乾杯のスタンプ

 よしのさん「ぜひ」

 上司「焼き鳥でいいかな?」

 さちこさん「はい」と鳥がOKと言っているスタンプ

 私「楽しみです」



 こうして私たちは今晩、飲みにゆく約束をした。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ