27話 手がかり
「フォーリアス!」
すぐさま、第一王子が呼びかけるも、その返事は返ってこなかった。
……祓魔?
「祓魔ってあの、王都の郊外にある、洞窟の別名だったか?」
俺は、レステート公爵令息の言葉に頷き、言った。
「はい。正式な名前は、ヴァーカスケイブ。一応、フライズ侯爵家の領地ですね。」
「第二王子殿下は、なんでその場所をつぶやいたんでしょ?」
サフィーが言った。
「……公にはされていないが、フォーリアスは、予知夢の加護を持っているんだ。だから、もしかしたら、その洞窟が、なにかの鍵になるかもしれん。」
「それは、言ってしまって良かったのですか?」
マギア伯爵令息が、第一王子に言った。
「ああ、緊急事態だからな。くれぐれも、内密に頼む。」
そんな第一王子の言葉に頷き、俺は言った。
「わかりました。それでは、俺は、ヴァーカスケイブに向かいます。なにか手がかりが見つかるかもしれません。」
「ああ、それなら。ヴィオール殿、案内を頼めるか?」
いきなり、第一王子が、医師に話しかける。
ヴィオール……フライズ侯爵の弟?だっけ。
どこに婿入りするわけでもなく、医師になるっていうのは、珍しいな。
「はい。承りました。ノルディック侯爵令息様のみで、よろしいのですか?」
「私も、一緒に行きます。」
サフィーが、言った。
「サフィーリア嬢は、あまり戦い慣れは、していないのだろう?なにかある、とは思いたくないが。」
「大丈夫です。状況の把握は、得意なので。リュシオン様のお役にも、立てると思いますよ?」
そう言って、サフィーが、こちらを見る。
「……そうですね。俺も問題は無いと思います。サフィーリア嬢一人なら、なにかあっても、守ることはできると思いますし。」
「そうか。なら、頼んだ。くれぐれも気をつけてくれ。こちらも、なにか方法がないか、調べてみる。」
そして、俺とサフィーは、頷いて、準備に取りかかった。
「ヴァーカスケイブは、洞窟ではありますが、魔物の数は少なく、強い個体もほとんど発見されていません。ですから、そう危険なことはないかと思われますが、お気をつけて。」
ヴァーカスケイブに到着した後、医師が俺たちにそう言った。
「ええ、案内していただき、ありがとうございました。」
そう言って、俺たちは、洞窟の中に入った。
「割と中は明るいんだね。」
しばらく歩くと、サフィーがつぶやいた。
「そうだね。この洞窟からは、発光する鉱物が採れるらしいから、それでじゃないかな。」
「そっかぁ。それにしても、ここには何があるんだろうね。本当に第二王子殿下を救えるものがあるのかな。」
「それは行ってみなきゃわかんないよ。でも、予知夢の加護はかなり希少だから、本当かはわからないけど、王家が隠すほど、価値のあるものだとしたら、可能性は十分にあると思うよ?」
「なるほど。まあ、とりあえず進めばいいってことだね!今のところ別れ道すらないし。」
サフィーの言う通り、この洞窟は、不思議と直線の道しかない。今のところの話ではあるから、もっと先に進んだら、違うかもしれないけど。
そうやって、俺とサフィーは、洞窟を進んでいた。




