25話 異変
その数週間後、サフィーが正式に、生徒会のメンバーとなることが決まった。
サフィーの他にも、公爵家の長男である、カルディア・レステートと、伯爵家の次男である、セルフォード・マギアが、選ばれた。
レステート公爵令息は、三年生、マギア伯爵令息は、二年生である。
ちなみに、上の学年から選ぶ場合、そのメンバーが、卒業した後にまた、メンバーの選定があるらしい。
「では、三人とも、これから同じ生徒会として、よろしく頼む。」
「「「はい!」」」
軽い顔合わせを終えた感想としては、レステート公爵令息は、豪快で、すこし第一王子と近いタイプ。
それに、王子二人とは、昔からの仲だそうで、砕けた口調で話しているのを見たことがある。
今回も、二人からの推薦で選ばれた。
マギア伯爵令息は、ふんわりしたタイプの穏やかな人。
ラクト子爵令嬢に少し似ている感じの、愛されて育ったのが、目に見えてわかるような、優しそうな印象を受けた。
マギア伯爵令息は、成績と周りからの性格的な評価で、適切だと判断して、選ばれた。
それと、一番の目的であった、サフィーは、生徒会に入ったことで、狙い通り、簡単に手出しができない状態になった。
下手なことをすれば、王子たち、つまり、学園内での実質的な最高権力者、に伝えられる可能性があるから。
まあ、半分脅しみたいなことができるようになったんだよね。
それから、何週間かたって、いつも通り、生徒会の仕事をしていた。
「さて、そろそろ一旦休憩しようか。」
ふと、第一王子がみんなに声をかけた。
「ファルザード、セルフォード、サフィーリア嬢、仕事には慣れてきたか?」
「ああ、おかげさまでな。」
「僕も、何とかやれるようには、なってきました。」
「私も、大丈夫です。」
三人がそれぞれ返事をする。
「そうか、なら良かった。それと、セルフォードとサフィーリア嬢。ここでは、家の爵位や地位を、気にする人間はいない。だから、もっと気を緩めていてほしい。無論、強制ではないがな。」
「「はい。」」
マギア伯爵令息とサフィーが、返事をした。
そうやって、雑談をしている時だった。
「……フォーリアス殿下?」
シアンが、ふと、呟いたと思うと、今まで静かだった第二王子が、椅子から倒れこんだ。
「フォーリアス?」
第一王子が驚いたように声を上げて、第二王子に駆け寄った。
「どうした、フォーリアス?聞こえるか?」
俺も第一王子に続いて、第二王子の様子を見る。
息が荒い、顔色も悪いし、第一王子の声も聞こえていなさそうだ。
……どう見ても、ただの風邪には、見えないな。
体調が悪かったのなら、こんなすぐに悪化することもないはずだし、シアンがそばにいたなら、きっと気づいていたはずだ。
隣の第一王子を見ると、さすがに多少の焦りが見られた。これだと、良い答えを出すのは、難しいかもしれない。
……どうしようかな。
「レステート公爵令息様、マギア伯爵令息様、学園の医師と、布団を持ってきていただけますか?」
急に呼ばれた二人が、慌てながらも言う。
「わかった!殿下のことは、頼むぞ!」
「わかりました!」
二人が去ったのを確認して、ラクト子爵令嬢に声をかける。
「ラクト子爵令嬢、第二王子殿下を診ていただけますか。あなたの力なら、何かわかるかもしれません。」
ラクト子爵令嬢が、強く頷く。
「やってみます!」
そう言って、第二王子に近づき、光を放ち始めた。




