5話 使いみち
パーシアンと騒いでいると儀式の時にいた神官と父が部屋に入ってきた。
「二人とも儀式の結果はどうだった?」
……どうしよう、これ。普通に見せればいいのかな。
「どうしたんだ?二人して黙り込んで。とりあえず紙を見せてくれないか?」
まあ、一旦渡してみよう。と、パーシアンにアイコンタクトでそれとなく伝える。
ちゃんと意志を汲み取ってくれたらしく、二人で父に紙を手渡す。
「これは………素晴らしい結果じゃないか、二人とも。」
ん?なんか思ってたより普通の反応だな?
「驚いてはいるぞ?特にリュシオンは見たこともないような結果だからな。」
俺の考えを察したように父上が話す。
「それはそうでしょう!全属性持ちですら聞いたことがないのに、そのうえ魔力量はこの国や世界でも聞いたことがない量じゃないですか!」
パーシアンが慌てたように話す。
そんなこと言っても、本人は実感が無さすぎて、どうすればいいのかわからないんですが。
「私は才能があってもなくても、お前たちには自分の力は自分の使いたいように使ってほしいと思っている。まあ、度を超えるなら話は変わるがな。」
父上が笑いながら話す。
それなら良かったかもしれない。他人の欲のために働くのはごめんだ。
すると、今まで黙っていた神官が、急に口を開いた。
「全属性持ちで大量の魔力を持っている、ですって!?なんということでしょう!今までそんな例は聞いたことがありません!」
びっくりしたぁ、いきなり話し始めたと思ったら、大声で同じこと繰り返すし。
「こうしてはいられません!ノルディック侯爵様!どうかリュシオン様を神殿に置いて貰えませんか!」
………何言ってんだ、この人。