12話 後始末
親睦会が急きょ、中止になり、学園に戻った俺たちは、生徒会室に集まっていた。
「さて、今回の件だが、フォーリアスとパーシアンは、どこまで知っている?」
第一王子が二人に問いかける。
「渓谷のある方で魔物が出て、その後に魔物が出た場所と思われる所で、謎の強い光が発せられた、というぐらいかな。」
「俺も同じぐらいしか聞いておりません。ほとんどを第二王子殿下と行動しておりましたので。」
シアン、割と敬語ちゃんと使えてるな。すこし不安であったけど、これなら大丈夫そうだね。
「そうか……俺たちは、悲鳴が聞こえてから、すぐに現場に向かったから、魔物やその光も間近で見たんだ。」
「へぇ。どんな様子だった?」
「魔物は狼のような獣で、色や気配から、おそらく闇属性の魔物かと。大型で本来なら、騎士団でも数人で戦うような魔物です。……今回は令嬢一人で、食い止めていたようですが。」
第二王子に知っていることを答える。
「……まあ、今回の本題は、魔物じゃなくて、その光のことなんだがな。」
第一王子が言う。
「ああ、あれか。たしかに、普通の光魔法にしては、違和感があったね。」
「そうだな。俺とリュシオンは、その場にいたからこそ、わかったことなんだが……その光は、魔物を消し去ったんだ。しかも、普通に体力を減らして、倒すときとは、違う消え方をしていた。」
「……なるほど、あの光は、聖女の力なんじゃないか、ってことかな?」
聖女、か。窮地に陥った時に覚醒するとか、言われてるもんね。状況的にかなり筋も通っている気がする。
「ああ、すぐに調べさせたが、その光を放った令嬢の名は、スフィア・ラクト子爵令嬢らしい。」
「スフィア・ラクト……平民上がりの養子だったか、魔法の才もあるなら、おかしくはなさそうかな。魔物を一人で食い止めていたっていうのも、その令嬢か?」
「いや、ラクト子爵令嬢の友人と思われる、サフィーリア・ディアン伯爵令嬢だったな。今回の事件で出た、唯一の負傷者でもある。」
「そうか。……それで、その怪我の容体は?」
「魔物に蹴り飛ばされたときの腹部への打撲だな。それに、渓谷に落ちた時のショックで、気を失っていた。」
「渓谷に落ちたって……大丈夫だったんですか?」
シアンが珍しく、口を開いた。
「ああ、リュシオンが間一髪のところで、助けた。聞いてはいたが、リュシオンの魔法の精度の高さには、驚かされた。」
第一王子がすこし笑いながら話す。
「光栄に存じます。」
……第一王子の魔法を見たことはないけど、王子なら、普通に魔法の扱いにも慣れてそうだけどね。
まあ、いつか見る機会ぐらいあるだろう。
「それで、ラクト子爵令嬢には、どのような対応をするつもりなのですか?」
シアンが第一王子に尋ねる。
「そうだな。とりあえずは、本当に聖女の力を持つのかを調べる。もし、本当に彼女が聖女なら、それから、今日の事件の概要も踏まえて、彼女を聖女と民衆に公表することになるだろうな。」
「聖女は、国に利益をもたらす、と言われているからね。国外に出さないための策も、必要になるだろうね。」
第二王子が続けて言った。
「これから、忙しくなりそうですね。」
シアンがつぶやくように言った。
「ああ、悪いが、協力してくれ、リュシオン、パーシアン。」
「ええ、出来ることなら、させていただきます。」
そして、会議は幕を閉じた。




