2話 双子の兄
「お前……転生者なのか?」
なんで!?!?!?
いや落ち着け!少し様子がおかしいからといってそこまでバレることはないはず!
え?!なら、もっとなんで!?知り合いにいるとか?そんなわけないよな?全然意味がわからないんだけど!?
混乱している俺を見ながら、パーシアンが話し始める。
「そう……なんだよな?俺もそうなんだよ。前世の記憶があって……」
双子で!?いや双子だから逆にありえるのか!?
「え?あの、全然状況が飲み込めないんだけど!?というかなんで、俺が転生者知ってるの!?今思い出したんだけど!?」
「俺が前世を思い出した時は頭痛がけっこう酷くてさ。お前も同じ感じだったからもしかしたら……って思ってたんだ!」
マジで?
記憶を思い出してから初めて会う人も転生者って……どんな偶然?
「ちょっと待って、まだ記憶が混乱してて…」
「あー、俺も最初はそうだったな。じきに治るよ。それか、今の状況の説明だけ、軽くしておくか?明日…もう今日だなもう1時だし。割と大事な予定があるから、すこしでも知っておいた方がいい。」
「そうだね、お願いするよ。」
少なくとも先のことを考えられるような人らしい。おそらくこれからかなり関わることになる相手だろうし、優秀に越したことはないかな。
「えっと、今日が俺ら双子の5歳誕生日ってことはわかってるか?」
「あー、うん。多分前世を思い出す前から印象に残ってたんだろうな。けっこうはっきり覚えてる。」
まあ、リュシオンはその後をもっと楽しみにしてたようだけど……
「そうか。この国じゃ、5歳になると儀式ってやつを受けなきゃいけないんだが、それは思い出せるか?」
「うん。なんならそっちの方が俺は楽しみにしてたみたい。魔力の量とか魔法の適性を調べるんだよね。」
「そうだな。リュシオンは、かなり前から魔法を使うのを楽しみにしてたから。まあそれだけ覚えてれば大丈夫だな。少し寝れば記憶の整理もつくだろうし。」
「たしかに。」
寝ると記憶が定着するとかいうしね。
というか、眠いな。記憶思い出したせいで、普通に忘れてたけど、もう深夜だしな。
「そろそろ寝ない?かなり眠いし。」
「そうだな。たしかに、そろそろ寝るか。明日は起きなきゃ怒られるしな。じゃあ、おやすみ、リュシオン。」
「おやすみ、パーシアン。」
まだ知りたいことはあったけど、眠気には勝てず、すぐに眠りについた。