28話 すべきこと
目覚めると、俺は、侯爵邸の部屋にいた。
「シオン、起きたか。」
こちらに気づいたシアンが、俺に話しかける。
「……なんで俺、生きてんの?リオネイアは?」
死ぬ気で魔法を使って、リオネイアを殺そうとしたはずなのに。
……いや、止められたんだっけ、シアンに。
シアンが呆れたようにつぶやく。
「……お前さ、死にかけるってわかってんなら、やんなよ。俺の魔法がなかったら、死んでたんだぞ。そうでなくても一日中眠ってたっていうのに。」
違うなこれ、普通に怒ってる、やべ。
「お前のことだから、反省してねぇのはわかってんだぞ!こっちは!」
「悪かったって!でもこうするしかなかったじゃん!ほら、俺もシアンも生きてるし!」
「それはただの結果論じゃねぇか!」
「本当に……心配したんだよ。」
「……ごめん。」
珍しく、素直に言うから、調子が狂う。
「そういえば!リオネイアは?どうなったの?」
「あいつは……逃げたな。」
「え?それだけ?」
「あぁ。アイルが魔法で拘束してたけど、逃げられた。あと、アイルたち、四人についてもわかった。つーか話してくれた。」
……なんか隠してるような気がするなぁ。
まぁとりあえず、四人の話を聞こう。
「……て、感じだな。これ以上詳しくは父上の許可が出てから聞けって。」
なるほどね、だから護衛ができるのか。
元暗殺者か、もっと詳しく聞いてみたいところではあるけど。
「とりあえず、四人を呼んで、これからどうするかとか、話そっか。」
「そうだな。もしかしたら、魔法で父上と話すことになるかもな。魔力バカ食うけど、そんなこと言ってられる状況じゃねぇし。」
そういえば、空間魔法にそんなのあったなぁ。ビデオ通話みたいなもので、魔力量の関係上、そんな長時間は、出来ないらしい。
そして、四人が部屋に入ってきた。
「体調はもうよろしいのですか?リュシオン様。」
「大丈夫ですね。色々と迷惑をかけて、すみません。」
「リュシオン様が、謝られる必要はありません。私たちも至らぬ点がありましたし。」
「イシア、そんな固く話してたら進まないよー。」
「そうそう、今後について話さなきゃいけないんだし、多少は割り切らなきゃ。侯爵様とも話す準備いるし。」
やっぱ、父上と魔法で繋ぐのか。
アルネの発言的に多分六人だけで話すっぽいし。
「それじゃ、アイル始めよ。お二人は、そのまま動かないでくださいね。」
二人が魔法を展開させていくと、父上の姿が写った。
「久しぶりだな、パーシアン、リュシオン。四人も元気そうでなによりだ。……さて、今回の件については先に聞いているが……」
「申し訳ございません。俺たちが至らないばかりに、お二人を危険にさらしてしまいました。」
アイルたちが深く頭を下げる。
「頭を上げなさい、四人とも。今回のことは二人だけで外出を許した私や無防備に見知らぬ魔法陣に飛び込んだ二人にも非がある。」
……危険を知らせただけ、いいと思ってほしいけどな。
「もう少し、話したいところだが、時間に限りがある。それに、この件があった以上、明日にはこちらに帰ってきてもらうぞ。」
やっぱり帰ることになるか。
仕方ないっちゃ仕方ないけど、まぁいっか。
「明日になったら、転移魔法ですぐに帰ってきてくれ。その後、もっと詳しく話そう。今日はしっかりと体を休めなさい。」
なるほどね。今回のは緊急連絡ってことかな。手紙だと時間かかるし。
「「わかりました。」」
とりあえず、今日は言われた通り、ゆっくり休もう。




