26話 四人の秘密 sideパーシアン
光が消えると同時に、不思議とシオンの怪我も治っていた。
これも俺の固有魔法の効果の一つなんだろうか。
俺がシオンを止めたあと、振り返るとアルネたちが
リオネイアを捕らえようとしていた。
……何か話してる?
さっき、リオネイアの名前を聞いたときの反応的にも、何かありそうだな。
……行ってみるか。
そして、四人やリオネイアがいる方に近づいてみる。
「お前たちには言われたくないなぁ。正体を隠してるくせに、ねぇ。」
リオネイアが言う。
……なんのことだ?
正体?アルネたちの、か?
前にシオンが話していたことがある。
本当にただの使用人なら、父上…侯爵が自ら雇うものなのか、だったっけな。
「……隠しているのは、否定できないが。侯爵様がお二人に気を使ってやっていることだ。」
アイルが厳しい顔で言う。
「お二人に気を使っている?貴族社会の目を気にしているだけでしょ?……それに、もう隠してはおけないんじゃない?」
そして、全員が俺の方へ振り向く。
「教えてくれないか。まあ、そいつと知り合いだったり、今までの情報だけで、軽く予想はできるが。」
きっとシオンもそうだろう。意識が途切れる直前だったとしても、四人がリオネイアを取り押さえていたのは、見えていたはずだ。
「……パーシアン様、それは、」
「私がお話しますよ。」
アルネが何か言おうとしたのを遮って、イリスが言う。
「イリス!」
「どうせ、もう隠しても無駄ですよ。お二人なら黙っていてもすぐに真実にたどり着くことは、みんなもわかっているでしょ。」
イシアに対し、イリスがやれやれと言った様子で話す。
かなり、俺たちの能力には、信頼があるらしい。
「それは、そうです。ですが!侯爵様になんていえば……」
「父上には、俺やシオンから言えばいい。それに、そいつと知り合いだったって言うんなら俺らにだって、聞く権利はあるだろ。」
もうほぼバレてるようなもんなんだし、正直に言ってくれればいいものを。
すこしめんどくさいが、四人の立場を考えれば仕方ないところは、あるのかもしれない。
「……わかりました。ご説明します。」
どうやら折れてくれたようだ。
「ありがとな。シオンとも相談して、父上に上手く言っとくから、頼む。」
「はい、ではどこから話しましょうか。」
悩むイシアをイリスが遮る。
「最初は私たち、孤児だったんですよー。それで孤児院に入って、他三人ともそこで出会いました。」
そこに、アルネが続ける。
「でも、そこは、まぁ普通のところじゃなかったんすよ。いわゆる金のために親に売られた子供が集まる、奴隷の密売所みたいなもんでしたね。」
少し笑いながら話すアルネを呆れたように見ていたアイルが話し始める。
「その孤児院で俺たち四人は、才能を認められたんです。そして、その才能を伸ばすために孤児院を出た。」
「その……才能っていうのは。」
「簡単に言えば、殺しの才能です。身体能力などで判断されたものだと思いますが。」
「その頃の俺たちにとっては、孤児院を出れるのが一番いい事だったんで、何をやらされても、文句は言えなかったんですよねー。」
「それが9歳の時のことでしたねー。まぁ私たちははっきりとした年齢がわかってる訳ではないので、大体ですけど。」
「そうですね。同い年かどうかも微妙なところですし。」
なるほどな。四人の結束力っていうのは、こういう所からきてんのかもな。
「それからは、暗殺者の組織に入って、15歳のときまでは、普通に人殺してたりしてましたし。」
サラッと笑えねぇこと言ったな、こいつ。またアイルに呆れられてんぞ。
「そういえば、そこのリオネイアに出会ったのも、そこの組織でしたね。」
「いきなりだなぁ。完全に俺のこと忘れて話してたじゃん。」
「必要がなかったと言いますか、貴方のことは昔からあまり好みませんので。」
……イシアもイシアだな。
笑顔のまま言ってんのがもっと怖ぇ。
「まー続けると、その組織の依頼中にノルディック侯爵様に出会って、それで色々あって侯爵家で使用人として、働くことになったんですよねー。」
だいぶ端折ったな。その色々が聞きたいんだが。
「これ以上詳しくはさすがに話せませんよー。侯爵様にも関わるので。」
なるほどな。父上から許可が出たらもっと詳しく聞いて見るか。
今はシオンも寝てるしな。




