1話 異世界転生!!
「はっ……!」
え、私、生きてる。
というかここ、どこなんだろ?
私、死んだよね?
というか、洋風の家具や物を見るに明らかに日本ではない。
それに1番の違和感は。
「身体が……小さい……」
異なる世界観や明らかに小さい身体。
これは……もしや……
「異世界転生ってやつ!?」
自覚したのもつかの間、私に私のものでない記憶が流れ込んでくる。
「うっ!?」
頭が痛いし気持ち悪い。
思わず身体がふらつく。
「……………?」
どうやら俺はリュシオン・ノルディックという侯爵令息らしい。
なんか……私とリュシオンの記憶が混同していて不思議な感じだ。
「………シオン?」
……これからどうすればいいんだろ。
「リュシオン!」
はっとして俺を呼ぶ声の方向に、ゆっくりと目を向ける。
濃い青みがかった灰色の髪色に、藤色の瞳。
リュシオンの記憶にあった。この人は。
「どうしたの?パーシアン。」
リュシオンの双子の兄、パーシアン・ノルディックか。
「なにって、リュシオンがいきなり起きて、ブツブツ言ってたんだろ。」
「あ、ごめん。ちょっとね。」
双子の兄とはいえさすがに前世について言う訳にはいかないよな。
まだ、パーシアンの記憶を認識できていないようで、双子の兄である、ということぐらいしか、思い出せていないし。
「それか、また頭痛か?よく起こるとはいえ、酷そうだったらすぐ言えよ?」
あーそういえば、俺、頭痛よくなるんだっけ……
リュシオンの記憶と前世の記憶が曖昧なせいで、会話がうまく成り立たない気がする。
「なぁ、リュシオン。もしかして…」
やばいな、なにか変だったかな。家族である以上、今の俺に違和感を持たれるとすこしマズい。
……とりあえず、探りを入れてみるか。
「えー?なにー?」
「意味がわからなかったら気にしなくていいんだが……」
……なんか不安になってきたんだけど。
「お前……転生者なのか?」
え!?
なんで知ってんの!?!?