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魔女っ子アンは大魔法使い  作者: ろくちゃん。
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再会

 隊長オノの話の前に、、、

まずは、こちらの方達の再会のお話を。


八咫烏のかぁと八岐大蛇の黒蛇おろちの久しぶりの再会である。

伝説の、まさかの神話級の生き物同士の、シュールな再会である。

一見すると、ただのカラスと蛇のにらめっこである。ーとてもかわいい。ー


『ちょっとちょっと、一体全体、おろちどうしちゃったのさ。頭も1つだし、もう赤ちゃん蛇状態、チカラもほとんど残ってないじゃないかぁ。』

『やた君、本当にめちゃくちゃお久しぶり、やはりここに来ればやた君に会えたのである。やた君が元気そうで嬉しいのである。どうもこうもないのである。力尽きる寸前のおろちなのである。』

『八岐大蛇ともあろう君が、人間に捕まっちゃったってことかぁ??』

『厳密には、ちょっと力を使ってしまって、養生して泉で寝ていたら捕まってしまっていたのである。』

「いやぁ、おろちの「である調」久しぶりに聞いたけどさ、そんなのんびりしている場合じゃないかぁ。今にもヤバい、命尽きそうかぁ。』

『そうなのである。 捕まってからしばらくののち、商隊が中立の町を目指していると聞こえてきて、是が非でも黒の魔法使いのところに連れて行ってもらわねばと、最後のチカラを振り絞って隊の長の夢に出て、ここまで連れてきてもらったのである。そしたら、やた君にも会えると確信していたのである。黒の魔法使いは真っ黒いカラスと真っ黒い黒い猫を連れていると聞いた時から、きっとあちこち旅に出ているやた君に違いないと思っていたのである。やた君、彼女はいにしえの魔法使い殿であろう?僕を引き取って助けてくれないか、お願いしてみてほしい。この通りなのである。』

おろちは、舌をチロチロ出し少し頭を下げた。

これは、おろちの最大級のお願いポーズである。ーかわいいagain。ー


 かぁは本来のおろちの姿を思い出し、つくづく損な役回りばかりを、、、と涙が出そうになった。

おろちは自ら説明してこないけれど、おそらく東の国の大飢饉を自らのチカラを使いどうにかしてこのような状態になったのだろう、、、と、かぁは確信している。

おろちはいつだってそうなのだ。

損な役回りばかりして悪者になり、それが東の国の建国の物語として残っていたり、その他にも数え切れないほど、おろちは傷つき悪者扱いされ、それを見てかぁもまた古い友人としてココロを傷めてきた。

かぁは、アンに出会った当初、アンの素朴な優しさにおろちを重ねたこともあった。


アンとむぅに話したら二つ返事で了解し、賛同してくれるだろう。間違いない。


 かぁはビュンと飛び上がり、アンのお店の棚から隠してあるちょっと光って見える木の実を咥え、おろちの側に飛んでいき、光る木の実を籠に入れた。

『アンに話してくるから、それまでこれで耐えていてかぁ。』

かぁは、代替わりしたとはいえ、自由気ままに過ごして来てしまった近頃の自分の振る舞いを振り返り、その災いをおろちが被ってしまったような気もしないでもない、、、と内心申し訳ない気持ちでいっぱいであった。

 久しぶりに再会した旧友おろちにできる限りのことをしよう。と決心し、アンの肩に飛び戻った。


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