通知板によれば、
予約投稿設定してみました。
ちゃんとできているかドキドキ。。。
この世界には、ハコビ処(1話では郵便局と書きましたが、ハコビ処に変更しました。また良い名前が思いついたら換えます。)という手紙やちょっとした荷物を運んでくれる、規定の料金を支払えば誰しもが利用できる機関がある。この世界に血管のように張り巡らされていて、おおよそ、人間がいける場所には小さなタイプの商店なんかと兼用で設置されている。
ハコビ処は、独自の組織だ。
歴史も古く、この世界が国として細分化される以前から、自由を守るために組織され、人々の交流を支えて来たのがハコビ処である。というのが、ハコビ処についての言い伝えである。
「言い伝え」という分類で語られるくらい、いにしえからある組織なのである。
現在では、国ごとに管轄として支部化されているが、基本的にはそれぞれの国の干渉を受けず、情報や手紙、簡易的な物流を担っている。
ちなみに本部の長の決定は、時が来ると通知板に自然と表示されるという仕組みになっている。誰がどうやっているのか未だに不明であるけれど、不正ができない、適正な方法として現代においてもその方法に従っている。
その、ハコビ処に必ず設置されている「通知板」について説明しよう。
「通知板」とは、一見すると木の板に見えるただの壁に掛けてある掲示板のようなものなのであるけれど、実は「いにしえの魔法」がかけられている。
現代においては、誰も分解したり、解析したりできない、不思議な、だけど便利な掲示板だ。
人々はこの手のものを「いにしえのマジックアイテム」と呼び、神聖化し、崇めている。
使い方は、通知板に世界中の通知板に届けてほしい内容を話しかける。これだけである。
私利私欲にまみれた内容は受け付けてもらえず、本当に困っている人の頼み事、公共のアナウンス等、そういったことが通知板に表示されるようになっている。
翌朝、アンたちは前日の予定通り、ハコビ処へとやってきた。
「ロニーさん、おはようございます。その後、商隊から通知は入っていますか?」
「アンさん、おはようございます通知板を持って来ますのでちょっとお待ちくださいね。」
そんなやり取りをしながら、ハコビ処を眺めていると、手紙を出しに来る人、荷物を受け取りに来ている人、様々な人で賑わっている。
そんな光景をアンは嬉しそうニコニコと眺めている。
「いにしえの魔法使いたちが協力して作った通知板、良い働きをしているにゃ~~と思っているのかにゃ?」
むぅがアンに話しかける。もちろん、周りにはにゃーにゃー、猫の鳴き声にしか聞こえていない。
アンはむぅの方に向き直り微笑みを返す。
「アンさん、お待たせしました~~」
ロニーさんがあくせくと持ってきてくれた通知板によれば、今回の商隊は『明日の明るいうちに町に到着できる予定でいる』と言うことであった。
「ロニーさん、ありがとうございます!!
帰り道にある宿屋や食堂の皆さんには商隊の到着の予定を連絡しておきますね。
その他の場所はハコビ処の皆さんでお願いします。」
「アンさん、ありがとう!!助かります!!」
ロニーさんに礼を伝え、3人は帰り道へと進んでいく。
「ハコビ処もあの通信板も、アンたちが作っただなんて、だ~~~れも想像してもいないのだろうねぇ。」
かぁがアンの肩で小さな声でささやく。
「知ってほしいだなんて思っていないわ。皆が平和で自由に暮らすことができるお手伝いをと思っただけだもの。」
「かぁ、アンも含め、いにしえの魔法使いたちは揃いも揃って欲がないのにゃ。」
むぅとかぁがそれぞれ、うひょうひょした目で笑っている。
明日は、商隊が到着するよ!と、帰り道にあるお店やすれ違う人々に伝えながら3人は帰宅した。
「むぅ、かぁ、明日からは忙しくなるわよ!!」
「「オッケー、了解!!」」
やる気漲る3人なのであった。