今日も天気がいいなぁ。
のんびり更新、よろしくお願いいたします。
町の皆から「魔女っ子アン」と呼ばれている魔法使いのアンのお話。
本人からすると、魔女っ子と呼ばれるたびに『魔女っ子って、、、、いや、もう500歳超えてるし、、、、』と、毎回ココロの中で突っ込みつつ、笑顔をお返し。。。
今日もそんなココロのやりとりから朝は始まります。
ーカランコローンー
今日のお客様1号が訪ねて来た。
「魔女っ子さーーーーーん、おはようございまーーーす。」
扉に取り付けてある鈴が鳴り、朝の挨拶が聞こえてくる。
この鈴、人間の耳にはーカランコローンーと聞こえているのだけれど、アンやむぅ、かぁには誰が訪ねて来たかがわかる魔法がかかっている。
実際にはーお隣のおじさんがきたよ~ーとか、ー酒場のローズがきたよ~ーとか、こんな具合にアナウンスが脳内に入るのである。
アンとむぅかぁの脳内にーハコビ処のロニーがきたよ~ーとアナウンスがかかり、1人と2匹は居住スペースである2階から店舗である1階へと降りていく。
ーとん、とん、とん、、、、ー
階段を降りる間、店内に置かれている売り物の常備薬を眺めるハコビ処のロニー。
「あら、ロニーさん、おはようございます。今日はどうされました??ここしばらくお天気も良いけど風邪でもひいちゃった?」
すでにロニーさんだと知っているのだけれど、しれっと挨拶をする。
「アンさんにむぅちゃん、かぁちゃん、おはようございます。朝早くからすみません。今朝、ハコビ処の通知板に連絡が来たのだけれど、来週、町に東の方から大きな商隊が寄るようだよ。通知板によると、2~3日滞在して補給や商品の売買、買い付けなんかもするようだ。ということでした。アンさんのところにも寄るだろうから、先に知らせておこうと思って寄ったんだ。」
「ロニーさん、知らせてくれてありがとう!そういうことなら、今日から早速、商隊向けの商品を準備しましょうかね。珍しい薬草なんかも分けてほしいし、準備しなくっちゃ!むぅとかぁも手伝ってちょうだいね!」
「にゃおーん!」「かぁっ!」
元気に返事をした2匹の声は、ロニーさんには普通の鳴き声に聞こえているけれど、アンには「オッケー!」「もちろん!」と、こんな具合に聞こえている。
この世界について少し説明しよう。
この世界は魔法を使える生き物が大体4割、全く魔法に縁のない生き物が6割くらいの割合で構成されている。この魔法を使える生き物のうち、人間の割合は?となると更に少なくなり、4割中の1割にも満たない数が人間で魔法に縁があるものの数である。
そして、この魔法特性は遺伝的なものではなく、突然変異として出現する類いのもので、魔法使いが一族から出たからといっても、縁戚者にも魔法使いが出るというものではない。
この世界では、突然変異で出現するということが魔法特性を持つものの自由を守ってもいて、魔法使いを従えようとか、魔法特性生物に対して意に反する従属関係を強制することはどの国・地域においても死罪である。
アンはこの中でも原始的な魔法から始まり、魔法のあれこれに精通している大魔法使いの部類の「人間」だ。極めて珍しい、見かけからは想像もつかないほどの魔力を秘めている大魔法使いなのである。
このことを知る人間はほとんどおらず、昔なじみの数名だけがこのことを知っている。その数名もアンと同じような境遇で生活しているので自然とそういった話は守られ、秘密ごととなっている。
アンは実際の年齢を自身でも忘れてしまうほど長く生きている。
むぅかぁコンビと知り合ってからは退屈という感覚を忘れてしまったけれど、それまでは定期的に住まう土地を転々とし、名もすでに覚えていない程度使い捨ててきた。
そんな、自由な魔法使い、考えようによってはとっても不自由かもしれない?大魔法使いアンのお話を始めます。
ロニーさんのお勤め先の名称を変更しました。
よろしくお願いいたします。