このスキルで何ができる?
この世界にはスキルはあるがレベルの概念がない。
どんなスキルがあってどれだけ強くても寝込みに首切られたらもちろん死ぬ。
でもスキルは使えば使うほど能力の強度は上がるし、幅も工夫次第だ。
だから、とりあえず今俺がやるべきことは、スキルを鍛えることだ。
そう思い立ちまずは水の玉を出してみる。
帰路で1、母の前で2、そして今から3・4・5・・・・だるっ!!
なんだこれ、風邪ひいたときみたいに体がだるい。
「無理」
バタン。と音を立てて床に倒れた。
「体痛ぇ」
気づくと布団に寝かされていた。
どうやら水玉出して限界きた後に気絶してその場に倒れこんだらしい。
だるいのは治まってるが、顎が痛い。倒れた拍子に打ったんだろう。
「やっと起きたかい。もう夜だよまったく」
「あ、ごめん母さん、畑仕事」
「いいよ、ごはん食べな」
用意されてた晩御飯を一人食べながら考える。
父と兄はもう明日に備えて寝てしまったらしい。
本当に今んとこ使えねぇな「水使い」。
授かりたてだとしても水玉5個で気絶。コップ一杯分にもならない。
これで何ができる?
飲み水の確保。いや、水筒持つわ。
これをぶつける。ガキのいたずらにしかならん。
となると、鼻と口をふさぐ方向か。
なら明日からやるべきは操作性の向上だな。
使い切って使用量を増やすことも必要だ。
それと一番大事なのは・・・
「明日から寝る前にやろう」
そういって布団に入り、枕元にコップを置いて、また気絶するまで水玉を出した。