異世界に住んでるわけじゃないけれど、自宅で石鹸を作り続けている。
いつもお読みくださり、ありがとうございます
よろしくお願いします
(カセイソーダは劇薬指定薬品です。購入の場合身分証明書と、印鑑が必要です。
薬品が肌に付いた場合、化学火傷をします。化学火傷は炎の火傷より重症度が高いです。
もし、これを読んで石鹸を作ろうと思った方は、よくよく調べてから安全に扱って下さい。)
一部変更致しました。
ご教授ありがとうございます。
本当に助かります。
こう見えて…
あ、見えてはいないですけれど…
実はわたくし、毒物も劇物も取り扱う事が出来ますの。
ザワ……
こんなアホなヤツが…
嘘だろ…アホなやつに…
アホのくせに…
(え、やだ…アホって…みんな、心の声が口から出ちゃってる…)
……
私は自宅で石鹸を作っています。
ずいぶん昔の銀色さんのつれづれに「石鹸を作った」と書いてあるのを読んで、「え?作れるの?作りたい!」と思ったのがきっかけです。
それから石鹸の作り方の本を買い、材料を集め、石鹸を作りました。
廃油石鹸とは異なり、食材レベルの材料で作る石鹸。
市販のオリーブ石鹸とは全く違う。泡そのものが、もこもこと柔らかい。
そして、石鹸の中にオイルを残してあるので、クレンジング機能がありながら、保湿力もある。
友人の旦那さんが私の作った石鹸で頭を洗って数日後、傷んだ頭皮が回復するという、他人の頭で臨床実験済みです。
手作り石鹸の虜になり、ずっと石鹸を作っています。
石鹸の作り方は、オイルと、精製水で溶かしたカセイソーダ、両方の温度を約40度にして合わせ混ぜる。型に流し固める。固まったら型から出して切って一カ月以上乾燥させる。
これは乾燥及び、カセイソーダという強アルカリが使用に問題なくなるまでの時間。
作った日から一カ月以上経ってやっと使える。
スローなライフにも程がある…劇薬の扱い怖いし…
と、思いつつも、ふわふわの泡の使用感が好きで細々と石鹸作りを続けています。
なろうでも、異世界に行っちゃった人が石鹸を作り始めたりしますよね。
そんな時「ソーダはどうした?すんげー科学の知識あるヤツが、異世界に行っちまったな…」と、思います。
きっと、異世界で海藻を燃やしているのでしょう。
カセイソーダ、水酸化ナトリウムともいいますが、ソーダ灰の歴史は古く、エジプトのミイラ作りにも使われていたそうです。
現代においても、レーヨン,セロファン,合成繊維などの製造,染料,香料,医薬などの製造,油脂の精製,紙やパルプの製造,石油,タール油の精製,各種ナトリウム塩の製造,水の軟化,アルカリ蓄電池用電解液,試薬……など広く使用され、工業的に非常に重要な基礎化学品の1つです。
(以下しばらくは、ご存知の方も多いとは思いますが…簡単なおさらいになります。しばしお付き合いください)
石鹸の始まりは、紀元前3000頃、サポーの神殿で供物の焼いた羊からしたたる油と灰が混ざった土を。
同じ頃、メソポタミアでもシュメール人が木の灰と色々な油を混ぜて煮て、石鹸を作り始めていました。
長い間、液体の臭い石鹸が続き、12世紀頃になり、地中海沿岸でオリーブオイルと海藻の灰から固形の石鹸が作られます。
17世紀には、地中海の物資の集積地フランスのマルセイユが石鹸工業の中心地になります。
異世界の石鹸作りは、この辺りなのかもしれません。
18世紀の産業革命以降、ソーダ灰の需要が激増します。
この頃のソーダ灰は、天然の石や、木、海藻を燃やして出来た灰でした。
スペインから海藻灰を輸入していたフランス。
王位継承戦争に破れたことで、スペインからのソーダ灰供給が止まってしまいまいます。
この為、ルイ16世が懸賞金を掛けてソーダの製造法を募ると、フランス王族ルイ・フィリップ2世(オルレアン公)の主治医でもあった科学者ルブランが製造法を見つけます。
ルブランは1790年に工場を設立し、とんでもなく有害廃棄物を吐き出す「ルブラン法」で、ソーダ灰の製造を始めます。
しかし時はフランス革命真っ只中。
パトロンのオルレアン公の処刑、工場の没収、製造法の公表、懸賞金の反故…
何もかも失ったルブランは、自ら命を絶ちました。
そして、この「ルブラン法」はイギリスに渡り、イギリスのあちこちの工場でソーダ灰が大量に製造されます。
先に述べた通り、とんでもなく有害物質を撒き散らすルブラン法。環境、人体へとんでもない害を与えました。
約70年ルブラン法が続きますが、1861年にソルベーによって、アンモニアソーダ法(ソルベー法)が発明されます。(ソルベーはソルベー法で特許を取り、巨万の富を得ます)
その後1890年には、食塩水を電気分解してソーダを作る電解ソーダ法がドイツで工業化され、今ではこちらが世界の主流となっています。
……
お粗末ですが、ざっくりと石鹸、カセイソーダの歴史を説明させていただきました。
異世界へ行った人の知識での石鹸は、たぶん海藻の灰、もしくは石灰で、作られているのではないかと思います。(それか魔法)
私が作っている石鹸は、海藻灰でなく、電解ソーダ法で作られたカセイソーダを使った物になります。
オリーブ石鹸を作るだけなら、オリーブオイルとカセイソーダと精製水があれば良いのですが、泡立ちと泡持ちのよいマルセイユ石鹸を作るなら、パーム油と、ココナッツ油を追加しないといけません。
そしてどうせ作るなら、何か「効能」を欲張りたい。
どうしても欲張りたい。
欲張らないといけないお年頃なのです。
保湿なら、はちみつ、アーモンドパウダー、黒糖、後からオイルや、植物性のバターを追加しても良い。
スクラブなら、小豆を粉末にしたさらしあんで小豆石鹸。
クレイなら、ガッスールやカオリン、沖縄のクチャなど、今ならネットで世界中の「なんとかの泥」取り寄せ放題。
アロエや、牛乳、炭…入れる物で効能が変わる。
オイル自体は、アボカドオイルや、マカダミアナッツオイルを使った物がめちゃくちゃ良い。
「天使はこんな石鹸を使うのではないだろうか…」
みたいな、うっとりふわっふわの泡立ち。
問題はどちらも値段が高いこと。
それなら食べた方が体に良い。
アボカドオイルはオリーブオイルのような匂いがなく、熱に強いので料理にはもってこいです。
石鹸にしないで、おいしく食べましょう。
そして香りつけ。香り選びは楽しいです。
甘い香りにしても良いし、スッキリと薬草系にまとめても良いな。
ローズゼラニウム、ベルガモットや、サイプレス、ティーツリー…安価で効能も充分。
ミントは冬に使うと寒さ倍増しちゃうので夏限定。
石鹸のレシピ本には、必要なエッセンシャルオイルが「〜滴」で表示してある。
ラベンダー精油 125滴
とかね。
まじかー。ポタポタと125滴…待ってられない。
……ここはテキトーでいいか…
ハーブを浸けたオイルを使ったり、乳鉢でゴリゴリとハーブを潰したり…
最近作った石鹸は、マルセイユレシピに、泡持ちを良くするキャスターオイルを加えた生地に、黒糖とクレイを入れベルガモットで香りを付けました。
ベルガモットは、アールグレイの紅茶の香り付けに使われているものです。
黒糖の茶色でミルクティーっぽい色と香りの石鹸になります。
石鹸の乾燥中は、ふんわりとても良い香りに包まれます。
ずっと前に読んだ本がきっかけで、ずっと続けている石鹸作り。
本の影響って凄いですね。
拙い文章、最後までお読みくださりありがとうございました。