表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
菌類研究室の凶刃  作者: 向陽日向
1/5

発生編 密なる室

密室で起きた殺人事件の真相とは――?

発生編、調査編①②、解決編①②の三部構成です。(全体で一万字程度)

短い旅ですが、お楽しみください。

 残暑が去り、秋の風が吹き始めた九月下旬の深夜。

 国立菌類総合研究所の『新島研究室』で一人の男が死んでいる。


 男は研究室の中央に設置された顕微鏡の一台に座り、後頭部から血を流して事切れていた。デスクには多くのシャーレが置かれ、色鮮やかなコロニーを形成している。蓋にはマジックで菌種が細かく書き込まれていた。顕微鏡の対物レンズに直径数センチの穴が空いている。


 同じくらいの穴が男の後頭部にもあった。流れた血は既に固まり、背後に並んだ薬品棚に血が飛び散っている。白衣の背中側にも血がべっとりだった。


 男を取り巻く環境は閉鎖的だった。

 出入口は施錠されている。窓も同様で、割られた形跡はない。外へ通じる秘密の抜け道も皆無である。

 部屋の時計が深夜一時を指し、低い鐘の音が無人の研究室に響いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ