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第97話 秋涼幹部、始動

「何か、居るな。」

秋霖が閉じていた目を開ける。

「地下牢を見て参れ。」

「では私が。」

尚浴が一歩前に出る。

「お前はよい。忍び込んだ時魔法使いをお前の前で引き裂いてくれるわ。」

どんな声をかけられても浴竜の表情が崩れることがなかったが、怒りにも似た気が増した。

「そんなことさせませんよ。」

尚浴はそのまま消えた。

秋霖は笑いながら他の幹部を見る。

「お前たちはどうするのだ?幹部達で殺し合いか?」

「それもいいかもね〜。ま、分かってくれない人たちならしかたないでしょ〜。」

紫端はそういうと片目をつぶって消えた。

それを見て黒雷は首を振り、刀の柄を握った。

「ま、仕方ないな。」

「黒雷、まだかかってゆくのは早いぞ。」

今にも獲物、秋霖に飛び掛ろうとしているまるで黒豹のような男を紫醒が止める。

「さてと、俺も、そろそろ糸鈴の手料理を食べつつ琴の音が聞きたいから行くとするか。」

その隣で霜月が体を伸ばした。

「じゃ、先に行くぞ。」

「頼むぞ。」

紫醒は見送ると、黒雷の背中を押して消えた。

黒雷は残念そうに秋霖を見てから消えた。


大芝の後ろにいた透影がふと足を止めた。

「どうした?」

突然の出来事に大芝が尋ねる。

透影は後ろを振り返ったまま動かない。

何か呪文を唱えているようだった。

「敵が来るのか?」

突然、男が現れた途端、透影の結界が張られた。

「これ、一歩遅かったら俺、ひき肉だったかな。」

「なれば良いのに・・・八鬼殿は早く!ここは私達が!」

透影の声に八鬼と大芝が走り出すと、尚浴と透影は結界の向こうを見つめた。

巨大な黒いものが迫っていた。

「俺がやるから、透影、逃げろ。」

浴竜が透影の耳元で呟く。

透影は浴竜を睨むと、憎しみをこめた。

「私には行く場所がないのだ。城を潰された仕返しだ。」

「行く場所なら、あるだろ?」

透影が不思議そうな目をすると、浴竜は自分の胸を叩いた。

「いつまでも言っていろ。私は男は嫌いだ。」

透影は照れたのか真っ赤な顔をしながら、前に現れた敵を見据えた。

「来るぞ。」

「言われなくても分かっている。」

浴竜は肩をすくめたが、前に現れた者に魔法で攻撃を始めた。


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