§097 ブートキャンプ(後始末)
近所回。
八幡~代々木を知らない人は分かりにくくてすみません。
その場合は、さらっと読み飛ばしてもらえれば m(__)m
7/30 2010年10月に法人が無くなっているとは言え、登場キャラが所属している機関ですのでリアルと混同のないものに変更しました。GAAJ→GIJ
「いやー、始めてみたのは良いけど、ブートキャンプって意外と手間だったな」
「今回はイレギュラーの小麦さんがいたから、そんな感じがしますけど、サイモンさんのチームだけならそうでも無かったんじゃないですか?」
俺達は代々木公園売店の前ではためくディッピンドッツの旗を見ながら、野外音楽堂の裏手へと歩みを進めた。
以前はNHKホールと代々木公園のあいだにあった緩衝帯のような部分は、今ではダンジョンへの通路として整備されていて、井の頭通りへと繋がっている。
おかげでうちの事務所まで、不動産屋時間(大体、80mで1分換算らしい)だと10分もかからない。
「お、小麦さんと言えば……」
俺はメイキングを起動した。
「先輩、歩きメイキングはスマホと一緒で危ないですよ?」
「まだ公園内みたいなもんだし、ちょっとだけ……おお、ちゃんといじれるな」
「孫パーティかつ、距離的に離れてもってことですか?」
「そうだ。単にパーティに登録してあれば大丈夫みたいだな」
「これで、あの事業から私たちはお役御免ですね。……アルスルズの協力があれば」
そう言った俺達の正面から、黒い尻尾が生えてふるふると左右に振られた。
どいつの尻尾かはしらないが――
「あれは報酬を用意しとけよという催促か?」
「みたいですよ」と三好が苦笑した。
井の頭通りをぶらぶらと歩いて、ENEOSの向こうで左に折れる。
並木で目隠しされていて、知ってないと入るのに失敗しそうなGSだ。
「そういや、鳴瀬さんが来られるんですよね?」
「ああ、例のラストページの話をしないといけないし、小麦さんの話もちゃんと聞いておかないといけないからな」
「丁度晩ご飯の時間ですし、どこかへ出ますか?」
「いや、話の内容がアレだから、うちで食べよう」
「へー、久々の先輩ご飯? 成城石井、寄っていきます?」
「いや、魚介だし。一応昨日買っておいたから」
このまままっすぐ行って、螺旋階段の付いた陸橋を渡ると、すぐ24時間営業の成城石井がある。
が、残念ながら鮮魚はみたことがなかった。
「このへん、近くに、あんまりお魚が揃ってないですからね」
八幡の近場のスーパーは、意外と魚介の品揃えがよくない。野菜やお肉の品質は良さそうなものが揃っているのだけれど。場所柄だろうか。
初台のOKや上原のマルエツもそれほどはないし、せいぜいが、上原のオダキューOXくらいだが、電車に乗るなら新宿のデパートでも手間はさほど変わらないのだ。
「魚って、なんです? この季節だと……シロ?」
ビルに挟まれて、まるでそこだけが昭和40年代以前のように切り取られた異質な空間がある。
今でこそ、そこには当時のお店の名残を見せる廃屋のような建物が建っているだけだが、ダンジョンが出来た年には、まだ酒屋が営業していた。
丁度、その隣にある、黄魚というお店の前を通過したとき、三好がタイムリーにそう言った。因みに黄魚は、イシモチのことだ。お店の名前がそれに由来しているかどうかはしらないが。
「バッカ、うちはどこの高級店ですかっての。てか、シロアマダイが小売りされてるのって、小さいのはともかく、あんまり見たこと無いぞ」
「大きさがあれば、アカでもおなじくらい美味しいですけど、アカはどっちかというと秋から初冬といった印象が……じゃあ、ホウボウ?」
「40cmを越えるようなのは美味しいよな。高いけど。こっちは時々デパチカの魚屋で売ってる」
「つまり違うってことですね……うーん、マナガツオ!」
「それって、夏の魚って言う印象が強いだろ。あんまり白身の魚がない時期に、いろんなお店が瀬戸内産を使うから」
「美味しいのは冬って気がしますけど」
「南の方のやつはそのとおりだけど、冬は白身のバリエーションに溢れてるから、お店であまり使われないよな」
「ええー。じゃなんです?」
「サバだ」
「サバ?」
「そう」
「女性を二人誘ってのメインディッシュにサバ? って、なにかこう、斬新ですね」
「ええ? だって三好と鳴瀬さんだぞ?」
「なにか失礼なことを言われたような気が……まあ、美味しい時期のサバが美味しいのは知ってますけど、レストランなんかだと売り上げが立たないそうですよ」
「へー」
「わざわざフレンチやイタリアンに足を運んで、メインにサバが出てくるとガッカリしちゃう人が多いらしくって」
「高価なサバは高価なんだけど、どちらかというと大衆魚ってイメージが強いからかな?」
「ですよね」
確かにコースの魚は白身、この時期なら、アマダイやキンキ、それにハタの類が多いだろう。
「実際、ご飯に塩サバなんて最強の組み合わせだと思うけど、居酒屋や定食屋以外じゃ出しにくいもんな」
「ノルウェー産とか、無駄に油がのってて美味しいですよね。焼くと、使った器具と台所がサバの匂いで汚染されて、なかなか除去できないのがあれですけど」
その先のマルマンで、いくつかの食材を買い足した俺達は、その後すぐ事務所へと着いた。
「あ、お帰りなさい」
事務所に戻ると、先に鳴瀬さんが来ていた。
「どうも、お疲れ様です。もうご飯は食べられました?」
「いえ、まだですけど」
「じゃあ、ご一緒にいかがです? 大したものは作れませんけど、簡単にイタリアンでも」
「え? 芳村さんが作られるんですか?」
「先輩は、意外と料理上手なんですよ」
「意外とってなんだよ。これでも自炊歴は長いぞ。食専のキミとは違うのだよ、キミとは」
「ほほう。じゃ、たまの朝食も、お茶も不要ですね」
「グフっ……いや、それはいる」
それを聞いた三好が、「ざっくり行って、先輩のギャグはわかりにくすぎますよ」と呆れていた。
お前の返しもも大差ないだろ。
鳴瀬さんは、俺達のやりとりを生暖かい目で見守っていたが、一連のやりとりが終わったのを見計らって、「じゃあご馳走になります」と言った。
事務所のダイニングにはカウンターがあって、料理をしながら話も出来る。
三好の趣味だけあって、非常に使いやすく作られていた。自分では簡単な料理しか作らないくせになぁ……
おれは水を満たした寸胴鍋をコンロにかけると、パントリーから玉葱を取り出した。
「はい、ここに取り出しましたのは新玉葱」
「先輩。新玉葱って春先ですよ? 今1月ですけど」
確かにレストランで新玉葱の料理が出るのは早くても2月。普通は3月以降だろう。
「いやいや、三好君。例えば愛媛の愛南町あたりで作られてるハートオニオンの出荷は11月だぞ?」
俺は玉葱を、1cmくらいの幅で輪切りにしながらそう言った。
「11月に新玉葱の料理が出てきたら驚きますね」
「だろ? 料理にはサプライズが必要だからな」
「でも、それって美味しいんですか?」
「……さて、これを耐熱皿に並べたら、1%の塩水でひたひたにして、オリーブオイルをまわしかけ、でもって、乾燥オレガノを振りかけたらオーブンへ」
俺はそれを手早く温めておいたオーブンへ突っ込んだ。
「先輩?」
「少なくともこれは美味いぞ。愛知のたま坊だ。出始めだから葉っぱ付き」
たま坊は、最初の1ヶ月くらいは葉っぱが付いた状態で出荷される。
俺は切り落とした葉っぱを持って、某ボーカロイドキャラのようにそれを振りながら言った。
そして、小皿に生で1cmくらいに切ったものを乗せて二人に差し出した。
「へぇ、甘いんですね。癖もないし」
「確かに美味しいですけど、先輩、ハートオニオンは?」
「すみません。食べたことがありません。だってこの辺で見かけないんだもん」
三好の執拗な攻撃に膝を屈した俺は、ごめんなさいとぺこぺこお辞儀をしておいた。
「イタリアの赤玉葱は小ぶりで甘みが強いから、日本だと新玉葱に置き換えると美味しくできるものが多いんだよ」
オーブンを覗くと、玉葱が透き通ってきた。火が通った証拠だ。
それをさっと取り出し、器に盛って、ゆで汁とオリーブオイルをまわしかけたらおしまい。今日はゲストが二人もいるから、イタリアンパセリも散らした。
「え、それだけ?」
「そ、それだけ。料理が出来るまで、それ喰ってろ」
「おー、なんていうか、肉なしのポトフというか……でも純粋に玉葱の味を楽しむなら、こういうのもいいですね」
三好がいそいそとセラーに向かい、中を覗き込んでいた。
俺はパスタの具と、セコンドにするつもりの鯖の下ごしらえをしながら、鳴瀬さんに言った。
「で、鳴瀬さん。例の最終ページの件ですが……」
俺は、サイモンとした話をかいつまんで説明した。
色々と考えたのだが、結局、サイモンの独り言部分を除いて、ザ・リングの探索も含め全てを話した。
彼女は、その間何も言わずに、俺の説明を聞いていたが、三好が用意した白ワイン――オーストラリア産の蜜感の強いタイプの白だった、を一口飲んでから、「そうですよね」と言った。
「さすがにあれを公開するのは、躊躇しますよね」
「ねつ造扱いされることは確実ですからねー」
三好はそう言いながら、俺のグラスにワインをついだ。
それを味見した俺は、カラスミかトビコでもあれば、その玉葱にかけてやりたいところだなと思った。
沸騰した寸胴鍋のお湯に塩を入れる。パスタを茹でるときの塩分濃度は1%が基本だ。
塩水で茹でる意味はいろいろと言われているが、結局はパスタ本体に下味をつけて、小麦の風味を引き出すのが目的だと思う。
「というわけで、ラストページの公開は控えようと、三好と話をしたんです。鳴瀬さんもそれで?」
「かまいません。というより最初に公開していいのかって、ご相談したのは私ですし」
「でしたね」
九十九里産の蛤は、他と違って美味しい時期が晩冬から初春にかけてだ。今はその走りだろう。
雪平鍋に洗った蛤を入れると、水を適量入れて火に掛けた。
コトコトと煮て、口が開いたところで、身を取り出し、半分は戻してそのまま出汁の素になっていただこう。ついでに四角く切った昆布も投入しておいた。
「そうだ。小麦さんって一体何者なんですか? GIJがどうとか言ってましたけど」
俺は、ヴォイエロの NO.103 を手にとって、そう聞いた。いや、なんとなく小麦繋がりで思い出したのだ。
ともあれ、今日のソースにブロンズダイスはやめとくか、と、ブイトーニのNo.71に変更して湯の中へ投入した。(*1)
以前はお手軽パスタの双璧(俺的心証)は、つるつるのブイトーニ、ざらざらのディ・チェコだったのだが、ネスレ撤退以降ブイトーニの供給が不安定でこまる。
結局ディ・チェコが一番使用頻度の高いパスタになっている。ヤスウマで。
「あの方は、GIJのマニアックと呼ばれる、FGAのディプロマも、GIAのGGも取得(*2)されている鑑定士さんですよ」
GIJは、日本宝石学研究所の略称で、特にカラーストーンの鑑別で評価の高い、日本3大鑑定機関の一角らしい。
残りの二つ(CGL/中央宝石研究所とAGTジェムラボラトリー)は、主にダイア鑑定を行っている。
「マニアック?」
そらまた、酷い名称だな。
しかし、あの尋常でない20層以降への入れ込みを見ていると、なんとなく分かる気がする。
「GIJさんはJDAの委託先で、国内のダンジョンから出た宝石のうちカラーストーンっぽいものを主に鑑定していただいているのですが、実は先日通達というかお願いが届きまして……」
「はぁ」
「うちのエースが、全然仕事をしないでふらふらしていると」
「なんでそんな話が、JDAに?」
「それが、ぼんやりしながら、ダンジョン……ダンジョン……と呟いているとか」
怖いな、そりゃ。まさしくホラーだ。
『怪奇! ダンジョンにとりつかれた女!』なんてテロップが目に見えるようだ。
「それで、よくよく話を聞いてみると、ダンジョンに潜って鉱石を見つけたいというか見てみたいというか、そういう強い希望があったらしいんですが、誰もその具体的な方法を教えてくれなかったとかで……」
「目的意識が暴走したと」
「そういうことのようです」
「それがどうして、マイニングの使用候補筆頭に?」
フライパンにオリーブオイルとニンニクと鷹の爪を入れて弱火にかけ、途中で鷹の爪を取り出す。
「マイニングは、ダンジョンから鉱石を取り出すアイテムですけど、所詮1つでは本格的な採掘が行えるわけでもありませんし、商業的な意味はありません」
「そうですね」
「ですから、トップエンドの探索者に渡して、ひたすら下層に向かって調査して貰おうという意見が出ました」
「尤もだと思いますけど」
「しかし、特に鉱物自体に興味のない現在のトップエンドの探索者は、高価な鉱物が出る層が発見されたら、そこから進まなかったり、安い鉱物層だと詳細な調査を行わないんじゃないかという恐れがあったりするんです」
まあ通り一遍の調査を行って、高額な鉱物が出る層で延々狩りを繰り返すというのは想像に難くない。
そもそもプロ探索者って、お金儲けが本来の目的だし。
「そこで、鉱物の専門家に渡して、より詳細な調査を行いたいという意見が出されました」
ところが、探索者に鉱物の専門家がいなかったらしい。
そんな中、タイミング良くGIJの要請が行われ、タイミング良くブートキャンプが行われたわけだ。
フライパンにひまわり油を加えて加熱し、ゆであがったパスタと別途さっと茹でた菜の花、それに煮詰めた蛤出汁と蛤をフライパンに投入し、激しくかき混ぜることで乳化させる。
ひまわり油は基本的に無味無臭だし、乳化しやすいので、エマルジョン用のオイルとしてはお薦めだ。なにしろ初心者でも乳化に失敗しない、ここ重要。テストには出ないが。
そうして、クリスマス島の塩で味を調整したら完成だ。
「それにしたって、ダンジョン経験ゼロの初心者をうちに連れてこられても……」
二人にパスタの皿を配りながら、さりげなく文句を言ってみた。
「だって、切っ掛けは、Dパワーズさんのベニトアイトですよ? そこは責任をとっていただこうかなーなんて」
「いや、責任て……」
鳴瀬さんは、クルクルとフォークで撒いたパスタを頬張ると、満足そうに微笑んだ。
「冗談はともかく、オープンな環境で探索者の育成事業なんてやってるところは、Dパワーズさんしかありませんし――」
鳴瀬さんは、ミネラルウォーターを手にとって飲んだ。
確かにさっきのオーストラリア産だと、ソースがワインに負けそうだ。
「――JDAにとってみれば、小麦さんが使い物になるなら渡りに船だし、そうでなくてもGIJへの義理は果たせて万々歳と言ったところですから」
俺も自分のパスタを口に入れる。
小麦の風味に、蛤の旨味がじわりと加わって、もうすぐ来る春を先取りしていた。
菜の花と蛤は、鉄板の組み合わせだよな。
「んー、先輩。スッキリした日本酒が合いそうですねぇ」
「いや、せめてワインから選べよ」
「申し訳程度にエマルジョンしてますけど、ニンニクがなければ、どう見ても和食の椀ですよ、これ」
「さいで」
パスタもつるつるだしなぁ。味の組み合わせはまさにその通り。
「それで、彼女はどうでしたか?」
「うーん。謎のやる気だけは凄かったですよ。実際集中力は並じゃありませんでしたし」
「マニアックの面目躍如ってことでしょうか」
「一応、うちの契約探索者と一緒にしばらくの間育成することにしました」
「契約探索者?」
「ああ、実はですね」
そこで俺達は、Dパワーズが以前考えていたよりも、少し積極的にダンジョン攻略に力を入れることにしたことを鳴瀬さんに説明した。
「つまり間接的な探索者支援というよりも、直接的に探索者を育成して送り出す感じですか?」
「まあ、いい人がいれば。とはいえこれも成り行きなんですけど」
「本来なら、それもJDAあたりのお仕事なんですけどねぇ……」
鳴瀬さんは、少しお酒が回ってきたのか、いつもより気楽で饒舌になっていた。
JDAはJDAで、いろいろな圧力や人間模様が展開しているようで、そのあたりの愚痴っぽい内容も、僅かとはいえ、こぼれだしていた。
俺は最後の皿になる、フェンネルを挟み小麦粉をまぶした鯖の身を、フライパンに入れた。
表面に火を通したら、ブラッドオレンジのジュースと赤ワインで煮るのだ。最後にオレンジマーマレードを追加して、塩胡椒で味を調えると、甘酸っぱい鯖のムニエルっぽい仕上がりになる。
「先輩、アニスだのフェンネルだのは、向こうの方はお好きですけど、日本人はどうですかねぇ……」
「イタリアで青魚の癖といえばフェンネルが定番だけどな」
「アニスやフェンネルの香りの主成分は、アネトールですよ」
「何だよ突然」
「それだけでも姉が奪われそうな名称ですけど、横文字にしたら、anethole ですからね、先輩。アネット、または姉の穴――」
俺は、三好の頭にチョップをくらわせた。
「あうっ!」
「変なところで切って、変な翻訳をするんじゃない。そんな下品な子に育てた覚えはありませんよ!」
「酷いですね。先輩は、かーちゃんですか……」
「そう言いながらウゾ(*3)なんか引っ張り出してきてどうするんだよ」
「え、トニックで割ったら、それにあわないかなーと」
「あうかな?」
「炭酸が良いですかね?」
「どっちもやってみたらどうでしょー?」と良い感じに酔いが回ってきている鳴瀬さんが陽気に言った。
そうして記念すべき第1回のダンジョンブートキャンプの夜は、和やかに過ぎていったのだ。
*1) ヴォイエロ、ディ・チェコ、ブイトーニ
パスタメーカーの名前。
ダイスは、パスタを絞り出すための穴が沢山開いた板みたいなもの。材質によってパスタの質感が変わる。一般にブロンズだとざらざらに、テフロンだとツルツルになる。
前2社が、ブロンズダイスを使用する。できあがったパスタは表面がざらざらになり、ソースを吸いやすくなる。
後1社は、テフロンダイスを使用するため、パスタ表面がツルツルになり、舌触りがよくなる。
no.はどれもその社で1.6mm前後の太さのものを表している。
*2) 鑑定士資格
FGAのディプロマは、英国宝石学協会の宝石鑑別士の資格。
GIA GGは、米国宝石学協会のGG|(Graduate Gemologist)の資格。
どちらも世界的に認められている。普通は片方で充分。
どちらも取得に200万円以上かかるのは、流石に宝石ってことだろうか。
*3) ウゾ
ウーゾとも。ギリシアやキプロスで作られる蒸留酒。
所謂薬草酒の一種で、葡萄由来(最近は穀物由来も多い)の蒸留酒から造られる、アニスを中心とした香りのリキュール。薬草酒の中では飲みやすい方だと言われている。
一般に北部のものは辛口で、南部のものは甘口になる。三好が取り出したのは、たぶん南部の甘口で、フェンネルのニュアンスも強いもの。