§197 SMD 3/16 (sat)
そのサイトは、あまりのクレージーさと面白さと、ついでに下種な興味本位で、公開されるや否や、あっという間に話題になった。
twitterのトレンドには、「#国会議員ランキング」が上位に居座り続け、数値がとびぬけて高かったり低かったりする人物の値は引用され続けた。
それは、井部総理の不安が現実になった瞬間だった。
「なんだ、これ?」
「端的に言うと、国会議員のステータスを片っ端から計測して、それを一覧にしたサイトですね」
「はー、いろんなことを試す奴がいるなぁ。国会議員って思ったよりDカード所有率が高いんだな」
そのリストをスクロールしながら、「N/A」の文字が意外と少ないことに驚いていた。
N/Aは、not availableの略で、使用不能という意味に使われる。SMDのN/A表記は、ステータスが取得できなかった、つまりDカードを所有していないという意味だ。
未計測を除けば、その数は全体の数パーセント程度だろうか。さすがに現役でダンジョンに潜っている議員はいないだろうが。
「スキルオーブのために準備しておくってやつですよ。ダンジョンができてしばらくしてから流行ったでしょう? ポーションも効きが違うという話がありますし」
「そういや、三好もそのころのツアーで取得したんだっけ?」
「そうです。まあ、言ってみれば保険みたいなものでしょうね」
「保険ね」
俺は、そのリストを最後まで見て、彼女にタブレットを返した。
「しかし、SMDの出荷が開始されたのは12日だろ? 仮に翌日受け取ったんだとしても、どうやってたった二日か三日でこれを作成したんだろう? やる気に満ち溢れてて凄いな」
「そんなの、マスコミ関係者ならインタビューを装って近づいて計測するくらいのことはできますよ。もっともこれが、やる気と悪意に満ち溢れてるってのは確かですね」
「悪意?」
「先輩……以前から話題にしてましたけど、ステータスって人間の能力の数値化なんですよ?」
三好が事の重大性を分かっていないとばかりに、腰に手を当てた。
「しかも、スカウターみたいに、『戦闘力』なんてどうでもいい数字じゃなくて、それなりに意味のありそうな複数の数値がゲームのように並んでいるわけです」
「いや、戦闘力は結構重要だろ」
「このサイトは、議員の先生方の能力を数値化して一覧にしちゃったんですよ? ヘタをしなくても、絶対に選挙に影響しますって、これ」
今年の夏には、参議院議員通常選挙がある。それがステータス選挙なんてことになったら……いや、それはそれで、ちょっと面白いかな。
「政治への適正とか思想、それに人間性はステータスじゃ測れないだろ?」
「先輩。この際正論はどうでもいいんですよ。例えば、非常に優れた考え方を持ったINTが5の人間と、思想が全然ダメダメなINTが12の人間がいたとして、客観的に数値を見せられた後じゃ、後者が圧倒的に有利ですよ」
そりゃまあ、人間性なんて深く付き合ってみなければ分からない。というより、深く付き合っても分からない。
だから今までの選挙は、せめて知らない人よりも知っている人が有利と言う程度の根拠で、どぶ板と言われる手段が、まがりなりにも有効だったわけだ。
「どぶ板で握手しまくったところで、一度付いたおバカってイメージは、簡単にはぬぐえませんよ」
「いや、おバカって……お前な」
「もちろん現実は違うでしょうけど、一般の人は、低INT=バカだと認識しますよ、絶対」
確かに、悪しざまに低INTを指摘されても笑い飛ばせるような政治家は、そう多くはないだろう。
故田中角栄なら、『わしゃ中卒だからな!』(*1)で笑い飛ばしてしまうだろうが、現在そんな政治家は皆無に等しい。
「にこにこと握手をしながら、でもこいつバカだからなと、有権者に見下される未来が見えるようです」
「ステータスとは関係なく、自分の政策をアピールすればいいじゃん。本来選挙ってそういうもんだろ?」
「そんな人ほとんどいませんって。政策っぽい妄想を垂れ流している人は一杯いますけど。どうやって実現するのかって問いに、『これからみんなで話し合って』とか言いだすんですよ? じゃ、議員はあなたじゃなくてもいいですよねって言いたくなりませんか?」
「そりゃまあ、自分なりの解決方法を考えてから、それを実現するために立候補してほしいとは思うけどな」
それが支持されるなら当選するだろうし、支持されないなら当選しないだろう。本来はただそれだけのことなのだ。
「それに、高INTといっても、普通の人間レベルじゃ、パターンを認識する能力に優れていたり、判断する速度に優れていたり、記憶力に優れていたりするだけだし、IQと同じで、知的活動に少し有利になる程度のものだろ?」
もっとも、あっという間に外国語を話せるようになった御劔さんを見ても分かるとおり、とびぬけてしまえば馬鹿にできないほど違うし、他のステータス、例えばDEXと同時にとびぬければ、斎藤さんの弓やピアノのように信じられないことを引き起こすこともできる。
だが、それでも所詮はハードウェアの話だから、学ぶ努力をしなければなんの意味もないはずだ。一応、魔法とMPのこともあるが、そこは普通の人間にはあまり関係のない領域だ。
「多少は有利でしょうけど、知識とは関係ありませんし、経験の方がはるかに重要なのは確かですけど」
しかし、どう見てもバカじゃないの、この人。っていう議員のINTが低かったりしたら、ああやっぱりねと納得感があるだろう。
しかも、あんなバカを支持しているなんて、あなたもバカなの? みたいな中傷まがいの話だって飛び出しかねない。
口には出さなくとも、ナチュラルに見下してしまう可能性は高いし、逆に高INTだと、ああ、やっぱりこの人は賢いんだと、支持が得られる可能性もあるだろう。
「みんな偏差値とか大好きだからな。自分の以外は」
「ゆとり教育で批判されましたけど」
「あれもなぁ……」
日教組が提案していた本来の姿は「ゆとりある学校」なのだ。つまり休みをもっとよこせということだ。
それがいつの間にか、画一化から個別化への転換を図るなんてことになって、今では、全人的な生きる力の育成だ。もはや何を言っているのかすらよくわからない、まるで言葉遊びのようだ。
実際国民の教育水準をある一定ライン以上に引き上げるという目的は達成しているのだから、次は、とびぬけた才能を潰さないようにすくい上げるということが重要なのであって、それは全員の個性を伸ばす教育を行うと言うこととは違う。
個性豊かになどと言ったところで、全員に対してそれができる先生などいない。なぜなら義務教育における先生の能力自体が、すべての生徒の個性に合わせて傑出したりはしていないからだ。そもそもそんな超人めいた人間は普通いない。
またそんなカリキュラムを作ることもできはしない。なぜなら個性というものは千差万別だからだ。だから全人的な生きる力の育成なんて、よくわからない言葉に行きつくのだ。
一人一人の子供に合わせた教育などというものは、耳触りが良くて素晴らしいが、はたしてそれが学校教育と言えるのかどうかは難しい問題だ。個性に合わせた家庭教師でも雇わない限り、それは永遠に達成できないだろう。
考えても見てほしい。どんなに個性を豊かに育てる教育などと言ったところで、義務教育だけを受けていてプロの演奏家はまず育たない。かといって、生徒全員にプロの演奏家を育てるための教育を施してみることなどできはしないし、それを教えることのできる教師はまずいないだろう。
個性を伸ばすという名のもとに、学校教育を混乱させ、子供を迷走させているだけなのかもしれないと感じた人間がいたとしても、詰め込み教育と言う名のレッテルがそれを言葉にすることを許さない。
誰も他人の子供の教育のために、社会的な生命をかけたりはしないのだ。長いものには巻かれろ。それは十分理にかなった戦術だ。
「今年の夏は、選挙ポスターにステータスを書くのがはやるかもなぁ」
「先輩、なんでそんなに暢気なんですか」
「だって政治家の話だし」
「だからですよ。ステータスが個人情報として規制されちゃいませんか、これ」
自分たちの話だから動きが速いってか?
「個人情報保護法の見直しに含まれないかと言う意味なら、含まれるかもな。だけど俺達って、個人情報取扱事業者にあたるのか?」
3年毎に見直されることが明示されている個人情報保護法の、次の見直しは2021年だ。含まれるとしたら普通はそこだろう。
「収集された計測データを事業に用いていませんから、今のところはあたらないと思いますけど」
「なら、面倒はないさ。それに議員って公人だろ?」
「ええ、まあ」
「だから、このリストは、適法ってことになる可能性が高いよ」
今までの解釈がそのまま適用されるとするなら、国会議員は公人だから、そのステータスは有権者が投票するかどうかの判断として有用だという理由で、プライバシーよりも公表が優先されるってところに落ち着くはずだ。
「そのへんって、裁判官の胸先三寸的なところがありませんか?」
「明文化されているわけじゃないからなぁ。これが猥雑問題なら、四畳半襖の下張事件よろしく『社会通念に照らして』で済んでしまうかもしれないが、そういう訳でもない。ただ、そうなる可能性が高い程度の話だな。それより喫緊の問題は学校じゃないのか?」
「学校?」
「ほら、これを見た生徒がSMDを手に入れたら、絶対先生たちを計測をしまくるぞ」
後は分かるだろと肩をすくめた俺を見て、三好は頭痛をこらえるように額を抑えた。
「それって、試験のテレパシーに引き続いて、教育現場が崩壊する危機じゃないですか……」
「このリストを見るまで、はっきりとは意識しなかったけどな」
もっともこれが問題になるのは、数値が著しく低い教師だけだ。
今までの経験からすると、高等教育を受けた人間は、それなりにINTが高い傾向があった。
ステータスをハードウェアの数値に例えたけれど、それは人間の経験そのものも取り込んでいるように思える。だから、普通に大学を卒業して数年程度の教員のINTは期待通りにある程度高い可能性はあるだろう。
「自分たちの先生を計測して、あげくに、『先生、僕よりも低いINTで、何を教えていただけるって言うんです?』みたいな生徒が出てきませんか?」
成人の標準的な値が10だとしても、それが人生のどの時点で10に到達するのかはよくわからない。
高校生くらいで成人の値に到達するとしたら、ステータスが教師を越えている可能性もないとは言えないだろう。
「若者は勘違いするからなぁ」
「先輩、おっさんくさいですよ」
「やかましい」
実際、これは、人間の評価に新しい軸が加わったというよりは、与えられる情報が、より詳細になったというべきだ。
とは言え、曖昧なところのない数値には反発も出るだろう。冷静に考えれば、それらはすべて曖昧なだけで今までにも存在していたことばかりなのだが。
「例えば、力が必要な仕事に、小柄でひ弱そうな男と、大柄でみるからに力が強そうな男が応募してきたら、後者を採用するだろ?」
「それはまあ」
「それをSTRという数値で目に見えるようにしただけじゃないか。もしかしたら、小柄な男の方が力が強いかもしれないぞ? 雇用者はより適性のある人間を採用できる」
面接官が便利だという理由でステータスしか見なくなったりする弊害はあるかもしれないが、それは面接官側に問題があるのであって、ステータスが見えることに問題があるわけではない。
「そのうち、新入社員を受け入れるのに、INT12以上なんて条件が付き始めませんか?」
「数字があるから生々しいけどさ、それって、『大卒』なんて条件と何が違うんだ?」
「そう言われればそうですけど」
いずれにしても、問題は俺たちの手の届かない所へ行ってしまったのだ。
後は社会が、それにどう反応するのかを眺めているしかないだろう。
「こりゃ、ステータスの偽装サービスを始めたら、超儲かりそうですね」
三好が冗談めかしてそう言ったが、そんな商売をやる気はないだろう。
個人情報取扱事業者になると面倒だし、そもそもそんなことができると分かったら、SMDに対して偽装している俺たちのステータスも疑われかねないのだ。
「やばい場所には足を踏み入れないのが一番だぞ」
「分かってますよ」
「やるとしたら、計測を拒否するなにかとかかな。軍に需要がありそうだ」
それにステータスの何かが法で規制されるようなことになれば、そう言ったものが開発元に要求されることは想像に難くない。
リスクを減らしておくと言う観点からはアリだろう。
「それならありますよ」
「へ?」
「ジャマー信号みたいなものですよね?」
「ああ、まあそうだけど」
「実際のところは単に外部からの信号を拾うようにしてあるってだけで、言ってみれば拡張機能用に用意したものなんですけどね」
「その拾った信号をもとに、サーバー側でいろんな処理をしようってことか」
「そうです、そうです――はっ」
三好は何かを思い出したかのように言葉を打ち切ると、突然どや顔になって言った。
「ごほんっ。こーんなこともあろうかと!」
その大根役者ぶりに、思わず吹き出しかけたが、ここは武士の情けだ乗ってやろう。
「そ、それは、科学者たるもの、一度は言ってみたいセリフシリーズNo.1のフレーズ!!」
「あざーす」
「実際、俺も一度くらいは言ってみたい」
「ミーハーですね」
「わざわざ咳払いして言い直したお前に言われるとは……」
「まあまあ、で、これです」
三好が取り出したのは、2センチ~3センチくらいの薄い正方形をした物体だった。
「なにそれ?」
「これは、サーバーにアクセスして、特定の周波数を確認後、その電波を発生する装置ですよ」
「電波? 免許とか大丈夫なのか?」
「無線設備から3メートル距離での電界強度が一定以下の場合は、どんな周波数帯でも不要です。SMDの計測範囲なら微弱電波で楽勝ですし」(*2)
「ははぁ、つまりその電波をSMDで拾うわけか」
「です。つまりこれを利用すれば、SMD-DENY(エスエムディ・ディナイ)が作れちゃうわけですよ!」
SMDを拒否するってことか。三好にしては、割とまともなネーミングだな。
「『SMDで覗くなYO』の略です!」
「……感心して損したぜ」
SMD DE Nozokuna Yo ってことかYO!
「なんです?」
「いや、なんでも。で、その周波数を感知した場合、たとえステータスが算出されていたとしても、その値をSMDに返さないってことだな?」
「単純に言うとそういうことです」
実際にはサーバーで指定された搬送波に変調して情報を乗せたりするのだろうが、原理は同じだ。
サーバーにアクセスして送る信号を取得するってことは、その情報が逐次変化すると言うことだろう。
「海賊版は許さないぞってこと?」
「そうですね、できれば年間契約とかで、継続しないと1年で効果が切れるってシステムにするつもりだったんです」
「SMDだって、何年目かからは有料だろ? サーバー側で維持費がかかる以上、仕方がないだろ、それは」
「問題はですね、この仕組み上、他社が独自のSMDクローンを作ったら意味がなくなっちゃうんですよ、これ……」
信号を感知してサーバー側で、いろいろな処理をするのだから当たり前だが、サーバーを自前で作成したメーカーの製品では機能が有効になるはずはないのだ。
「作れるかな?」
「そりゃもう。ものすごく効率は落ちますけど、うちのSMDがあれば計測は出来るわけですから」
「私たちは、翠先輩のところの計測装置と、先輩と言う可変の計測元があったから比較的簡単でしたけれど、都合のいい測定元がない他のメーカーは、帰納的に情報を集めなければなりません。これは目茶苦茶大変ですよ」
都合よく、すべてのステータスを持った人たちが集まればなんとかなるかもしれないが、適当なチョイスだと、圧倒的に中央値付近に偏るだろうからなぁ……
ステータスが低い子供を利用しようにも、そういう子供たちにDカードを取得させるのはかなり大変だろう。
「だから、SMDーPROと長い時間と信じがたいほどの根気があれば、作れないことはないと思いますよ。先にうちのサーバーへのAPIを公開して妨害するという手もありますが――」
「商業的なものならともかく、軍事的なものの根本を他社に任せるはずがない、か」
「そういうことです。もちろん特許には引っかかるでしょうけど」
「勝手に使われたとしたら、うちのDENYでは測定を邪魔できないってことだな」
三好はそれを肯定するように頷いた。
そうしてそれが一番まずいのは、俺たちのステータスが計測されたときだろう。
だが――
「まあ最終的にばれたらばれたで仕方がない、で済んじゃうだろ」
「え?」
「〈収納庫〉や〈保管庫〉と違って、ばれてもスゲーでおしまいだろ? 密輸や窃盗を疑われたりはしないから、生活するのに大きく困ることはないさ」
「……考えてみればそうかもしれません」
俺たちがステータスを偽装していたのがばれた場合、少々物議をかもす可能性があるが、他の人間で偽装を行っていないから大した問題には発展しないだろう。
技術的に可能だと言うだけで、実際に他社のSMDで比べたところで値が大きく違う人間は、俺たち以外にはいないのだ。
「前も話したが、結局俺たちの秘密でばれたらまずいのは、アイテムボックス系のスキルだけなんだよ」
「後は、先輩の?」
「まあ、メイキングは特殊だからな。外部からはバレようがない」
実際何ができるのかは、俺たち自身にもよくわからないところがあるくらいだし。
「それはそうですけど」
「いずれにしてもDENYは早めに用意しておいた方がいいな」
「え? 早速ですか?」
「考えても見ろよ。さすがに小学校の教員がそんな目にあうとは思えないが、文科省の情報だと、中高の教員だけで大体50万人いるんだぞ」
小学校まで入れると90万人以上になる。
「そいつらが全員欲しがったとしたら――」
「Dカードチェッカーの悪夢再びですね」
三好は早速、どこかへ電話していた。おそらく中島さんのところだろう。
電話の向こうから、悲鳴めいた音が聞こえたが、きっと気のせいに違いない。
◇◇◇◇◇◇◇◇
そのころ、各新聞社やTV局の報道部では、どこでも同じような会話が行われていた。
「これ、ネタとしては面白いんですけどね」
「やめとけ。野党の顔みたいな議員のパラメータとか、シャレにならんよ。これが与党の重鎮なら、どんどん突っ込めって指示が来るかもしれないが……」
ステータスは、あくまでも経験をもとにしたハードウェアとしての基本能力を示すものであって、思想や考え方などの言ってみればソフトウェアの能力を示すものではないことは発表されていた。
100メートルを走るにしても、そこには培った技術があるわけで、必ずしも数値の高い人間が優れた記録を叩きだしているというわけではないのだ。
そのリストには、平均的な成人の数値と思われる値が正規分布に近い形で並んでいた。それはつまり14の人間がいれば6の人間もいるということだ。
今のところ1ポイントがどの程度の違いを表すのか、数値の増加はリニアとみなしていいのか、それらについてはまったく分からないが、数値の多いほうが優れていて、少ないほうが劣っていると考えるのは世の常だ。
「持ちあげたい高ポイントの人間を取り上げるのも、貶めたい低ポイントの人間を取り上げるのも等しくNGだ」
各社には一様にそう通達されていた。
これを話題に取り上げるということは、そのリストに興味を持つ人間を増やすということで、つまりは、低ポイントの議員たちを困らせるということだ。そうしてそこには、困らせてはいけない人たちが大勢含まれていたのだ。
しかし、昔と違って情報の本流はネットにあった。
結局、誰が作成したのかわからないこのリストは、圧倒的な力を持って、各議員の進退にまで大きな影響力を行使し始めた。
そうしてそれは、あらゆる権威のステータスを測定するという『遊び』へとつながり、大きなうねりとなって行った。
*1) 故田中角栄
本人が高等小学校卒であることを売りにしたこともある政治家。
旧制中学校は、現在の高校にあたるため、現在の中学卒と言うことになる。
*2) 最近は、微弱無線設備登録制度というのができています。
あくまでもJAAMA(全国自動車用品工業会)やEMCC(電波環境協議会)の自主的な取り組みで、微弱無線設備の技術基準に適合している場合には、ELPマーク(微弱無線適合マーク)というものを表示することができます。