今日は休みだそうです③
「はい! ではご入場~!」
俺はクルーナの合図で、俺は階段を下り、その姿を露にする。
すると、後輩はまじまじと俺を見つめる。
「んー、先輩?」
「何だよ?」
俺は少し恥ずかしがりながら強ばった声でそう言う。
「先輩って普通にイケメンですよね?」
何かを発見したような顔でそう言った。
いきなりどうした。
「突然どうしちゃったんだよ」
「いえ、ただそう思っただけですよ」
「でも確かに、顔立ちは結構整ってるよねぇ」
クルーナが後輩の後ろから現れた。
よく見ると尻尾が激しく揺れている。何を楽しがってるのやら。
「俺ってそんな変か? てかそんなに言うならお前も見せてみろよ」
「えぇ? 先輩そんなに見たいですか? あんまりこういうの面白くありませんよ?」
「構わないから。はよ行け」
みらのは渋々とクルーナと一緒に服を見に行った。
「ではでは、ご入場~!」
「うぅ、だから面白くないって言ったのに……」
みらのは嫌がりながらも自分の姿を見せた。
だが、その姿はみらのの言うほどみすぼらしくはなく、とても華やかな物だった。
赤いスカートに少し露出度が高いワンピース、紫のパーカーという、ありがちでありつつも、とても似合っていた。
「お前もかなりの美人だぞ?」
「そういうのいいですから!」
俺はさっきの仕返しにみらのをからかってみる。
案外反応が面白くて楽しい。
「じゃあ、これ全部を、これで支払いたいんですが」
そう言って俺は綺麗に光を乱反射させている「百円玉」を見せた。
この世界ではまだ経済も発展してなさそうだし、物資交換だろう。
確かに百円玉は銀貨ではないが、新しいものはそれらしい光り方をする。そして俺が出したものは全て平成二十年代産!
これでどうだ!
クルーナは暫くその硬貨を見ていたが、明るい表情で俺に顔を向けた。
「はい! これで大丈夫です! ありがとうございましたー」
俺たちはその店を後にした。
やったぜ! これならいい買い物が出来そうだ!