7話 狐に縁りて子を求む
前話をリツイートしてくださった方ありがとうございます!!
リツイートの影響か前回のアクセス数が80越えをしました。今回またアクセス数が下がるので白目をむいたまま投稿します。今白目ですよ、ほら見て下さいこの白目。
前回みたいに前書きがぶっ飛んでたらアクセス数維持できる説あるかな、よしやったろ
うしゃしゃしゃしゃ!!得体のしれない何かにとりつかれてるのかぁぁぁ!時々記憶がぶっ飛ぶんですよぉぉぉ!?お祓いにいこうかなんてぇぇ(以下略)
白くてとても細長い布を輪っか状に丸めた物。
どうやらこれを包帯というらしい。
もう足の痛みもほとんどないから別にいいんだけどな。
この女のヒト強引で是が非でも手当するって言うんだもん、困っちゃう。
この強引さは少しかぁちゃんに似てるかもしれない・・・。
でもこのヒトが来なかったらあたし、あの大きい棒付きニンゲンのお嫁に
されてたわけだけど。
そう考えるとゾッとするなぁ・・・。ほんとに助かった。
「ほら、足出して」
「あ、うん」
コンが足をスッと差し出す。
あら?さっきより少しだけ傷が小さくなってるような・・・?
気のせいかしら・・・いや、でも絶対小さくなってる。
でもそんな早く傷がよくなるはずないし・・・やっぱり気のせいよね。
「どったの?それ巻くんでしょ?」
「あぁ!そうねごめんなさい、考え事をしてたわ」
「ダイジョブ?」
コンが女性の顏を覗き込む。
「大丈夫よ!あ・・・いけない、包帯巻く前に傷の消毒しなきゃね!」
女性がスクっと立ち上がってコンの手が届かない高さにある戸棚を
ゴソゴソと漁り始めた。
今なら逃げれるかな、でもこの家の中を探検してみたい気もする。
一応助けてくれたわけだし、その病院って所から逃げた結果の棒付き男との遭遇なわけだし。
どうしたものかなぁ・・・
考え込んで視線をウロウロさせていたら襖の隙間から中庭が見えた。
あ!あんなとこに木がっ!やった、元の格好に戻れる!!
「あれ~?消毒液ないわねぇ~・・・チッあんのクソジジイ補充忘れてるのね~」
戸棚を閉じてコンの方へ振り返る。
「ごめんなさいね~、消毒液が無いみ・・・あら?」
襖が開いている、中庭の木にあの子がよじ・・・
ちょっと何してるのあの子!?アホなの!?怪我した足で木登り!?
私が子供の頃でも怪我しての木登りはしなかったわよ!?
記憶の限りでは。
「何してるの!危ないから降りなさい!!」
「きゃはは!この位ならへーき、へーき!」
ぴょんっと木から飛び降りて無問題で着地する。
この木よりあたしがよく登るイチョウの木の方が倍ぐらい背が高い。問題なし!
「心臓に悪いわ・・・貴方、ドアホね~」
「アホって言うな!」
「うぉっほん!お嬢様?お嬢様も昔右手にヒビが入っていたのに
この木を登っておりましたぞ?爺やはよく覚えておりますぞ」
さっきの老紳士がいつの間にか戻って来ていた。
「あら、戻って来たのねクソジジイ、消毒液の買い足し忘れる程度には耄碌してる
クセにどうでもいいことは覚えてるのねぇ、余計な事をほざくと窃盗罪を
偽装して警察に突き出しますよ?短い余生を豚箱で過ごしたくないのなら
口を閉じてなさい?入れ歯叩き割るわよ?」
「ううぅぅ!!お嬢様は変わられてしまった!!やんちゃが落ち着いたと思ったら
こうも口が悪く!爺や泣いちゃう!だってお年寄りだもん!!」
「おほほほ、鈴音が居なくなってから全部がどうでもいいのよ
立ち振る舞いとか誰にどう思われようが知ったこっちゃありませんもの
ミイラになるまで永遠に泣いていなさい」
あ、やっぱこの女のヒトはヤバいヒトかも。吐く毒が尋常じゃなさそう。
目が死んだまま笑ってるもん。早く出てったほうがいいかな。
「ところで源太、あの変態はどうしたの?」
「フルボッコでございます、とりあえずジャブ代わりに爪を7枚剥がして
歯を6本折っておきました。まだやろうと思ったのですがサツ・・・いえ
オホン、警察が通りかかったのでそれしかできませんでした」
よし、帰ろう。今すぐ帰ろう。
ニンゲンはヤバイのしか居ないっていうのが今分かった。
「あ、いけないわ!」
女性がパンッと手を叩いた。
ビクゥッ!
こっそり逃げようとしてたコンの心臓が飛び跳ねる。
「まだ自己紹介もしてないじゃない!私ったらもー!」
「あー・・・別に」
「お嬢様、この小娘逃げようとしてますぞ」
こらジジイとやら、余計なことを言うんじゃないよ。
そんな余計な事言うからクソジジイって呼ばれてるんじゃないの?
「あら、また変態に襲われるかもよ?ここのがいいわよ?」
「う・・・」
正直なとここのヒト達と変態、ハーフ&ハーフなんですけど。
どっちも嫌だなぁ、安全に返してくれないかな。
「私は凪音、雨入 凪音よろしくね」
「わたくしは、林田 源太と申します、入れ歯ではございませんよ」
「・・・(入れ歯ってなんだろ?)あたしコン」
「コンちゃんね、じゃあ包帯巻きましょうか」
「あ、うん」
逃亡をいったん諦めてコンが足をスッと差し出す。
凪音と名乗った女性は包帯の扱いに慣れていないようだ。
動きがぎこちないのがコンでも分かった。
「お嬢様、爺やがやりましょうか?」
「いいの!私がやるわ!」
「・・・てきとーでいいよ?もう痛くないし」
鈴音がここに居ればコンちゃんと同じ位の歳なのね・・・
誘拐事件がなかったらこんな風に自分の子の世話をしてたのかな。
それにしても包帯巻くのって案外難しい。
源太ジジイが後ろから『あ』とか『そうじゃなくて』とかウルサイ。
減俸刑ね、いいじゃないの少しこういうことに憧れてたんだから。
・・・これでよし!少し不格好だけど初めてにしては上出来かしらね。
「あら、ジジイなんで首を横に振ってるのかしら?今月の給料無しね」
「それだけはご勘弁をお嬢様ぁぁぁ!!この爺やなんでも致す所存ゆえ!!
それだけは!それだけはぁぁ!!」
「もう遅いわよ、全力で後悔してなさいな♪」
「あぁ・・・なんてことだ、ブラック雇用主・・・」
「?」
ガクゥっと膝から崩れ落ちた源太を見てもコンはなんでそんなに
落ち込むのかよくわからなかった。爺や顏真っ青。
それにしてもこの二人のやり取りはウツケとタワケのやり取りに
よく似ている。やっぱり男は理不尽な目に遭う者なんだなと再認識した。
足に何か巻かれるのは初めて、なんかゴワったくて
いい気はしないなぁ・・・
それはそうと今日はホントに全部が全部初めての経験。
ニンゲンの町と山の中がここまで違うとは思わなかったな。
帰りたい気もするし、もっと知りたい気もするし。どうしよう。
ん?
「源太のジジイさん、どったの?あたしの顏になんかついてる?」
「い、いえ なんでもございません」
「?」
この小娘、お嬢様の子供の頃と顏が瓜二つではないか・・・
まさか・・・いや、それは無い。
お嬢様に余計なことを吹き込んでいたずらに落胆させるような結果になるのだけは
避けなければならない。この小娘は別人だ、鈴音様ではない。
っていうかこのガキさらっとジジイ呼びしやがりましたな。
「それにしても、本当にあの場面で貴方を発見出来てよかったわ」
「うん助かった、ありがとう」
「誘拐されなくて本当に良かったわ、だって・・・」
「お嬢様・・・」
凪音の瞳が潤むと源太がそっと肩に手を置いた。
「ダイジョブ?」
またコンが凪音の顏を覗き込む。
「大丈夫よ、ごめんなさいね。私の子供はね、小さい頃に誘拐されてしまったの
だから貴方が誘拐されなくてホッとしちゃってね」
「そうなんだ、寂しい?」
「そうね、やっぱりどれだけ時間が流れてもね 寂しいものよ?
だから貴方も両親を悲しませないようにしてね?約束よ!」
「うん!わかった!」
今この人の瞳はとても優しい、あたしはきっとこのヒトを誤解してた。
強引で自分勝手なのかと思ったけど、あたしを守りたかったんだね。変態から
少しでも遠ざけたかったんだ。・・・他のやり方もある気がするけど。
「・・・お嬢様、爺やは中庭の手入れをしてまいります」
「ええ、よろしく」
源太が中庭に向かっていく。
例え別人であろうとお嬢様の気が少しでも紛れるのならば今はいいだろう。
もうしばらくの間は二人の時間を差し上げねば。
ただし、今日だけだ。お嬢様があの子に依存してしまえば
余計にお嬢様は辛くなる。
あの子と鈴音様を重ねてしまえば鈴音様への焦がれはきっと強くなってしまう。
だから、あの子と関わるは今日が最後にしなければ。
「ねぇ、コンちゃん病院に戻る前にクッキーでも作ってみない?」
「くっきー?なにそれ」
「えー・・・クッキーさえ知らない?だ~いぶおバカさんねぇ」
「あ!バカって言うなぁ!!」
「おほほ!事実じゃないの じゃ、一緒に作りましょ?教えてあげるわ」
「む~・・・」
コンは頬をぷくーっと膨らまして不満を表すが凪音は気にしてなさそうだ。
私はコンちゃんの手を取って足軽に台所に向かって歩き始めた。
子供のコンちゃんよりもよっぽど子供っぽく。
どうも、嘘つきガチ勢のχダニャンです。
宝くじが当たるという正夢が裏切りやがったので念願のニート生活が木端微塵に砕け散ったので
割とグロッキーだったりします。嘘です。そこまで豆腐メンタルじゃないです。
あれ?どうしました?前回よりも視線が冷たくないですか??
次回、「狐につつまれて最終話」 「嘘です。最終回じゃないです」 昭和30年 9月3日 公開!
みんな!絶対に(以下略)