5話 狐も川から落ちる
半分どころか三分の一まで減りましたよ、前回のアクセス数。
よっしゃ、蒸発したろ。
どうも、脳タリン世界選手権トップガチ勢のχダニャンだす。
前回でメインキャラクターが全員出ました。
焦ってたので重要人物の登場がサラっと終わってしまい反省(猿ができる程度の浅さ)
プイーン。チク、パン!
ZZZZ・・・・・
ププイーン。チクチク、パンパン!!
ZZZZ・・・・・
プププィーン。チクチクチク、パンパンパン!!
ZZZZ・・・・・
ププププィ~ン。チクククク
「うがぁぁぁぁぁあぁぁあああ!!!!!!」
「!? 何事!?」
「ん~?どうした?ムニュムニュ・・・俺まだ寝たいよ」
「蚊がうっとおしいのぉ!!寝らんないよ!!」
「これこれコンちゃんその布はあんまり振り回しちゃいけないわよ。コンちゃんが赤ん坊の時に包まってたやつなんだから、大事になさいな」
「う~、だって蚊がぁ・・・」
「・・・大変だね、おやすみ」
「寝るなとーちゃん!!」
ゴス!
「あいたぁ!!痛ぁ!何?何使って攻撃した!?」
「壊れた祠の屋根の尖ったとこ」
「罰当たりここに極まれり!?俺たちを崇めてたもので俺を殴るじゃないよ!!」
「蚊如きもどうもしてくれないとーちゃんなんて滅べばいい」
「辛辣!圧倒的辛辣!!」
「あら、ホントに蚊が多いわねぇ・・・タワケ、何とかしなさいな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい」
沈黙で不満を訴える作戦に出たタワケだったがコンとウツケの視線が凍り付くほど
冷たかったので諦めた。
仕方ない、虫が嫌いなハーブ類でも探してくるか。
その晩、タワケが帰ってくるこはなくコンは蚊と父親にイライラMAXに
なるのだった。
――翌日――
ZZZZZZZ・・・・
ブーン。ブス。
「うーんまだ眠いよ・・・後5分」
ZZZZZZZ・・・・
ブブブブブブブブブブブブブーン。ドスドスドスドスドス。
「ぎゃあぁぁぁぁ!!いってぇ!!!!」
起床率100%のハチ目覚ましだ。
その後永眠する可能性高いけど。
「うお!スズメバチじゃねぇか!!てかココどこだし!!」
5本の尻尾と前足でバシバシハチを叩き落していくが如何せん数が多い。
どうやら寝相で地面の下のハチの巣を刺激してしまったらしい
逃げながら対応することにした。
「あー、そうか草集めてる途中で寝落ちしたんだなぁ・・・
痛い!刺さないで!!」
全力で撒こう、とりあえず川に行こうかな。そこまでなら追ってくることも
ないでしょ。
全力で走り出すと数秒でハチ達が見えなくなる。
まぁこんなもんだ。後ろをチラリと確認して、視線を前に戻す。
一応川まで・・・・・・
ガポン
「エブ!」
木の洞に頭を突っ込んでしまった。
たまにはこういう事もある、気を取り直して川に行こう。
昨日草を持って帰れなかったから手ぶらで帰ったらフルボッコ待ったなしだろう。
朝飯ぐらい持っていかねば今度こそ喰われる。昨日のあの冷たい目線よ。
うん、やりかねない。
そうと決まれば実行に移そう、自分の未来の為に。
「んぐ、ぐぐぐ・・・」
アレ?
「ふんぬぬぬぬ・・・」
あ、抜けないヤバイどうしよう。
孤独じゃん、さみしいんですけど。きっとあのふたりは助けに来ないし。
おいおい、狐はさみしいと死んじゃうんだぞ?昔ニンゲンが言ってたぞ。
ブブブブーン。
ん?なんか変な音がするな・・・どっかで聞いたような・・・
ブスススススス。
「ゐぎゃあぁぁぁぁ!!!いってぇぇぇぇ!!!!」
ハチ共が追ってきやがった!?なんて執念深い!!俺のケツがぁ!
頭が出せればこんな虫如きにぃぃぃぃ!!!
尻尾で応戦するしかない!
「うおおおおおお!!!」
当然見えないので大苦戦した。無理だった諦めた。
「む~、とーちゃん遅いせいであんま寝られなかった・・・」
「タワケは肝心な時にしか役に立たないからねぇ」
(はぁ、とーちゃん本当はカッコイイんだから普段から
しっかりしてくれればいいのに)
「ん?コンちゃんなんか言った?」
「ううん!何も言ってない!」
「いや、少し聞こえたわよ、『とーちゃん本「あ!かぁちゃん尻尾に
毛虫が!!!」
「ぎょぶぇぇぇ!毛虫大っ嫌い!!取って、取ってぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
ウツケが自分の尻尾を追いかけてグルグルその場で回り始めた、相変わらず銀の輪っかは美しい。
「危ない危ない、かぁちゃん地獄耳だから気を付けないとね・・・」
さて、この輪っかぁちゃんどうしよっかな。
面白いからもう一回嘘言おうかな。
「かぁちゃん、毛虫足元に落ちたよ!」
「パァウ!!!」
かぁちゃんが思いっきり輪っかのまんま飛び上がった、あれどうやってんのかな?
あ、地面に落ちた。
「うぼぁー!!!」
うわ、アレ痛そうな落ち方。だってメッチャ土が舞い上がてるもん。どんな速度で回転してるの?
それとさっきから悲鳴が独特なのが面白いなぁ。
今度本物の毛虫持ってきてかぁちゃんで遊ぼう。
ムクリとウツケが無言で起き上がる。
「きゃははは!かぁちゃん土まみれ!きゃははは!」
「・・・・・・よ」
「え?なに??」
「・・・・・わよ」
「え?よく聞こえないよ」
「川に行くわよ!」
「川?ごはん獲りに行くの?」
「川に洗濯に決まってるでしょう!?」
「なんで?」
「昔話で女性はそうするものなのよぉ!!」
「男は?」
「知らないわ!山でしばかれてるじゃないの!?いい川いくわよ!!」
「かぁちゃん、『いいから』と『川』が混ざって『いい川』になってるよ
川が氾濫してるよ」
「うるさーい!行くわよ!」
コンはウツケに襟を嚙まれてズルズル引きずられていく。
「そうかぁ男は山でしばかれるのか、あたし女の子で良かった」
普段からタワケの扱われ方を見てるから『男は山でしばかれる』という情報が
すんなりと違和感なくインプットされてしまった。
父は辛いよ。
ズルズルズルズル・・・・
「ねぇかぁちゃん、自分で歩くよ?」
「フシー、フシー!」
どうやらムキになってるようでコンのいう事に耳を貸さずズルズル
引きずっていく。
放したら逃走されると思っているのかもしれない。
ズルズルズルズル・・・・
「ねぇかぁちゃん、あの木の穴からとーちゃんみたいなのが生えてる」
「フシー、フシー!」
「まぁ木からとーちゃん生えてるわけないか、動かないし頭見えないし、なんだろあれ?」
ずいぶんスズメバチが執拗に攻撃してるけど・・・あ、尻尾5本ある、やっぱ
とーちゃんだ。
帰ってこないと思ったらこんなとこでハチと遊んでたんだ。
「とーちゃーん、川に行ってるから早く来てねー!」
あたしの声が聞こえたせいか尻尾と足がバタバタと動き始めた。
すぐ行くって合図かな。一緒に来ればいいのに。
「助けろぉぉぉぉ!!抜けないんだよぉぉぉ!!」
やっぱ?うん、だよね。知ってた。
「かぁちゃん、とーちゃんが助けろって」
「ブシャー!ブシャー!」
かぁちゃん、鼻息荒すぎ。
やっぱ男は山でしばかれるものなんだなぁ・・・
「バイバーイ!」
「鬼かお前らぁー!!」
「鬼じゃなくてキツネだもん、あたしヒトだけど」
このまま5分ほど引きずられていくと川の上流に出た。
やっとウツケがコンのことを開放する。
「ふう、疲れたわ。体洗ってくるから待っててね」
「ハーイ、魚獲って待ってる」
「そうね、それでいいわ」
ウツケがポーンと流れの激しい川に飛び込む。
ウツケならあの程度の流れはなんてことはないのだろう。
クロールしてる、キモ。狐のクロール想像以上にキモ。
関節があり得ない動きしてる。
「きゃははは!かぁちゃん変なの!!」
「ん~?なんか言ったぁ~?」
「なんでもな~い!」
地獄耳のウツケでも流石に川の音でコンの声はよく聞こえなかったようだ。
さて、かぁちゃんばっか見ててもしょうがないし、魚獲ろう。
葉っぱが近くにないから小石でいいかな。
手頃なサイズの小石を拾いいつも通りに力を込める。
「んんっっと、ポォン!!」
小石は石の槍に変化させる。コレで魚を上からズドン作戦だ。
「川の真ん中の方がいいよねっと!」
石の槍片手にポンポンと岩から岩に飛び移り水流の中心に向かっていく。
これぐらいならあたしでも簡単簡単♪
岩の上でピタっと動きを止める、魚が寄ってくるまで待つ作戦。
一部の鳥類が行う漁だ。ただここは流れが激しい上に水深も深いので岩の上でじっと待つ。
「ん?」
集中しようとしたコンの気が散ってしまった。
クマが向こう岸の木々の隙間からこっちを見ていた、向こう岸からはウツケと
タワケの縄張りの外なのだ。
「う・・・」
コンは以前異常な熊に襲われていてトラウマになりかけている。
ズリ
「」
『あ』という間すらなくコンは川に飲み込まれた。
「ふう!キレイさっぱり!コンちゃ~ん魚獲れた・・・アレ?コンちゃん??」
「おー、いたいた。ようやく木から頭が抜けたよぉ・・・いやー参った参った。」
「タワケ、コンちゃん見なかった?」
「え?俺今来たとこだよ」
「あ!あそこでクマ公がこっち見てるわ!」
「ん?ホントだ」
「コンちゃんあのクマに気が付いてどっかに逃げたのよ!探してあげないと!!」
「また!?早く見つけてあげないと!!」
目が開いた。真っ白で平らな空に規則正しい筋が縦と横とに入っている。変なの。
「あ!大丈夫?よかった目が覚めたのね!ちょっと待ってってね!」
白い服と白い帽子を被った女のヒトが変な壁を横にずらして外に出ていった。
外から「先生ー!あの子目を覚ましたー!」と声が聞こえてくる。
・・・どこ?ここ?とーちゃんは?かぁちゃんは?
体を起こすと周りは全てが見覚えのない物だ。怖い。
あのヒトだれ?ここ、変なにおいがする、イヤだな。帰りたいなぁ。
「うむ、バイタルは安定していたからね、よかったよ」
白い服を着た小太りの男とさっきの女性がパタパタと戻ってきた。
「あ!?」
「ん?あの子はどこにいるんだね?」
ヒュウッと風が部屋に吹き込む。二人が空気の入る方に目を受けると
割られた窓ガラスから空気が我が物顔で侵入してカーテンを乱暴にバタバタと
鳴らしていた。
キーワードのほのぼのの息の根が止まっていますね・・・
誰だ、ほのぼのにザラ〇唱えた奴、出てこいよ俺が相手してやんよ。ザラ〇逆に俺がかけてやるよ!
オラぁ!ほのぼのにザラ〇やったお前ぇ!食らえ俺のザラ〇!!『χダニャンはザラ〇を唱えた』
『χダニャンの息の根が止まった!!』
次回「狐につつまれて」第6話! へんじがない、ただのしかばねのようだ
みんな、おきのどくですが せいさくしゃが じょうはつしてしまいました