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4話 喪家のヒト

いやいやいやいや、まてまてまてまて、おかしい、おかしい第三話投稿した日だけアクセス数が100近くになったんだけど。何これコッワ、あれだよね、多分ツイッターで書籍化までたどり着いているお方が俺の投稿報告に「いいね」してくれた結果だよね。おそらく誤操作でいいねを付けてくれたのだとは思うのですが、いや、嬉しいですよ?すっげー嬉しいですよ?でもアレだよこの第4話でどれだけアクセス数落ちるのか分かったモンじゃないからね。実質公開処刑に近いよコレ、コッワ、このまま蒸発しようかな、でも嬉しかったな、やっぱ続けよっかな・・・いやでもコワいな・・・いやでも・・・・


本気で「いいね」ありがとうございました。 

皆さま投稿ペース守れませんでした、すいません。社畜なんで許して下さい。申し訳ない。

「あ~~~れ~~~~・・・・」

「とーちゃんバイバーイ!」

「元気でねー!」

「心配をし・・・・・・(ろお前らぁー!)


 5尾の狐、タワケが崖から足を滑らせて落ちていった。声が遠くなっていく。

 3尾の狐、ウツケが見向きもしないで声だけかけて崖を登っていく。

 1尾の人間、コンがウツケの背中にしがみつきながら笑顔で手を振ってタワケを

見送った。サイコパスかな?


 現在地はお稲荷様の山、『お稲荷様の山の尻尾』と呼ばれる岩の崖。

崖というより壁と言った方がしっくりくるが。


「もうすぐ頂上ね~、コンちゃんは落ちないようにしっかり掴っててね~」

「ハーイ!」


 ウツケは僅かな足場を器用にスイスイ上がっていく。日が沈み辺りは大分暗い

流石の動体視力だ。コンは楽しみで目がらんらんと輝いている。


「おっとと・・・」

 最後の一歩で足場がガラガラと崩れたが難無く安全な場所に飛び移る。


「着いたね!後はとーちゃん待ち!」

「まったくタワケはだらしないわねぇ」


 一方崖の下では伸びていたタワケが起き上がった。

「いってぇ・・・なんで俺ばっか・・・いつもそうだ・・・ったく」ブツブツブツブツブツ・・・・


 いつもより多く愚痴をこぼしております、許してあげて下さい。

それぐらいの権利は多分ある。


 ふう、とため息をつく。

 ま、もうふたりは登頂してるだろ、全力で行くか。

 コンとウツケのペースに合わせていただけでこんな崖本気を出せば数分で

登り切れるしな。


 一歩踏み出すと物凄いスピードで崖を登り始める。

 瞬時に最適な足場を見極めてかつ最短距離最高速で駆け上がっていく。

 単純な動体視力ならウツケより上なのだ。


「ふ、俺が本気を出せばこ」

 ゴガス!!!


「キャイン!!!」


 落石がタワケの脳天に直撃した。


「はらほろひれはれ・・・あ~~れ~~~・・・」


 再びタワケが重力と引力に愛されて落ちていく。


 いったいどこの誰が落石を起こしたのか皆目見当もつかないが

彼が不遇過ぎることに変わりはない。

 多分なんかに呪われてるのだろう・・・アーメン。


「とーちゃん遅いね」

「早くしないと始まっちゃうのにねぇ、まったく」


 コンはふとニンゲンの町に目を向ける

「わあ・・・」


 闇に飲まれた景色にニンゲンが生み出した光の集合体が

ポツポツと浮かんでいる。


 この高さから見るその光景はいつもより美しくコンの目に浸透し、目の輝きを

強くさせた。

 でも、すぐにその目は別のモノを捉える。


 ヒュ~・・・

 暗闇に細い筋がうねりながら登ってゆく。


「きた!」

「始まったわねぇ」


 稲荷山の尻尾を越えてまだまだ筋は昇ってく、不意に筋が姿を消したその直後。

 ドーン!と闇夜を割って巨大な光の華が咲いた。


「わあ!迫力抜群!!キレーイ!」


 少し間が開いてから今度は立て続けにヒュヒュヒュヒュ~ンと筋が昇ってきた。


 ドーン!パパパパーン!パラパラパラ・・・


 音の数に比例して光の華は夜空を彩っては消えていく。


「あ~もっ!!間に合わなかったか!!」

 タワケがようやく登頂した。


「まだ始まったばっかりよ?」

「いやいや、始めの一発に間に合わなかったって意味」

「すごかったよ!ここからだと本当にキレイに見えるの!!」

「くっそー、落石さえなかったら・・・」


 タワケがコンの隣に座る、コンを挟んで反対側にはウツケが座っている。

 親子で並んでひっきりなしに上がってくる華を言葉もなく眺めていた。


 花火は正直あまり好きじゃない。ウツケはどうか知らないけど。

 だって、あまりにも一瞬で消えちゃうじゃないか。

 まるで、命みたいに、一瞬で。儚い美しさに憧れを抱く者は多いけど俺はそうは

感じない。

 美しく儚く終わるより、俺はアホ面晒して笑っていたい。いつまでも。

 コンがこっちを見る。何にも言わないでニカッと笑った。俺は微笑み返したけ

ど、コンは大きい花火の音を体で聞いてすぐに視線を戻してしまった。

 俺も今は花火を眺めるとしようかな。


「あ!金の滝みたいなのが出たよ!」

「お、次が最後ね!やりますかぁ!タワケ!なにボサっとしてんよ!」

「んあ?あ、あぁ!アレね!!」


 そうだった眺めに来ただけじゃなかったんだった。


「おっしゃ!やったるぞー!」

「準備万端よ!!」


「狐火」

 タワケが自身より大きな火球を発生させる。


「味気ないから私の幻術で一味足してぇ・・・」


 そして今年最後の筋がヒュ~と昇ってくる。

 毎年おなじみの構成。少し地味なんだよね、最後の一発が。

 だから去年とーちゃん、かぁちゃんに最後の一発だけ派手にしてって

頼んだんだ。

 まぁここで花火見たかったから理由つけのためなんだけど。


「「せぇーのぉ!!」」


 上がってきた花火の筋の破裂する位置を予測してタワケが火球を飛ばす。

 同時にウツケが火球を幻術で包み火の玉が巨大な竜に変化した。


「おー、かぁちゃん凄い!」

「あれ?やっぱ俺は評価されない感じですか?」

「うん」

「ショボーン・・・」


 放たれた火竜は大きく口を開けて花火の玉をバクンと飲み込み、さらに

上昇していく。

 グングングングン高度を上げたところで竜のお腹が膨らんで特大大爆発を

引き起こした。

 空は七色の華で飾られ、見惚れた直後に空気の振動がビリビリと肌を撫でた。


 派手さと美しい色彩を両立させたこの花火は当然花火大会の主催者である

ニンゲン達の町で大きな話題となる。

 ・・・運命が動き出す。




「今年の花火すごいね。竜が出てきたよ、カッコよかった!」

「ねぇ!すごかったね!晴斗(はると)君!!あれどういう仕掛けだったかしら・・・」


 病室のドアがスライドする。


「やぁ、調子はどうだ?晴斗」

「すごいよ父さん!!竜だよ!竜が出てきたんだ!!」

「竜?なんのことだい?花火は今年もいつも通りだったろ?」

「違うよ!見なかったの!?最後の一発を竜が食べて大爆発したんだ!」

「そうかぁ?なんかの見間違いじゃないのか?」

「お言葉ですけどホントなんですよ!!晴斗君と一緒に見てたんですけど!

竜がパクっと」

「へぇ・・・ナースが言うなら間違いないかもなぁ」

「それって僕のこと信用してないてことぉ?」

「ハハハ!そう!晴斗は言う事聞かないからなぁ!」

「ひっどいなぁ・・・」


 3人で笑っていると慌ただしい足音が聞こえてくる。

 勢いよくドアがスライドされてバン!と音を立てる。


「町長!大変です!!」

「なんだ、息子との時間を邪魔するなといつも言っているはずだが?」

「も、申し訳ございません・・・ですが花火の竜の件で問合せが

殺到していまして・・・」

「稲荷祭り実行委員会へ確認すれば済むことだろう?」

「そ、それが竜の花火など、まして食べて爆発するなんて芸当できるわけがないと。協会のほうもえらく混乱しているようでして・・・」

「え?もしかてあの竜本物だったってこと!?すっげー!!」

「そんなのが町に来たんじゃ参ってしまうよ晴斗」

「だってお稲荷様の山から飛んで来たんだよ!あそこってヒトが入らないん

でしょ?本物かもしれないよ!!」


 稲荷山だと・・・?


「間違いないのか?」

「うん!」

「そうですね、ここからだと確かにそう見えましたけど・・・」

「目撃者達の証言もほとんど同じようです」


 そうか、やはりあの山には何か未知の者が居るようだ・・・

 神の使いが居るなどと信じもしなかったから()()()()()取引場所として指定し

そして失敗に終わったのだ。

 100年以上前までは生贄を送っていたと云うあの山に

いったい何がある・・・?

 暴いて利用してやる、目的に手段は問わない。


「いくぞ、対応を検討する」

「はい」

「父さん、もう行くの?」

「ごめんな、晴斗できるだけ早く戻ってくるから」

「うん・・・」


 ごめんな晴斗、さみしい思いをさせて。




「お嬢様、花火は終わりましたぞ。さ、中へ」

「ふふ、もうお嬢様って歳じゃないわよ?」

「いえいえ、爺やの中ではお嬢様はいつまでもお嬢様ですぞ」

「ごめんなさい、もう少し風に当たっていたいわ」

「そうですか、では爺やはコーヒーでも入れてまいりましょうか」


 絵に描いたような白髪交じりの老紳士はお座敷の奥へと消えていった。

 頬のコケたセミロングの女性、年齢は30代ほどであろうか。

 彼女は風に吹かれながら、ただただ空しく抜け殻のように縁側に

座り続けていた。


「鈴音・・・いったいどこに居るの?」




「さ!花火終わったし帰るわよ!」

「あー最後すごかったぁ!流石かぁちゃん!!」

「・・・どーせ俺は火の玉飛ばしただけですよーっだ・・・ケっ」

「お腹すいちゃった」

「お昼も食べないで飛び出してきちゃったものねぇ」

「そういえばウツケがイノシシ獲って来てたな」

「あ!早く食べに帰ろう!!」

「大丈夫よ!死んでるから逃げやしないわ」


 コンはしっかりとウツケに掴り、ウツケがまたスルスルと流れるように崖を

下っていく。

 後ろからタワケが付いてくる。


「とーちゃん、ホントにありがとね!!」

「! お、おう!こん位ならドーンとぉぉぉぉ!?」


 コンがありがとうと言ってくれて率直に嬉しかった。

 花火自体はやっぱり好きじゃないけれどコンが喜んでくれるなら俺は花火も

悪くないと思った。

 まぁイキナリ言われたから嬉しさとビックリでバランス崩したわけだが。


「あ~~~れ~~~」

「とーちゃんバイバーイ!」

 落下してきタワケをスッと最小限のモーションで回避する。


 崖の下でタワケが目を覚ました時には既にコンとウツケが居なかった

置いてきぼり食らったようだ。

 この分だと恐らく帰ってもイノシシの肉は残っちゃいまい。


「花火なんて大っ嫌いだバッキャロォォォォォ!!!」

 闇を鮮やかに彩った花火と違い、汚い言葉の響きは誰の目にも耳にも入らず

騒々しく木霊していた。

あらまーどうしましょ、アクセス数が3話の半分にも満たない自信があるわ。どうしましょ。

やけくそで専門用語的な物を並べ立ててみんなの頭混乱させよっと。いやどうせ見てる人殆どいないと信じて疑わないけどね。前話アクセス数も夢遊病で50は自分でしでかしている筈なんで。


神柱名:ノアの箱舟(お稲荷様の山の尻尾が一般的な呼び名)


神域効果:ノアの結界

・神域内の魔族自然発生を抑制さらに神域外から魔族の侵入を防ぐ。ただし力の非常に弱い寄生虫型の魔族は侵入は防げない。 

・理族の本能に働きかけ神域内の理族は神域の外へ行こうという思考に至らない。 

・魔力による魂の捕食を防ぐ。このため霊体が存在しやすく、魂を食い荒らされて残魂化する心配もない。

・理族の退魔の魔力の覚醒を抑制する。 退魔の魔力が覚醒した理族は身体能力が化け物染みたものとなる。魔族に対する最も有効な力でもあり、覚醒したニンゲンは周囲から必要とされる、また本人もその力に己惚れて最終的には周囲を見下し弱者を食い物にしていくようになる者が多い。


神域効果範囲:超広大


神柱出現経緯:悪魔ルシファーが自分の魂を9割を削りその魔力塊をウツケ、タワケに託した。その際にルシファーの親友の鱗もお守りとして1枚渡している。 ルシファーに言われた通りにウツケ、タワケは豊かな土地を求めて旅をし、いずれお稲荷様の山と呼ばれる場所で託された魔力を開放し神柱:ノアの箱舟を設置した。この神柱はウツケの尻尾を一本依り代として使用している。ウツケはもともとは4尾だった。


また、神柱が単純な物理的衝撃で破壊されることはなく特殊な能力が無ければ一ミクロンさえ傷つけることができない。ウツケ、タワケ、コンにはその能力はなく破壊、および傷つけることは不可能である。

今回稲荷様の山の尻尾が少し崩れたは異常事態であるが、ウツケもタワケも異常だと気が付いていない。

もっとも今回の異常は神域の外の問題なので今回のコンの物語には関係ない。



はい、投稿が遅れたお詫び(?)です。裏設定ですね、もう一つ裏設定に人攫いの名前があるのですがチマチマお邪魔させていただいてる動画生配信者の名前を無断で使っています。事後報告したらおこられました。まぁ名前出してないからセーフってことで。人攫い相方の名前は弟の名前を使っています。これはバレたら火曜サスペンスされるので永遠に秘密です。新聞の一面を飾る事態になるからね。


今回投稿が遅くなって本当にすいません。今後もペースを保つ自信ないけどなるたけ守るようにするのでお願いしますね。 あたいを見捨てないで!!(嘘泣き)


次回「狐につつまれて」第5話! 「アクセス数案の定半分以下になったから失踪するわ」みんな、絶対に見ないでくれよな!!!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 狐系主人公……とも言い切れませんが、変化の術を使う作品って少ないですよね。とても貴重な素晴らしい作品です。
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