22話 終止符を打たない
今回の第七回ネット小説大賞に見のほども知らずに参加してみました。
応援してね☆(きゃぴるん♪)
あ!ちょっとまって、待って!!俺が悪かった見捨てないでェ!!!
男のぶりっ子ポーズの破壊力そんなにエグイっすか!?
今回のネット大賞参加にあたり一部のキーワードを削除や変更をしました。
なんかその際に間違えて異世界転生のキーワードを誤って入れてしまったようですが
直すの面倒なのでこのままでいきます。
「あなた方がその白髪の子の保護者ですか?」
性格がキツそうな女性がクイっと眼鏡を上げて
相手を突き詰めるような口調で尋ねる。
「いいえ?どっちの子の保護者でもありませんが?」
「そうですか、失礼ですがどういった関係で?」
「おやおや、随分高圧的ですな」
口を挟んだ源太の方を睨みつけて一言。
「お年寄りは引っ込んでいてください」
「・・・さいですか」
会話中でもお構いなしに少年二人は晴斗に向かって
土下座コールを続けている。
あ、源太のジジイさんハラワタ煮えくり返ってるんだろうな。
凪音さんいるから怒らないのね。
・・・それよりも、やっぱりあたしが傷つけた二人はここに来てたか。
やったことの責任は取らないとね。
晴斗は逃げないであたしの所まで手を取りに来てくれた。
だからあたしも逃げないで向き合いたい
自分がしでかしたことと。
少しでも晴斗と対等で居たい、友達だから。
「ねぇ、みんな下で待ってて?」
「コンちゃん!?何を言ってるんだよ!」
「爺や、骨折した足で苦労して階段上って来たんですけど」
「いいから、少しお話するだけ」
「嫌だ!僕も居る!!」
「何かあったらちゃんと呼ぶし、お守りもあるから大丈夫」
「でも!」
源太がため息をついた。
「おい、晴斗とやら、どうやら覚悟があっての事らしい
何があったか知らねぇが邪魔するのは無粋ってもんだぜ」
「・・・」
「コンちゃん、ちゃんと呼んでよ、約束だよ!」
晴斗、源太、凪音が屋上から立ち去り残っているのは
コンと少年二人と親三人の六人となった。
「なんだよお前?翔ちゃんのファンか?
妖怪の仲間を逃がしやがって、許さないぞ!!」
「・・・」
コンが無言でポケットから葉っぱを何枚も取り出す。
「ん・・・ポォン!」
ボフンとコンの姿が変化して相手方の言葉が止まった。
着物姿に銀の耳、金の尻尾。
以前の姿だ。
「「「「「!?」」」」」
「う・・・あ」
「この前の妖怪・・・」
「なんですって!?この子が!?!」
「オ、オイ、このクソガキ!!よくも俺の子供に怪我させてくれたな!!
爆薬まで持ってたらしいじゃないか!えぇ!?どう責任取るんだよ!!」
「まず保護者をここに呼んできなさい、話はそれからよ」
「ウチのマモルちゃんに手を上げるなんて許さないザマしてよ!!」
「・・・親は居ません」
「まッ!道理でマモルちゃんや翔君に手を上げるなんて蛮行が出来るわけね!」
「親の教育がなっていなかったようね、どうせ両親が居た頃からロクな家庭では
なかったのでしょう?」
「親は関係ないです、あたしがやり過ぎちゃっただけ
本当に反省してるんです、すいませんでした」
コンは両親を悪く言われ沸き立った怒りを鎮めて頭を下げた。
両手はぎゅうぅぅっとお守りを握りしめている。
もう、暴走はしない。大丈夫、大丈夫・・・!!
「謝るだけで済む話じゃねぇだろ!なんでこの子たちに手を挙げた!!」
「あたしの友達をそこの二人ともう一人、三人がかりでいじめてたから
つい、カッとなってしまいました・・・」
「俺達そんなことしてねーよ!」
「そうだ!あの白髪をいじめてたのはお前だろ!!」
「はぁ!? それは違「嘘をつくんじゃないザマス!!
アナタ、ウチのマモルちゃんと翔君を悪者に仕立て上げる気ザマして!?」
「そんな!あたし、嘘なんかついてない・・・!」
「嘘つきの常套句よ?それ」
「お前反省してるんだよな?な?だったら抵抗すんなよ?」
「お!いいぞ翔ちゃん!!今度こそ妖怪退治だ!!」
ガン!
コンの顏にガキ大将の拳が撃ち込まれた。
「コンちゃん、大丈夫かしらねぇ・・・」
「・・・」
「晴斗、何があったんだ?まだ聞いてねぇぞ
あのガキ共は最初お前に絡んできたよな?」
「・・・実は」
晴斗はコンの能力や両親について隠した上で起こった出来事を話した。
「なるほど、コンが友達の為に・・・」
「あの人達いかにもモンスターペアレントって顔してたわねぇ
本当に大丈夫かしら・・・」
「コンちゃん・・・僕が病院に連れて来なければ・・・」
「晴斗、気にするなあの娘はこうなることはわかってたはずだ
やったことの責任を取るつもりじゃなきゃひとりで向き合おうとはしねぇよ」
そう言われてもモンスターペアレントと聞いたら余計に心配になってしまった。
「・・・凪音さん、ちょっと、人に聞かれるとアレなので」
晴斗が凪音にゴニョゴニョと耳打ちする。
「あら、いいわよ?今回は特別!!」
「お嬢様?」
「源太!行くわよ!!」
「え?どこにですか?」
「いいから来なさい、給料を永久に0にするわよ」
「まって下さい!行きます!!行きますから!!」
骨折した足を庇いながら大急ぎで凪音の後を追う
結構速い、怪我に慣れているのだろうか。
それとも給与永遠に0の恐怖のせいか。
どちらにしろ凪音と共にどこかへ行ってしまった。
僕はどうしよう、僕が一人でコンちゃんのところへ行っても
あいつ等をどうこうできないし・・・
他の大人を呼ぶのは危険だ、もし公園でコンちゃんのやったことを知ってる
ヒトだったらまたコンちゃんの敵に回るかもしれないし・・・
同じ思考が繰り返される、グルグルグルグル輪っかのように。
こうなったら易々と思考の輪っかから抜けることは難しいものである。
余計に焦りそのせいでさらに同じ思考を繰り返す。
「う・・・」
目まいがする、地面がグニャグニャ動き出したみたいだ。
立っていられない。
「ちょっとアンタ!顔色悪いよ!!」
偶然通りかかったヒトに声を掛けられたところで僕の意識が途切れた。
「おら!どうだ参ったかっ!?」
「へへ!変な耳と尻尾つけやがって!」
「痛い!耳引っ張らないで!!」
「妖怪が口答えするな!!生意気なんだよ!!」
ドス!
「ぐぇッ・・・!」
腹部を殴られて唸るような声をあげた。
お守りをずっと握りしめて必死に心の中で自分に言い聞かせる。
大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫
あたしはもう二度と同じ過ちは犯さない。
大丈夫、大丈夫・・・絶対に大丈夫・・・。
コンが膝を着くと後ろから押し倒されてうつ伏せの形になる。
すかさずガキ大将の方がコンの頭を思いっきり踏みつけた。
「イエーイ!俺様最強!!」
「翔ちゃんカッコイイよ!!」
「大丈夫・・・大丈夫・・・」
一緒に居る親は子供たちのやっていることを見ながら今後のことを
話し合っている。
「両親が居ないってことは施設暮らしかしらね?」
「親戚かどこかに引き取られてるのかもしれないザマしてよ?」
「ケっなんにしろロクな教育受けてないぜ?イカレタ格好してるしな」
「マモルちゃ~ん、二度と逆らえなくして差し上げなさいな!」
「翔もしっかり恨みは晴らしておけよ!
やられっぱなしじゃ男が廃るってもんだ!」
「ちゃんと保護者を聞き出して慰謝料を請求しないと気が済みませんね」
キツそうな女性がため息交じりにそう言った。
「ほんとにそうザマス!聞いた話だとかなりの勢いで
殴られたらしいザマしてよ!!
軽症で済んだのは奇跡だったらしいザマス!!」
「ふん!聞けば聞くほど許せないわ!なんで翔がこんな
汚らわしい小娘に殴られなきゃならないのよ!!」
「アァア!!ムカついてきたぜ!どけ翔!」
ドガッ!!
翔の父親がかけてきてコンの頭をサッカーボールのように蹴り飛ばす。
「ッッッ!!!」
もう、声にもならなかった。
ただお守りだけを強く握る、両手で大事に。
コイツ等が軽傷で済んだのはきっとこのお守りのおかげだろう。
お守りの効果がコイツ等にも及んでいたのだ。
それしか考えられない。
「おい、お前さっきからずっと手に何か隠してるよな?
よこせよ!この俺様が貰ってやるからよ!!」
「!?ッ ダメ!!これだけは絶対にダメ!!」
「うるせぇ!よこせよ!!」
「手伝うぜ翔ちゃん!!」
「嫌だ!やめてよ!!」
二人がかりでコンのお守りを奪い取った。
「返して!!お願いだから!!大事なお守りなの!!」
「もう俺様のだもんね!お前のじゃねぇよ!!
ホラ見てろ!!」
翔が奪ったお守りを下に叩きつけてガンガン踏みつけ始めた。
「やめてぇ!!壊れちゃう!壊れちゃうから!!」
「だって俺様こんな汚いお守り要らねぇもんよ!!」
・・・限界だ、ゴメンね、晴斗
バン!
「諸君らご機嫌麗しゅう!」
屋上の扉を豪快に開いて登場したのは源太だった。
「あなたさっきのお年寄り・・・何の用です?
こちらの用事はまだ終わってませんので引っ込んでいて下さいな
目ざわりです」
「まぁまぁ、話ぐらい聞いてくれてもいいだろぉ?」
「なんだよジジイ、耄碌してんのか?あぁ??」
「・・・突然ですがあなた方は呪いって信じていますか?」
「はい?イキナリなんですか?認知症ならなおのこと引っ込んで
頂かないと迷惑でしかないのですが」
「いいから答えてみろ」
源太の紳士的で穏やかな顏から突如眼力が鋭くなり
コン以外のメンバーが少し気圧される。
「そ、そういえばこの前雑誌で有名な呪い屋として
雨入って方が紹介されてたような気がするザマス・・・
呪い事態は信じていないザマスが・・・」
マモルの親の回答を聞くと源太の顏が元の紳士的で穏やかな表情に戻る。
「ほう!雨入の呪い屋を知っていると!実は
雨入家の呪いを受けると必ず『ある不幸な出来事』が起きるのですが
ご存知ですかな?」
「い、いえ、そこまでは記事を読みませんザマしてよ」
「そうですか、他の方もご存じない?」
翔の両親もお互いに顔を見合わせて首を横に振った。
「そうですか、そうですか・・・」
源太が腕を組んでうんうんと頷く。
「では教えて差し上げましょう、『雨入家に呪われた者は必ず
ヤンキーに絡まれて身ぐるみ剥がれてしまう』のですぞ!!」
「はぁ・・・で?」
「アレ?わかりませんかね?今回雨入家に呪われたのは
この屋上にいる『尻尾のないニンゲン全員』なわけですぞ」
「はぁ?だからなんだよ!いい加減にしろクソジジイ!!」
翔の父親が源太の胸倉を掴む。
「俺をクソジジイ呼ばわりして無事なのはこの世に二人だけだ
肝に銘じておけ、クズ」
ゴッッ!!
源太の頭突きが相手の鼻をへし折った。
「ギャアアアァァ!!鼻が!!鼻がぁぁ!!」
「申し遅れましたなぁ初めまして、この町最高齢の現役ヤンキーで~す!
覚悟はいいだろうなぁ?」
「ちょ!お、女子供にまで手をあげるつもりなの!?」
「・・・そこの奴を見ろよ?」
源太がボロボロのコンを指さす。
「女で子供じゃねぇの?お前らコイツボコボコにしてただろ?
止めるどころかはやし立てる声まで聞こえてきたぜ?」
翔の胸倉を掴んで源太が持ち上げる。
「うわあぁあ!!降ろせ!!降ろせよ!!」
「はいよ」
翔を思いっきり地面に叩きつける。
ドゴン!!
「うぎゃぁぁ!!!!」
「源太のジジイさん止めて!!」
コンが源太を止めに入る。
「・・・仕事中だ、黙って寝てな」
「あたしが耐えた意味がなくなっちゃうよ!!」
「・・・お前限界だったんじゃねぇか?」
「そ、それは・・・」
「それにな、覚えておけコン、言葉が通じねぇ奴が
世界にゃゴロゴロいるんだぜ?お互い同じ言葉を使ってるのに
通じねぇんだ、不思議だよな。そういう輩は放っておくと
つけあがってもっと言葉が通じなくなる、力でねじ伏せて止めるのも
手段の一つだ」
「でも・・・」
「つまり何が言いたいかって言うと・・・こういう屑共は
ぶちのめして痛い目に遭わないとヒトの痛みなんて理解できない
『化け物』なんだよぉ!!」
マモルを拾い上げてマモルの母親に思いっきり投げつける。
「「うぎゃぁぁ!!」」
源太はギロリと翔の母を睨みながら歩いていく。
「ひィッ・・・!!な、なに?何が欲しいの?お、お金?
な、なんだったら私、今夜貴方に抱かれてもいいわ!だから・・・」
「てめぇの体なんざ興味ねぇよ オ・バ・サ・ン!」
「じゃ、じゃあ、どうしたら許してくれる・・・?」
「心の底からあの子に謝れ・・・!
確かに話を聞いた限りやり過ぎだが、もともとはお前のガキが三対一で
リンチしてたのが原因だろ、そのことを棚に上げて偉そうによぉ?」
「う、ウチの子がそんなことするはずは・・・」
パァン!!!
「アぐ!」
源太が平手打ちをした。
「いい加減にしろ、お前のガキがこの屋上でやったことを見てりゃ
わかるだろうが?テメェのガキだろ!もっとまともに向き合え!!
正しい判断ができないからガキなんだ!
お前が!親が教えねぇと誰が正しいことを教えてやれるんだ!!」
「・・・・!!!」
振り返った源太が大声で叫ぶ。
「全員立てぇ!逃げようとか考えるなよ!?
全員だ!全員この子に謝れ!!心の底からだ!!」
源太の怒号で全員がコンの前に整列する。
「「「「「すいませんでした!!もう二度としません!
許して下さい!!!」」」」」
五人一斉に深く頭を下げる。
「どうだ?コン」
「・・・許せない」
「だろうなぁ」
頭を下げてる連中がぎょっとした表情で顔を上げる。
「源太のジジイさんを怖がって言わされてるだけだもん」
「だっ・・・だって・・・」
翔が歯切れ悪くそう言うと口ごもってしまった。
「ごめんなさい、あたしはあなた達を許せそうにないです
ただ、約束して、こんな酷いこと、もう誰にもしないで」
「・・・ぬるいな」
「ここから立ち去って、お願い、今は顔も見たくないの」
コンの声に従って五人とも屋上を後にする。
帰る間際に源太が「次、腐ったマネしやがったら殺しに行く」と
脅していた。
屋上に居るのは俺とコンだけになった。
やはり見れば見るほどお嬢様の子供の頃と瓜二つだ。
「源太のジジイさん、助けてくれてありがとう」
「礼なら晴斗に言うんだな、あいつがお嬢様に今回の呪いを依頼したんだ」
「晴斗が・・・あたし皆に助けられてばっかだね」
「お前がニンゲンだっていう証拠だよ」
「きゃはは!真面目な顏似合わないね!」
「テメェこんにゃろ!!お前もついでに呪い相手として
扱ってやろうか!!オラ!!・・・・ぐぉ!!???」
コンの服を掴んだ直後に源太は足を骨折していることを体が思い出して
動けなくなった。
懐かしいお嬢様の顏をボコボコにされた怒りですっかり痛みを忘れていたのだった。
「ちょっと・・・お嬢様呼んできて・・・」
「きゃはは!源太のジジイさんカッコわる~い!あたしのとーちゃんみたい!!」
ガチャ
屋上の扉が開き、現れたのは
「おやぁ?雲間町長じゃねぇの、こんな所になんの用事だ?」
「屋上が騒がしくなっていると聞いてね、顔を出してみた」
「町長・・・権力者・・・か」
源太にある疑問が浮かんできた。
お便りコーナー!!(唐突)
まず初めのお便り、えー
ペンネーム:自演乙1号さん
・前書きと後書き無駄なんだよクタバレχダニャン
だそうです!はい、くたばりません元気です。はい次
ペンネーム:自演乙2号さん
・この自作自演空しくなりませんか?
はい、空しいです。 おら次
ペンネーム:マッチポンプ初号機さん
・腹痛くなったのでトイレ行きます
奇遇ですね僕もトイレ行きます。ではまた次回!!
次回「狐につつまれて23話」「ネット大賞最下位の座は譲らないぜ!!」
みんな、絶対にみないでくれよな!




