18話 晴れが笑う
着実に閲覧数が減っている、まぁここのところシリアスまっしぐらだしねぇ。
一応終わりに向けて準備してるわけです。
最終回迎えるころには閲覧者0ですねぇ。
まぁ出だしからクソだったもんねぇ。
でも閲覧0になろうとコンの物語は書ききるぞ!!
病院の非常口の扉がギギギ・・・と軋みながら開く。
普段あまり使われていないのだろう錆びて少しだけ開きにくくなっている。
さらには錆びついた古い台車などがガラクタのように積み上げられている。
実際に何かあったときには非常に困るだろうに。
「ま、そのおかげで僕は大助かりなんだけどね」
開いた扉からヒョコと顏を覗かせる。
するとナース服のままタバコを吸う看護師と目が合った。
「オバさん・・・またサボってタバコ?」
「あら~、アンタはまた脱走?」
「そ!サボってるの内緒にしてあげるよ」
「そうかよ、じゃ、わたしゃ何も見てないよ
脱走少年なんか特にね、あんま遅くなるんじゃないよ」
「はーい!」
「ったく、ガキはメンドクサイねヤダヤダ」
「時の流れって残酷だね、やだやだ」
「・・・クソガキ、何言いたいんだい?えぇ?」
「あはは、じゃーね」
病院から離れていく晴斗をタバコ看護師は手を小さく振って見送る。
「あんな手のかかるクソガキほど、いなくなると寂しく思うもんなんだよね
居ても居なくても迷惑な話だよまったく」
コンちゃんは初めて会ったとき、お稲荷様の山から下りてきた。
やっぱりあの山に住んでるんだよね?よし、行こう!
きっとあの出来事の後じゃ町に降りるなんてできないだろうし。
弱っちい僕でも出来ることはやってみたい。
だってどうせ短い人生だ、後悔はしても悔いは残したくない。
この前よりも少し重く感じる体を操作して僕は山へ向かっていった。
タオルケットに頭まで潜ったまま動かないコンにウツケとタワケが
心配して声をかける。
「コンちゃん、モグラ取ってきたけど・・・」
「・・・いらない」
「三日間なんも食べてないじゃんか!なんか食えよホラホラ!!」
「・・・うるさい」
「う~ん、俺を叩かないってことはやっぱ重症だな・・・」
「そりゃあ、友達を助けようとして暴走しちゃあねぇ・・・」
「でも元に戻れて本当に良かったよ、お守り万歳だな」
「・・・あたし、なんであんなことしちゃったんだろ」
タオルケットがもぞりと動く。
「この前言ったけど魔族化したら本来は心が塗り替えられる
でもコンはまだ心が形成されきってない赤ん坊だったから
逆に魔族の心を塗り潰せたんだ」
コンの反応がないということは別に聞きたい部分ではなかったらしい。
ウツケが続きを話しだす。
「今回の件は友達を傷つけられたショックで魔族の心が表に出てきたのよ
多分だけど。で、お守りのおかげで元に戻れた」
「お守り持ってて本当に良かった・・・なかったらきっと晴斗殺してた」
「本当に不思議なお守りよねルシファーが・・・」
ウツケとタワケの動きがピタリと止まる。
タオルケットを被っていてもコンはその両親の変化に気が付く。
「おい、ウツケ、山にヒトが入ってきた?」
「・・・生贄?違うわね、恐らくだけど生贄の文化は途絶えてるわ」
「追っ払うか、二人とも待ってろ」
「行ってらっしゃいな」
「・・・頭ぶつけろ」
「え?ここで俺に暴言吐くかね?コン、お前実は割と元気取り戻してるだろ」
「いいから早よいきなさいよ!頭空っぽ5本尾がっ!!!」
ドスドスドス!!
「ぐぇぶ!!!」
ウツケの銀の尻尾3本がタワケの喉にぶっ刺さる。
いわゆる地獄突きというものだろうか。
喉に致命傷を負わされてから山に入ったニンゲンの元に向かう羽目になった。
やっぱりタワケは道中涙目だった。
しかも声が妙に高くなって元に戻らなくなってしまった。
やはり踏んだり蹴ったりである。
「源太?コンちゃん来た?」
「来ません!別の輩でしょうな」
「・・・また?ここ数日怪しい人物がここをうろついているわね」
「見かける度にぶちのめして身ぐるみを剥いでその辺に
捨ててるのですがねぇ・・・数が減りませんなぁ」
「・・・それが原因じゃないのかしら?」
「いえいえ、お嬢様の職業が悪いと思われますぞ!!」
「あら、才能って怖いわ~オホホ」
「とりあえず外の輩は排除しておきますぞ」
「はいは~い、私はコンちゃんが来てもいいように
お菓子作りの準備しておこっと♥」
軽い足取りでキッチンに向かう凪音を見送って源太はため息を
付きながら玄関から外に出る。
怪しいフードを被った人物がこちらの様子を伺っている。
これでここ数日で5人目、しつこくて困る。
警察はなんか「事件で忙しい」とか言って動かなかった。
明らかに害を加えようとしている奴が居るのに動かないとか
きな臭いにもほどがある。権力者でも絡んでるのか?
「まったく、なんだテメェ等は?しつこい奴等だ」
「・・・」
相手がナイフを取り出す。
「はぁ」源太が呆れたように再びため息をついてから
タバコに火を入れる。
「随分殺意が明確だなぁ、えぇ?オイ、雨入家には恩があるんだよ
お嬢様を不安にさせる輩は許さねぇぞクソッタレがよ」
怪しいフードがナイフを両手で握り突進してく来た。
単純な動きだ、ナイフを付きだしてくるタイミングと位置を予測して
自分の両腕で相手の両腕をがっちり抑える。
相手は当然振り解こうと暴れ出す、相手の呼吸ペースを見て
息を吸うときに合わせて至近距離でタバコの煙を顔面に浴びせた。
「ゲホゲホゲホ!!」
煙を浴びせたと同時に相手のやや後に移動し膝裏に蹴りを入れて
怪しいフードの体制を崩し、膝を付かせてから眼下の後頭部に向けて
かかと落としを決め、相手の意識を奪う。
「で、こいつの財布は~♪っと・・・ちッしけてやがる」
それにしてもこのフードの連中はよくわからん。目的は金なのだろうが。
そして同じ格好をしていることからなんかの団体様のようだが・・・
あと一度に複数人で来ないという事は目立った動きをしたくないのか
それともまだ様子を見ているのか・・・両方か?
ドス
物陰で息をひそめていたもうひとりが源太の背中にナイフを突き立てた。
「・・なるほど、今日は・・ふた、り・・・・か・・・」
背中から赤い液体が溢れているのがわかる。
そのまま源太は力なく地面に崩れ落ちた。
「いたっ!」
川辺の石に足を取られて転んでしまった。
でもこれしきの事で止まってしまうほどは弱くない、僕はまだ進む
コンちゃんに会いたいんだ!なんて声を掛けたらいいかわからないけど
『ありがとう』ぐらい言わないといけないと思うんだ。
しばらく登っていくと辺りの雰囲気が変わる、景色が
変わったのではなく、空気が変わったような。
「少年よ、何しに来た・・・?」
「! だ、誰!?」
どこからか声だけが聞こえてくる。
声のする方向がわからない、でもそれ以上に
引っかかることがある。
「・・・化け物とでも名乗っておこうか、何をしに来たのかは知らんが
早々に立ち去れ、ニンゲンが来る場所ではない」
ダメだ我慢できない!気になるっ!!
「・・・あの、ごめんなさい声が妙に高くて違和感が」
「ヱゑっ!!そこぉ!?しかも今のタイミングで!?」
「いやごめんなさい、本当にごめんなさい、男性がヘリウムガス吸いながら
女性の声マネをしているような気持ちワルさがあるんですよ」
「謝罪の文句に心が入ってねぇ!喉の調子が悪いんだよ!察しろ!!
そっとしておけ!!触れるな!!」
「化け物でも喉の調子が悪くなるんですね」
「うっせぇぇぇ!!触れんなって言ったろガキがよ!!
元はと言えばコンが俺に暴言吐いた流れでウツケに喉潰されて
こんな声なんだよ!!楽しいか!どいつもこいつも俺のことを
コケにしおってからに!!泣くぞ!!泣きわめくぞ!!いいのか!?
姿の見えない化け物の泣きわめく生声を聞いていくか!?」
「あ、そのストリートライブ興味ないです、それよりも今
コンっていいましたよね!僕コンちゃんに会いにきたんです!!」
「・・・は?」
「あの、ですからコンちゃんに会いに来ました!」
「・・・ちょっと待っててね?動かないでね?あ、名前聞いていい?」
「晴斗です、雲間 晴斗です!!」
晴斗と名乗った少年はその名前の通り雲の隙間から顔を覗かせた
青空のように晴れやかな笑顔だった。
へロー!
どうせ閲覧者0になるんだから今のうちに聞いておきたいことがあります。
描きたい物語がたくさんあるんですが強いて言うなら興味があるものはありますか?
・魔王の花
勇者が魔王を倒してお姫様を救うありふれた物語です、魔王ルシファーと王女ルミアの物語。
・人を呪わば・・・
呪いの泥人形が主人公のホラー(笑)です、感情豊かな呪い人形はターゲットにたどり着けるか!?
・地上最強の猫パァァァァンチ!!!
世界最強の猫爆誕ストーリー、ウツケとタワケはコイツのせいで猫が大っ嫌いになりました。
・俺は息子じゃねぇ!!
認知症のおばあちゃんの幽霊に取りつかれた社会不適合者の物語。
ちなみにこの主人公男性は既にコンと遭遇した描写があります。一瞬ですが。
・星誕記
俺が書く物語は全部同じ惑星の出来事です、その物語の舞台「星母マリア」が誕生した理由を
書きます、宇宙外生命体の物語です。
・青い夜空の竜騎兵
心のないとされる竜と心を通わせた少年の「信じる心」の物語。
※既に一話目掲載中、これ選ばれたら更新速度上げます。
他にもまだまだありますがまだ技量が足りないので今できそうなのはこれぐらい。
因みにどれも多かれ少なかれ「狐につつまれて」にまったく無関係ということはありません。
メッセージくれたら狂ったように喜ぶから興味なくても無理矢理えらんでくれよな!
(こんなことしてるから閲覧者離れていく説)
次回「狐につつまれて19話」
「Q、何話目で閲覧者0になると思いますか? A、19話じゃね?(遥か遠い目)」
みんな、絶対に見ないでくれよな!!!




