再びかつての死人の村へ
俺達は、再び旅に出ることになった。
ゴトゴト揺れる馬車に乗るのもこれで三度目となる。
しかし、それでもなかなか慣れることはない。
体に掛かる負担がやはり大きい。
勿論、自分の足で移動するよりは遥かに楽ではあるが。
腰が痛くなるのは、最早お約束のようなものなのだろう。
まずはの目的地は、前回に向かった死人の蔓延っていた村である。
死人になりかけていた村人達は、無事に村で生活することが出来るようになったであろうか?
自分が関わった事柄であるだけに、その村に訪れる事になったのだ。
やはり気になるところだ。
「また、こんなことになるなんてな。」
「分かります。こんなに急に旅立つことになるなんて、思いもしなかったですよ。」
「文句を言っても仕方あるまい。」
愚痴をこぼす俺とカインにアルクが答える。
今更言っても仕方ないのも理解できるし、言ったところで無駄なことも分かっているけども、それでもちょっとした愚痴くらいは許して欲しいものだ。
「俺だって、こんな事になるなんて思いもしなかった。」
「しかし、どうやってこんなに早くに連絡を着けてくる事が出来たんだ?俺達が街に戻ってすぐぐらいだったじゃないか。」
「それはな、あまり大っぴらには出来ないが、各ギルドには遠方と連絡をとることの出来る装置があるのだ。何処かの遺跡からの発掘品とも、何処かから訪れた者が産み出したとも言われているが、詳しい事までは聞いていないな。それを用いて、トルスより連絡を受けたというわけだ。」
「では、村からそのトルスに情報が伝わったルートは?」
「おそらく、俺達が村を離れてそれほどしないうちに、近くの街からの偵察が辿り着いたのだろう。その偵察からの情報を元に、特殊依頼が出されたのだから。」
「なるほど。」
そういう訳か。
そのような物が発掘される遺跡ならば、見てみたいものだ。
それとも発明をした者がいるのか。
何処かから訪れた者とは、十中八九俺と同じ境遇の所謂飛ばされ者の事だろう。
何にせよ、完全とはいかないまでもそれなりの理由を知ることが出来たわけだ。
今はその程度の明確な情報で無くとも、納得をせざるおえないだろうな。
もしかしたら、いずれ詳しい情報を得ることも出来るかもしれないし、その時を待つことにしよう。
「ああ、そうだ。それと支部長から言付けがあるんだが。」
「ん?いったいなんだ?」
「お前が所持している魔剣のついてだよ。こんな形での旅立ちになって、お前と詳しい話が出来なかったからな。お前が怒っているときに変に聞いてもこじれるだけだと、俺が止めたんだ。」
それも仕方ないと思うが?
何事も無く、つつがなく話が進んでいれば、魔剣についても話をすることが出来ただろう。
スードが余計なことをしなければ、何ならお目にかける事もあっただろう。
アルクはその辺ちゃんと報告していたか。
それで何の話があるのだろうか?
「詳しい話は戻ってからとのことだ。あんな剣、早々見ないからな。支部長も相当気になっていたようだ。」
「話ねぇ・・・」
それはそれとして、ただ移動をするというのも暇なものだ。
無為に時間を使うというのも、勿体ない話。
久々に自分の能力を確認してみよう。
名前 クルス・カミヤ
性別 男
年齢 18
スキル
神眼、複写
体力増大(LV.6)、敏捷増大(LV.5)
腕力増大(LV.7)、魔力増大(LV.5)
精神力増大(LV.7)、命中補正(LV.4)
無手熟練(LV.4)、蹴撃熟練(LV.5)
短剣熟練(LV.4)、長剣熟練(LV.3)
槍熟練(LV.1)
打撃(LV.6)、切り裂き(LV.3)
火魔法(LV.5)、水魔法(LV.2)
風魔法(LV.3)、土魔法(LV.4)
神聖魔法(LV.2)、闇魔法(LV.5)
強奪(LV.3)、気配遮断(LV.3)
隠蔽(LV.4)、加速(LV.5)
連携(LV.2)、幻惑(LV.1)
威圧(LV.2)
自然治癒増大(LV.6)、状態異常回避(LV.5)
成長促進、意志疎通
解体、調理(LV.3)
ふむ、全体的に能力が上がっているな。
死線を潜り抜けたお陰だろう。
しかし、闇魔法のレベルがかなり上がっている。
闇の属性を持つ魔法を行使した覚えが無いんだが。
もしや、魔剣のせいか?
そうでなければ、理由が分からない。
おそらくそうなのだろう。
無理矢理にでも闇の属性に対する親和性を、体内から上げようとしているのかもしれないな。
ご苦労な事だ。
大人しく眠っていたらいいものを。
トゥーンはどうだ?
名前 トゥーン
種族 ハンタースクイレル
スキル
勇者
体力増大(LV.MAX)、敏捷増大(LV.MAX)
腕力増大(LV.MAX)、魔力増大(LV.MAX)
切り裂き(LV.3)
風魔法(LV.MAX)、神聖魔法(LV.MAX)
自然治癒増大(LV.3)、状態異常回避(LV.MAX)
意思疎通、成長促進
気配察知
“自然治癒増大”のスキルが増えているな。
瀕死の重症からの復活を遂げたのだ。
それの影響があるのだろう。
ただでさえ強い能力を持っているのに、より強くなってしまった。
名前 カイン
種族 人
性別 男
スキル
腕力増大(LV.4)、敏捷増大(LV.4)
命中補正(LV.3)
短剣熟練(LV.4)、弓熟練(LV.3)
気配遮断(LV.2)、加速(LV.2)
意思疎通、調理(LV.1)
カインは、ついこないだ確認したのと変化はないな。
名前 バル
種族 ウォーウルフ
スキル
切り裂き(LV.5)
体力増大(LV.4)、敏捷増大(LV.5)
腕力増大(LV.3)、魔力増大(LV.2)
火魔法(LV.2)、土魔法(LV.1)
統率(LV.4)、連携(LV.4)
威圧(LV.3)、気配遮断(LV.2)
バルも特に変化無しか。
あまり戦いに参加出来なかったしな。
それに、ようやく参加出来たのも楽勝が過ぎて、成長には繋がらなかったか。
それと、これまで何故か確認していなかったアルクの能力を確認してみるか。
名前 アルク
種族 人
性別 男
スキル
体力増大(LV.5)、敏捷増大(LV.3)
腕力増大(LV.2)、魔力増大(LV.4)
精神力増大(LV.5)
無手熟練(LV.2)、蹴撃熟練(LV.2)
火魔法(LV.4)、水魔法(LV.3)
風魔法(LV.4)、闇魔法(LV.2)
解体
完全な魔法特化のタイプのようだと思っていたが、それなりに近接戦闘もこなすことが出来るようだ。
やはり、元冒険者ということなのだろう。
色々な距離での戦闘になる可能性が高いからな。
得意な距離だけでは、さすがにやっていけないんだろう。
残念ながら、“複写”を使う対照になりそうなスキルを持っていないな。
それでも、俺よりは遥かに魔法の使い方には長けているだろう。
強さといっても、スキルのレベルの高さによる強さではなく、それまでに培った経験に基づく強さがあると思う。
移動中に、魔法の使い方を教わるのもいいかもしれないな。
暇つぶしと言ってしまっては見も蓋も無いが。
さて、これで自分だけでなく、同行者の分の能力も確認することが出来た。
が、また手持無沙汰になってしまったな。
さて、どうするか・・・
というわけで、今回は各人の能力の確認となりました。
定期的に見ていかないと自分も忘れそうになる・・・
8/30 魔剣についての話をちょいと追加。
後付け感があるのは仕方がないですね・・・
ブックマークや評価を頂けると、物凄くモチベーションが上がります。
また、様々な感想を頂けるとありがたいです。
今後ともお付きあいのほど、よろしくお願いします。