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購入した商品の確認

部屋に戻ると、今日購入した商品をベッドの上に並べる。

購入したのはナイフと剣、それに腕輪と指輪といった装飾品だ。

さてさて、改めてちゃんと確認してみようか。

“神眼”を発動させ、まずは価値のありそうなものと、まるっきりただのガラクタとに分けていく。

そうすると、価値の高そうな物が計六点残る。



名前 風を紡ぐナイフ


風の聖霊の加護を受けたナイフ。魔力を込めることで風の刃を生み出す。刀身は存在しない。風属性を持つ。



名前 星屑のナイフ


空の彼方より飛来した鉱石を加工して作られたナイフ。



名前 木刀の成りをした古代樹の枝


長い年月をかけて育った古代樹の枝。育っていく過程で身が凝縮された事により、驚くほどの硬さを持つ。



名前 錆びた剣


劣化が著しい。打ち直すことで蘇る。



名前 加速の指輪


スキル“加速”を付与する腕輪。スキル獲得と同時に砕け散る。



名前 魔封じの腕輪


装備すると、一切の魔法を使用することが出来なくなる。一定期間装備し続ける事により、スキル“魔力増大”を獲得する。



なかなか価値が高そうじゃないか?

風を紡ぐナイフはいかにも魔法の存在する世界特有の武器と思える。

星屑のナイフは、恐らく隕鉄を用いて作られた物なのだろう。

切れ味も悪くない。

これらが価値がない商品と言えてしまう露店商は、やはり商売の才能がないのだろう。


変わったものが、木刀の成りをした古代樹の枝というものだ。

古代樹というのは、そこまで硬いものだとは思わなかった。

使用に耐えるか分からないが、試してみるのも面白そうだ。


錆びた剣というのは、一見するとただのガラクタにも見える。

だが、見るものが見れば気付く。

形状がいわゆる刀の形をしていた。

こちらの世界で、刀は見たことが今のところなかった。

機会を見て、打ち直してみるのもいいかもしれない。


指輪や腕輪は、俺が装備しても意味が無いな。

ちょうど、カインは魔法を扱う事が出来ない訳だし、魔封じの腕輪を装備させてやると良いだろう。

加速の指輪は誰にあげようか?

これも、カインに与えた方がいいかもしれないな。

第一、トゥーンやバルでは装備出来ないだろう。

横で見ていたカインに、指輪と腕輪を渡す。


「これは?」


「取り合えず指輪の方をつけてみてもらっていいか?」


「指輪をですか?別に構わないですけど、何かあるんですか?」


疑問符を浮かべながらも、指輪をはめるカイン。

すると、パキッという音と共に指輪が砕けた。

俺は納得ずくで渡していた為、何とも思わなかったが、慌てたのはカインだ。

せっかく与えられた指輪を、もらったその瞬間に壊してしまったようなものだからだ。


「すみません、クルスさん。折角いただいた指輪が壊れてしまいました。」


「まぁ、気にするな。つけた瞬間壊れるなんて、誰も想像つかないだろ?それほど高いものでも無かったわけだし。それより、次は腕輪をつけてくれ。」


慌てるカインをなだめる。

それでも、申し訳なさそうにしているのを見ていると、悪いことをしたかもしれない。


そんなカインに次いで、腕輪を装備させる。

また壊れるんじゃないかと、不安そうな顔をしているがそれでもつけてくれた。

壊れは・・・していないな。

しばらく装備させておけば、魔法を使用することが出来るようになるかもしれないな。

スキルを獲得したら外させることにしよう。

カインの能力を確認する。



名前 カイン

種族 人

性別 男


スキル

腕力増大(LV.3)、敏捷増大(LV.4)

命中補正(LV.3)


短剣熟練(LV.3)、弓熟練(LV.3)


気配遮断(LV.1)、加速(LV.1)

意思疎通



確かに、説明通りにスキルが追加されている。

後付けでスキルを得るには、こんな方法もあるのだな。


最後に、星屑のナイフを渡す事にした。

中々の切れ味を持っているのは確認済みだ。

真っ黒な刀身のナイフだ。

それを渡す。


「でも、僕もナイフは買いましたよ?」


「まぁ、騙されたと思って持っておけよ。それ相当な値打ちものだぞ。カインには悪いが、店売りのナイフよりもはるかに良いものだな。」


「えっ!」


「試しに店売りのナイフで、そいつを叩いてみたらいい。」


「そんなことして、壊れてしまったらどうするんです。」


「でも、それくらいしないと、俺の言ってること信じられないだろ?」


渋るカインをけしかける。

本当に渋々といった風ではあるが、言った通りに先程の買ったばかりのナイフで、星屑のナイフを叩きつける。

すると、澄んだ音をたてながら店売りのナイフが真っ二つに分かれてしまった。

唖然とするカイン。

折角買ったばかりのナイフが、簡単に折れてしまえばそりゃそうだろう。


「どうだ?」


「なっ、何なんですかこれ!こんなナイフ見たことない!」


「な、良い買い物だっただろ?」


「何で、こんなものを見つけられるんですか!これ、相当凄いですよ!」


「あー、前の世界で培った目が役にたってるのかな?」


すごい勢いで聞いてくるので、とっさに嘘をついてしまった。

いくらカインでも、そう簡単に自分の持つスキルを教えるつもりは無かったからだ。

別に信用してない訳では無いんだけどな。

知らなくても良いことは、知らないままでもいいだろう。


「まぁ、多少の目利きは、出来ると思ってもらって構わない。」


「いや、商人でもないのに凄いことですよ。」


「そんなに誉めるなよ。大したことじゃないさ。じゃ、そのナイフはカイン、お前にやるから使ってやってくれよ。」


「こんなすごい物頂けませんよ!」


「そうは言っても、折角買った店売りのナイフは壊れてしまっただろ?また買うのもどうかと思うしな。いいから貰っておけよ。」


「そう言うなら・・・」


申し訳なさそうなカイン。

しかし、口角が少し上がっているところを見ると、まったく嬉しくない訳ではないようだ。

集落で買ったミスリル製のナイフと、合わせて使ってくれれば良いだろう。


後の物は、自分で使うようにするか。

錆びた剣は、しばらくカインに預けておけば良いだろう。

以前見かけた“長剣熟練”のスキルを、誰かから貰いたいところだな。


カインにちょっとテコ入れ。

主要キャラなので、頑張って貰いたいですね。



ここから宣伝!

昨日は投稿出来ませんでした。

が、実はちょっと毛色の違うお話しを、こっそり上げていました。


「夏休みの一つの話」


というタイトルの作品です。

よろしければどうぞ

宣伝終わり!


ブックマークや評価を頂けると、物凄くモチベーションが上がります。

また、様々な感想を頂けるとありがたいです。

今後ともお付きあいのほど、よろしくお願いします。

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