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盗賊との戦い

「まぁ、そう言うなや。こちとら色々、お返ししないと気がすまないんでな。」


「それは大変光栄だが、先を急ぐんでな。今回は遠慮しておくよ。」


「カハハハハ・・・いい度胸してるな。だが、こちとら怪我人出ちまってるみたいだしな。そう簡単に退くわけにはいかねー訳よ。」


全くもって面倒な事だ。

先に因縁つけてきたのは、そちらだろうに。

鬱屈しそうな森を、長々と抜けて来たのだ。

さっさともう少し見晴らしのいい場所までさっさと出たいというのに。


「それで、どうしようというんだ?」


「そうさな・・・身ぐるみ剥ぐだけじゃ生ぬるいだろうよ。オメェは首をいただくとして、そっちの連れは、男か女か?売り飛ばせば良い値がつくだろうよ。」


「へぇ、それで?」


「あと、そこのちっこいのは・・・まぁ、愛玩動物とでも言って売っちまうさ。」


親分と呼ばれた男がそう言うと、周りの連中が囲みを詰めてくる。

やれやれ、結局こうなってしまうのだな。

内心ため息をつきながら、睨み付ける。

盗賊の親分はヘラヘラ笑っている。


『すまんな、二人とも。結局、こんなことになっちまった。』


『気にするな!暴れていいんだろ!』


『仕方ないですね。まぁ、みんなしばき倒してしまえば良いですよ。フフフフフ・・・』


二人に謝りを入れると、トゥーンは明るく答えていたのに対して、カインは・・・なんか怖いな。

おそらく、男か女かわからない発言に怒りを覚えたんだろうな。

それ以外に怒る理由は無いだろうし。


「テメーラ、やっちめぇ!」


号令と共にこちらへと飛びかかってくる。

そう来るなら、もう遠慮も無いだろう。

俺も、思いきりやってやるだけだ。


思いきりタックルをしてくる奴の腹を膝で蹴りあげ、後ろから羽交い締めをしようとする奴のこめかみ辺りを、ひじ打ちで打ち抜く。

剣を突き出してきた奴に、先程タックルしてきた奴を投げ飛ばし動きを封じると、まとめて蹴り飛ばす。

剣を上段で構える奴に肉薄すると、剣を降り下ろすより速く顔面を拳で殴り飛ばす。

距離の離れた所で、弓で援護している奴には拾った石を思いきり投げつける。

“命中補正”のスキルもあってか、それほど外す事はなかった。

動かれれば狙いもブレるが、止まって弓構えてちゃね。


スキルに物をいわせた、一方的な暴力になってしまっているが、仕方あるまい。

こちらとしては、こんなことにならないために引いていたのだから。

二人の様子はと、横目で確認する。

トゥーンは心配する必要は無いな。

むしろ、相手をすることになってしまった連中の方が災難だな。

カインはというと、こちらもそれほど苦労は無さそうだ。

時おり、危険な場面も見受けられるが、トゥーンが上手くフォローしている。

何でも出来るなトゥーン。


「カハハハハ・・・良いな、お前ら。」


「まだやんのか?」


「たりめーだ!ここまでコケにされて黙ってられるか!」


腰から剣を抜き、こちらに駆け出してくる。

それにナイフを抜き、身構え、受けて立つ。

ここまで、素手で対応してきたが、嫌な予感がした。

薙ぎ払う動きの剣に、ナイフを当てて攻撃を防ぐ。

二撃、三撃と繰り出される連続した剣戟を何とか防御していく。


それまでの有象無象とは、雲泥の差だ。

ゆっくりとした剣速に見えるのだが、気付いたときには目の前にあるような感覚だ。

どうなってるんだ?


「なかなかやるな。よくもまぁ、これだけ躱すもんだ。」


「まあな。」


いや、ギリギリだよ!

何かおかしい。

そうとしか言いようがない。

会話をしてる最中も剣が飛んでくる。

少しの油断も許されない。


「くそっ!」


思いきって踏み込んでみると、サッと後ろに引く。

ナイフではリーチが足りない。

何とか近づかなければ、勝利はない。

身構えて出方を待つようにすると、再び連続した剣戟が続き、踏み込めば、またサッと引く。

この繰り返しだ。


相手の剣戟に耐え、踏み込む動きをし、相手がサッと後ろに引くと、こちらも後方へと引く。


「あぁ?フェイクか。」


「おっさんの近くは暑苦しくてたまらんからな。」


「カハッ。よく言う。」


この隙に“神眼”を発動させる。

なかなか肉薄した状態では、使えなかったからだ。



種族 人

性別 男


スキル

体力増大(LV.4)、敏捷増大(LV.1)

腕力増大(LV.5)


長剣熟練(LV.5)


幻惑(LV.4)



幻惑?

そいつが原因か。

そのせいで、変な速さになってたのか。

タネが分かれば、大したこと無い。

剣の軌道は変わらなかった。

気持ち悪さは残るが、精神的にはやや気楽になる。


「何か良い策でも思い付いたか?」


「さてね。」


また、相手の剣を受けながら隙を狙う。

やはり、剣筋が鋭い。

幾度目かの剣戟をあるいは躱し、あるいは受け止めていく。


「いい加減にくたばれ!」


踏みこみが、これよりも明らかに大きくなった。

それに、大振りに見える。

焦れてきたか?

なら、勝負を決めよう。


大振りになった剣の軌道にナイフを置き、もう片方の手でこれまで使ってこなかった、もう一本のナイフを掴む。

そして、相手の剣を受けると同時に、もう一本を思いきり振り抜く。

狙いは剣を持つ右腕。

驚くほどあっさり、右腕を切り落とす事に成功する。

体当たりをして相手を吹き飛ばすと距離を取る。

勿論、その時には“複写”を発動させる。


ナイフを振り、血を飛ばすとホルダーにしまう。

勝負ありだろう。

気づけば、周りでの戦闘も終了していた。

全く心配してはいなかったけども。


「がっ・・・くそっ・・・痛ぇ・・・」


凄まじい眼力で睨んでくる。

が、始めたのはそちらだろうに。

逆恨みもいいとこだろう。


「くそっ・・・くそっ・・・くそっ・・・くそっ・・・」


様子がおかしい。

怒りで周りが見えなくなっているようだ。

狂気が目に宿っているかのようだ。


「くそがぁぁぁぁぁぁ!!!!」


叫び声を上げる盗賊の親分。

ん?

なんだ?

少しずつではあるが、体が大きくなってないか?


腕を押さえながら、立ち上がる。

やはり、大きくなっている!

口が裂け始め、皮膚の色が変化し始める。

明らかにおかしい。

何か別の生き物に変化していくようだ。


「まっ、魔物化してる・・・」


カインが後で呟く。

魔物化だと?

名前 クルス・カミヤ

性別 男

年齢 18


スキル

神眼、複写


体力増大(LV.4)、敏捷増大(LV.3)

腕力増大(LV.5)、魔力増大(LV.3)

精神力増大(LV.5)、命中補正(LV.2)


短剣熟練(LV.4)、槍熟練(LV.1)


打撃(LV.4)


火魔法(LV.3)、水魔法(LV.2)

風魔法(LV.3)、土魔法(LV.4)


強奪(LV.1)、気配遮断(LV.3)

隠蔽(LV.2)、加速(LV.3)

幻惑(LV.1)


自然治癒増大(LV.4)、状態異常回避(LV.3)

成長促進、意志疎通

解体


幻惑(LV.4)



ブックマークや評価を頂けると、物凄くモチベーションが上がります。

また、様々な感想を頂けるとありがたいです。

今後ともお付きあいのほど、よろしくお願いします。

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