宴は続く
日の光が木々の間から注ぎ込んでも、お祭り騒ぎの様相はなかなかに尽きない。
娯楽に飢えてるというのかなんというのか。
ただの獣であれば、行動するべき時間以外は眠りにつくような生活サイクルのはずだ。
人間と違って、犬や猫も思っているより睡眠に時間をとっていたはずだ。
しかし、リス達の喧騒は止むことなく続いていく。
トゥーンや長老もそうだったが、よくよく考えると知識レベルが高いと言わざるおえない。
普通に俺と会話をしているのだから。
そんな知識レベルを持っているせいで、そんな風に延々と起きているような過ごし方をしてしまうのだろう。
さすがにこちらの世界に来て二日目でこのような展開になると誰が思うだろうか?
何せ人の姿を一度も見ることなくここまで来ているのだから。
それでも会話をする相手に恵まれたことは僥倖であったといえる。
遠慮なく色々な事を聞いてくるので、様々な事を話した。
今まで、どのような生活をしていたのかという事や食べ物の話。風習や習慣など話すたびに、自分達の生活とかけ離れた話だったせいか興味深くきいているようだった。
その中でも特に受けが良かったのは、かつて一世を風靡したお笑い芸人の一発ネタのようなものだ。
言葉だけのものではなく、動きの有るものが特にお好みのようだ。
今でも周りではそんな一発ネタをやっては笑うというファンシーさを飛び越えた、非常にシュールな状況が繰り広げられられている。
さすがにやりすぎた?
いや、今さら遅いか・・・
喜んでいるし、良しとするか・・・
・・・そういえばいくつか新たにスキルを獲得した。
その確認でもしておこうか。
現実離れも甚だしい状況から目をそらすべくスキルを確認し始める。
名前 クルス・カミヤ
性別 男
年齢 18
スキル
神眼、複写
体力増大(LV.1)、敏捷増大(LV.1)
腕力増大(LV.1)、魔力増大(LV.1)
精神力増大(LV.2)
打撃(LV.1)
火魔法(LV.1)、水魔法(LV.1)
風魔法(LV.1)、土魔法(LV.1)
強奪(LV.1)、気配遮断(LV.1)
隠蔽(LV.1)
自然治癒増大(LV.2)、状態異常回避(LV.1)、
成長促進、意志疎通
うん、かなり増えたな。
特に魔法を得ることができたのは大きい。
何せ魔法の存在する世界なのだから一度は使ってみたいというのも仕方の無い話だろう。
それに自分の身体能力に寄与するスキルを得られたのもいい。
敏捷増大(LV.1)・・・敏捷を増幅する
腕力増大(LV.1)・・・腕力を増幅する
魔力増大(LV.1)・・・魔力を増幅する
精神力増大(LV.2)・・・精神力を増幅する
打撃(LV.1)・・・殴打の威力を上昇させる
火魔法(LV.1)・・・火属性の魔法を操る。
水魔法(LV.1)・・・水属性の魔法を操る。
風魔法(LV.1)・・・風属性の魔法を操る。
よくよく見てみると“精神力増大”がLV.2になっていた。
もしかしたらこの状況に耐えていた事で上がった?
しかしそれが上がってスキルの恩恵を得たとして、どの程度上昇するのだろうか?
確かにスキルを得たことで、心なしか体が軽く感じていたり、今まで知覚することのなかった不思議な力が体の中で渦巻いているような感覚があったりはする。
しかし、基準値のようなものが無いためピンとこない。
これがゲームならば自らの現状の能力を示す数値が割り振られているものだが、そのような表示は一切無い。
マスクデータとして存在しているのだろうか?
そう首を傾げる。
『クルス!どうだ!こんな感じか?』
話かけられて現実に引き戻される。
声の主はトゥーンのようで、俺のすくそばで先程教えてあげた一発ネタを試していた。
確かあるアニメに出てくる、出っぱのフランス被れが驚いたときによくしていた動きだったか。
リスの体では、中々に難しいであろうその動きを頑張って表現しようとしていた。
『はははは、中々様になってるよ。』
『そうか!さすが俺様、なんでもできるぜ!』
ポーズをとくと、胸を張るような仕草を見せるので、軽く頭を撫でてやる。
まるで子供が親に褒められたときような、はにかんだ感じで喜びの声を漏らしている。
『ちょっと皆に見せてくる!』
そう言ってその場を離れるトゥーンに行ってこいとばかりにうなずいてやると、嬉しそうに駆けていく。
数多くの仲間達に見せに行くのだろう。
その姿を見送ると、木漏れ日注ぐ木々の隙間から見える空を見上げる。
さて、これからどうするか・・・
スキル欄を、そのまま羅列させると見にくいので、ちょっと整頓しました。
大分増えました。
しかし、まだ増やしていくつもりですよ。
スキルを考えるの大変だけど楽しいですね。
ブックマークや評価を頂けると、物凄くモチベーションが上がります。
また、様々な感想を頂けるとありがたいです。
今後ともお付きあいのほど、よろしくお願いします。